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映画「架空OL日記」共感の連続!バカリズムが演じるリアルすぎる女性像は必見

脚本家としても活躍するお笑い芸人のバカリズムが、原作と脚本、主演まで務めたことで話題の映画『架空OL日記』。OLの何気ない日常をリアルに描くヒューマンドラマです。観ればきっと共感できる映画『架空OL日記』の見どころを紹介します。
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違和感なし!バカリズムが描き出すOLのリアルな日常


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2020年公開の映画『架空OL日記』は、銀行OLの日常を描くヒューマンドラマです。

お笑い芸人であり脚本家としても人気のバカリズムが、2006年から3年間、OLになりきって綴っていたブログ「架空升野日記」が原作。

素性を伏せつつ、鋭い観察眼でリアルに書かれる日常は、多くの読者に本物のOLだと信じ込ませ、2013年に書籍化を果たしました。

2017年には、住田崇が監督、バカリズムが脚本と主演を務める同タイトルのテレビドラマが放送され、ギャラクシー奨励賞を受賞。

さらに、脚本のバカリズムは、ギャラクシー特別賞と向田邦子賞を受賞するという快挙を成し遂げました。

その映画化となる本作も、原作とドラマの面白さを引き継ぐ内容となっています。

シュールな空気感が漂う本作のあらすじや見どころを紹介していきましょう。

特別なことは起きない銀行OLたちのいつもの日々

▲映画『架空OL日記』予告編

みさと銀行に勤めるOLの「私」は、実家在住のややズボラ気味の性格の人物。

誰もが憂鬱な気持ちを抱える月曜日には、襲い来る眠気を何とか抑え、きっちりメイクをして外出します。

満員電車のストレスに耐えて、職場の最寄り駅で下車すると、いつも通り同僚と合流。

その人は、入社6年目の同期でストイックな性格の親友、藤川真紀。

他愛もない話で盛り上がりながら出社した2人は、更衣室で他の3人の同僚と挨拶を交わします。

入社4年目で、やや天然な一面を持つ五十嵐紗英。

入社8年目で、姉御肌の頼れる先輩の小峰智子。

入社10年目で、家庭的なしっかり者の酒木法子。

5人が集まった更衣室では、就業前のおしゃべりに花が咲きます。

事件も特別感もないOLの些細で緩い日常を映し出す、新感覚のエンターテイメントです。

ドラマ版から続投のキャスト陣の空気感が絶妙

▲バカリズム、夏帆ら美人女優に囲まれコメントにあたふた(汗)/映画『架空OL日記』完成披露試写会

本作の独特な世界観を支えるのは、キャスト陣の演技です。

主演のバカリズムをはじめ、夏帆、佐藤玲、臼田あさ美、山田真歩と、メインの配役はドラマ版から継続されています。

バカリズムはメイクをしてOLの制服を着ていますが、女性に見せるために特別な演出をしているわけではありません。

しかし、他の4人の女優たちの中にいる時も、不思議と違和感なく溶け込んでいて、女性に見えてくるところが面白いです。

本当にOLたちのやり取りを観ているようで、5人の空気感に引き込まれるでしょう。

さらに、シム・ウンギョン、坂井真紀、志田未来、三浦透子、石橋菜津美らが新キャストとして参加。

実力派の女優陣とバカリズムの生み出すシュールな世界観の組み合わせが、観る人の笑いを誘います。

男性目線なのに女性の共感が詰まった唯一無二のストーリー



本作の見どころは、女性の共感が詰まったストーリーです。

通常、映画のストーリーになるのは日常の中で起こる非日常の体験であり、想像力や好奇心を掻き立てる出来事が必ず起こります。

しかし、本作ではそのような出来事は起きません。

月曜日が憂鬱であったり、会社の更衣室で起こる些細な問題など、OLなら「あるある」と感じるエピソードを淡々と描かれていく構成です。

そんな社会のどこかで女性たちが体験している当たり前の光景が映し出されているので、原作やドラマ版を知らない人でもストーリーに入り込みやすくなっています。

また、女性同士が集まることで起きるギスギスした雰囲気がなく、好感が持てることも、本作を安心して観られる要因と言えるでしょう。

それでいて、仲間内で話される噂話や愚痴で見せる女性たちの毒のある一面もきちんと引き出し、女性が納得できる女性像が映し出されています。



普通であれば退屈してしまいそうなストーリーを、男性であるバカリズムが描き、演じているところに最大の面白さがあります。

彼が描くのは、男性が想像する象徴的な女性像ではなく、女性と同じ目線で見た生身の女性。

仲の良い同僚が自分の知らない交友関係を持っていることにほのかに嫉妬心が芽生えたり、同僚の結婚話に内心ざわつくなど。

現実味のある心情が主人公のモノローグや、登場人物たちの行動やセリフにしっかりと表れていて、それぞれの性格の違いも感じられるでしょう。

自然と自身や周囲の人を登場人物に重ねて観てしまうはずです。

そして、女性が観て面白いことはもちろん、男性が観ても女性とは別の観点で作品を楽しめますよ。

どこででも見られる光景を映しながらも、100分の上映時間を決して退屈させない映画となっています。

「月曜日戦争」は作品の世界観を表す主題歌

▲吉澤嘉代子「月曜日戦争」MUSIC VIDEO


本作の主題歌はドラマ版に引き続き、吉澤嘉代子が手がける『月曜日戦争』です。

シンガーソングライターの吉澤嘉代子は、架空の主人公を設けて作られた世界観を得意とし、女性の共感を呼ぶ注目の歌手。

この曲でも、社会人にとって憂鬱な月曜日を「月」に例え、月曜日に働きに出るOLの姿と、月と闘う女性ヒーローを重ねた歌詞が印象的です。

幻想的で詩的な表現を使って「戦う社会人の心象風景」を描き出し、OLの毎日をストレートに映す本作の内容にしっかりとリンクしています。

音楽は爽やかでポップな曲調をベースにしながらも、ノスタルジックな空気が漂い、耳から離れない中毒性のあるメロディ。

そこに愛らしくも芯の通った独特の歌声がマッチし、彼女にしか作れない世界が構築されています。

PVはイラストレーターのたなかみさきによるキュートで優しい雰囲気のあるイラストを用い、歌詞で描かれる女性たちの姿を魅力的に演出。

本作を語る上で欠かせない主題歌も、じっくり聴いて本作との繋がりに注目してみてくださいね。



「架空OL日記」は様々な視点で楽しめる傑作!


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OLの日常を描く映画『架空OL日記』は、男女問わず楽しめる作品です。

女性は同性ならではの共感とコミカルなやり取りに笑い、観た後にすっきりした気分になれるでしょう。

男性は理解しにくい女性の考えや、自分の知らないところで交わされている会話を知ることができるはずです。

ヒューマンドラマでありながら気を張らずに観られるので、忙しく働く人にこそ観てほしい作品と言えます。

映画『架空OL日記』を観て、何気ない毎日を違う視点で楽しんでください。


TEXT MarSali

1990年、埼玉県川口市生まれ。鋳物工場育ち。 ヤマハ主催「Music Revolution」でのグランプリ・オーディエンス賞のダブル受賞をきっかけに2014年メジャーデビュー。 バカリズム作ドラマ「架空OL日記」の主題歌「月曜日戦争」を書き下ろす。2ndシングル「残ってる」がロングヒットする中、018年1···

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