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全てを失うくらいなら…Kinki Kids、心が痛んでも守りたい「約束」。

2人だけの秘密の約束。それは、守られるはずだった。 約束をしたら、守らないといけない。 これはルールというより、社会の常識である。 生まれたての赤ん坊でもなければ、子供だって知っていることだ。


2人だけの秘密の約束。それは、守られるはずだった。

約束をしたら、守らないといけない。これはルールというより、社会の常識である。生まれたての赤ん坊でもなければ、子供だって知っていることだ。

けれど、大人になるにつれて人はズル賢くなっていく分、約束を平気で破るようになる。必要があれば嘘で誤魔化すし、約束をしていたこと自体を忘れてしまうこともある。重要度によって変わってくるが、約束を“絶対”守るというのは難しいことなのだ。

Kinki Kids28枚目のシングル『約束』は、まさに約束の危うい側面を歌った楽曲である。2人だけしか知らない秘密をキーワードに約束がメインになっており、どこか甘美な響きになっている。そのミステリアスさもあって、オリコンシングルランキングでは初登場から1位を獲得。また、この楽曲でKinkiはギネス世界記録「デビューからのシングル首位連続作品数」「デビューからのシングル首位連続獲得年数」を28作に更新し、記録を伸ばし続けている。

扱いを間違えれば粉々に壊れてしまうガラスのように、脆い美しさが魅力であるこの楽曲。すれ違った男女の想いが行きつく先とは?



――――
まだ、誰も知らない
揺らぐ心の行き先
君の髪をそっと撫でる
何かを確かめたくて

心 (大事だと)
映し出す (想うほど)
鏡を (真実は)
覗けば (遠ざかる)
愛しい姿が消えてく

――――

主人公の約束と不安の間で揺れる気持ちを描いている歌詞内容。ただ、これを読むだけでは気持ちが暗くなっていくだけだが、Kinki Kidsがデュオであることによって、カッコよく変化させている。剛君と光一君、2人の声が合わさっていても十分ステキなのだが歌詞にあるようなデュエットを入れることで主人公を弱いままにせず、女性の変化を受け止めようとする強さも見て取れる。ただ、真っ直ぐ見ることはできず、心が離れていくことを予感するだけで終わってしまうのだが。

“僕ら愛を重ね合って”
“約束を交わした”
“他の誰も踏み込めない”
“二人だけの場所で”


主人公にしてみれば約束を交わしたことへの安心感もあったのかもしれない。しかし、2人だけしか知らないというのは、彼女が知らないと言ってしまえばそれまでの約束である。それなのに、彼は最後まで約束にこだわり続けるのだ。綺麗になっていく彼女の、目に見える変化に怯えながら気付かないフリをしていれば壊れない世界があるから。

傍からみれば彼女の些細な変化に気付いていながら、もう一歩踏み込めなかったのも甘いとしか言いようがない。彼女を引き留めることだってできたかもしれないのにそのチャンスさえ逃しているからだ。けれど、主人公は彼女が別れを告げるその時まで約束を守り続ける。

“だけど君は綺麗になる”
“僕のいない場所で”
“僕はなぜか 目を閉じて”
“気付かないフリをした”
“・・・痛むから”


たとえ、効力のない約束だったとしても。
彼女の想いを知って全てを失うくらいなら、目を閉じていたいのだ。


TEXT:空屋まひろ

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