人で賑わう場末のバー
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繁華街地下場末のバーは
ボンクラ酔いどれ自称非凡人
使い捨てしたいクズと
されたい輩にて大繁盛
≪コールボーイ 歌詞より抜粋≫
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繁華街の外れの地下にあるバーには酔ってぼんやりとした人が集まっているようです。
自分は非凡人なんだ、と言いふらしていますが実際は何処にでもいるような凡人なのでしょう。
使い捨てしたいクズとされたいクズは一夜限りの体の関係を持とうとしている人々を指していて、そんな人々が集まるバーは場末、という割には賑わっている様子です。
MVに登場する男性もそんなバーに訪れる一人で、同じように一夜限りの体の関係を持つ相手を探しているのでしょう。
しかし、そういう人たちを「クズ」と言っている辺りその行為には自己嫌悪を抱いているようです。
酒に飲まれる日々
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良いとか悪いとか言うそれ以前に
俺には一切記憶がねぇんだよ
明日もまた猛弁解
≪コールボーイ 歌詞より抜粋≫
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酔いもあってか翌日、酒が抜ければ男性は昨日のことなど覚えていません。
覚えていないことに対して善悪がするわけでも無く、昨晩一夜を共にした相手に言い訳をしているようです。
相手からしたら一夜限りの関係ではないと思っていたのでしょう。
それに対して覚えていないんだと必死に弁解しますが「また」といっているということはこれが初めてではなく、同じ過ちを何度も繰り返しているのでしょう。
毎回記憶が無くなるほど飲んでいるのか昨晩の記憶が丸ごと無く、弁解しなければいけない原因が何なのかも分からず自分でどうすることもできなくなっています。
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飲んだら明日に響くと言うけど
飲まなきゃその明日すらもねぇんだよ
嫌になるぜもう一杯
don't stop 構わずにもう一杯
≪コールボーイ 歌詞より抜粋≫
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飲みすぎは体に毒、と言いますが男性は酒を飲まないとまともに生活できないほどのアルコール中毒状態になっているのです。
そんな自分や飲まないと生きていけないような世の中に嫌気が差しながら、もう一杯と酒を煽ります。
そしてどうしようもないまま、また初対面の相手にすがって一夜限りとは名ばかりの体の関係を結んでしまい、明日また猛弁解する羽目になるのです。
助からない蜘蛛の糸
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馬鹿と煙が梯子酒
登る様はさながら蜘蛛の糸
何処もかしこもクソだらけ
ってオイ 一番クソなのは
オマエだ馬鹿
≪コールボーイ 歌詞より抜粋≫
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人々が様々なバーを巡ってはじご酒をし、煙草を吸って吐き出した煙を見て男性は蜘蛛の糸と例えています。
恐らくこの蜘蛛の糸は芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」に出てくる、地獄に垂らされた一本の細い蜘蛛の糸を指しているのではないでしょうか。
救いを求め這い上がるものの、自分が第一に助かろうとした欲が原因で糸は切れてしまい、救いがなくなってしまいます。
寂しさに負けて酒に溺れ、出られなくなってしまった人々をクソだらけと思っています。
しかし、酒に溺れ寂しさを埋めては忘れ、翌日には猛弁解しながら同じような人々をクソだらけと思っていますが、自分が一番クソな人間だと気付きました。
ボカロPが自身の楽曲のカバーする、というのは昨今珍しいことではなく、syudouもこの『コールボーイ』など多数の自身のオリジナル楽曲をカバーしています。
サビのセリフ箇所は本当に酒を飲んで録音したらしいです。
本当にMVの男性が歌っているようなカバーなので聴いたことが無い方はそちらも是非聴いてみてください。
TEXT Noah