ダークサイドなバンド
日本武道館と大阪城ホール公演を即日完売。アニメ・映画のテーマ曲も担当し、圧倒的なライブパフォーマンスで全国の野外フェスに出演するTHE ORAL CIGARETTES。
ストレートなロックサウンドながらキャッチーなメロディが、一度聴いたら抜け出せない中毒性を持っています。
人間の闇の部分を描く歌詞が心をえぐるダークな世界観が、なぜ人々を魅了するのでしょうか。
THE ORAL CIGARETTESとは
THE ORAL CIGARETTES(ジ・オーラル・シガレッツ)は通称「オーラル」と呼ばれており、メンバーはボーカル・ギターの山中拓也、ベースのあきらかにあきら、ギターの鈴木重伸、ドラムの中西雅哉の4人です。
2010年に結成。2012年に行われたオーディション「MASH FIGHT! Vol.1」で初代グランプリを獲得し、注目を集めました。
2014年、ONE OK ROCKなどが所属するA-Sketchより『起死回生ストーリー』でメジャーデビューを果たして以降、ライブは軒並みソールドアウトをする人気ぶりです。
2017年に日本武道館、2018年には大阪城ホールでのワンマンライブを成功させ、2019年には横浜アリーナなど、アリーナ4公演を含む全国ワンマンツアーを開催。
野外フェス「PARASITE DEJAVU〜2DAYZ OPEN AIR SHOW」を自ら主催し、さらに海外ツアーも行うなど精力的にライブ活動を行っています。
彼らに欠かせないBKW精神
THE ORAL CIGARETTESに欠かせないキーワードの一つに「BKW」があります。
「BKW」とは「番狂わせ」の略語で、音楽シーンに革命をもたらしている彼らが掲げているポリシーです。
四つ打ちサウンドが席巻するロックシーンでギターサウンドを全面に押し出した力強い曲調。
負の感情を認めることで、むしろ人を肯定するという新たな「救い」を生み出した歌詞が、前向きな歌詞が多い現代において、まさに番狂わせ的存在となっています。
グッズやファンクラブの名前にも「BKW」は使用されており、ファンまでもがその精神を広げる役割を果たしています。
一時活動休止からの復活
艶やかさと表現力を持ち合わせた唯一無二の歌声を持つボーカル山中拓也。
2015年のZepp Diver City公演で、彼の喉の調子が悪化し、声が出なくなる出来事がありました。
ライブを30分ほど中断、セットリストを大幅に変更し何とか最後までライブを行いましたが、ツアーファイナルと予定していた夏フェスは喉のポリープ摘出のためキャンセル。
ライブ活動を一時休止する事態に陥ります。
しかし年明けにリベンジライブを開催し復活。
2016年1月にはシングル『狂乱 Hey Kids!!』が収録された2ndアルバム『FIXION』がリリースされると、週間オリコンランキングで初のトップ10入りを果たしました。
THE ORAL CIGARETTESのオススメの3曲
闇を描き続けることで光を見出してきたTHE ORAL CIGARETTES。疾走感溢れるサウンドと印象的な歌詞が魅力的な3曲をご紹介します。
「BLACK MEMORY」
2017年公開の映画『亜人』の主題歌として書き下ろされた『BLACK MEMORY』は、映画監督とアイデアを出し合いながら作り上げていったそうです。
印象的なコーラスで始まり一気に引き込まれる展開はまるで映画のよう。
シンプルながら力強いサウンドに伸びやかな歌声が合わさり、ライブではキラーチューンのひとつとしてファンとの一体感を生み出しています。
『亜人』とTHE ORAL CIGARETTESの共通語ともいえるダークな世界観が見事にハマり、作品をより魅力的なものにする楽曲として映画ファンからも高い評価を得ています。
シングル『BLACK MEMORY』はオリコン週間シングルランキングで3位にランクイン。
この曲が収録された2018年6月発売のアルバム『Kisses and Kills』では、オリコン初登場1位を獲得し人気を確立しました。
「ワガママで誤魔化さないで」
アニメ『revisions リヴィジョンズ』のオープニングテーマ。
ロックサウンドにホーンアレンジが取り入れられ、さらにはPVでメンバーがダンスを披露したことでファンの間で話題となった1曲。
アーティスト写真も一新し、これまでとは全く違う彼らの一面を見せつけました。
BKW精神を保ちながらも、常に新しいことに挑戦していく「革命」の強い意思が伝わってくる楽曲です。
「エイミー」
THE ORAL CIGARETTESとしては珍しいラブソングとして発表された『エイミー』は、もともとボーカル山中拓也が特定の人へ書いた詞でした。
しかし2011年の東日本大震災をきっかけに「大切なものを失う怖さ」「繋がれる大切さ」に気づき、個人的なものよりみんなに発信すべき曲として歌詞を書き直しています。
バンドとしてノリノリではない曲をシングルとしてリリースすることに悩んだそうですが、THE ORAL CIGARETTESとファンの繋がりが見える大切な曲だったため、リリースに踏み切ったと語られています。
ファンにとっても意味のある曲『エイミー』は、今後も大事な曲として演奏され続けるでしょう。
THE ORAL CIGARETTESは新章に突入中!
2019年にバンド初となるベストアルバム『Before It's Too Late』をリリースし、バンドの第1章を完結させたTHE ORAL CIGARETTES。
配信限定シングル『Don't you think (feat.ロザリーナ)』で第2章の幕を開け、2020年4月にアルバム『SUCK MY WORLD』をリリースしました。
新たな章に突入し快進撃が止まらないTHE ORAL CIGARETTES。
今後も光を導き続ける番狂わせな彼らから目が離せません。
TEXT サトイ モノコ
2010年奈良にて結成。人間の闇の部分に目を背けずに音と言葉を巧みに操る唯一無二のロックバンド。 メンバーのキャラクターが映えるライブパフォーマンスを武器に全国の野外フェスに軒並み出演。 2017年6月には初の日本武道館公演、2018年2月には地元関西にて大阪城ホール公演を開催し両日と···