デビューまでの長い道のり
スマートフォン向けRPGアプリ「モンスターストライク」の2019年7月テレビCMソングとして書き下ろされた『光る。兆し』。SixTONESのメンバーが黒髪に制服姿で出演したCMに合わせて「仲間」をテーマに描かれたこの楽曲。
結成から長らくCDデビューが発表されなかった当時の彼らの境遇を表したような歌詞は、ファンの間では特別な意味を持ち、音源化が望まれていました。
その約1年後、2ndシングル『NAVIGATOR』の初回盤カップリングとして、彼らの歴史が詰まった1曲が遂に音源化となったのです。
ミドルテンポのバラード調の楽曲に込められた歌詞の意味を考察していきましょう。
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長い旅の途中僕らは いつも迷いながら歩いてくんだ
時に誰かに助けてもらったり
時に誰かと ぐっとひかれ合ったり
踏み出す度にまだ見ぬ世界が 僕を待ってんだ
≪光る、兆し 歌詞より抜粋≫
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松村北斗の優しくも力強い歌声から曲は始まります。
これまでの長い道のりで起きた出来事を語る歌詞は、SiXTONESがデビューに至るまでの険しさを描いているようです。
彼らが結成したきっかけは2012年まで遡ります。
ドラマ「私立バカレア高校」の主演に抜擢された当時ジャニーズJr.だったメンバー。
このドラマは映画化されるほどのヒット作品となり、通称「バカレア組」として6人でステージに立つ機会が増えていきます。
その後テレビ出演や雑誌とメディアに露出する仕事が増えますが、2013年に6人での仕事が激減します。
それぞれが分裂した状態で活動することになり、戸惑いを隠せなかったファンも多かったのではないでしょうか。
それはファンだけでなく、彼らも同じで「迷いながら歩いてくんだ」と葛藤を続けてきたのでしょう。
「踏み出す度に まだ見ぬ世界が 僕を待ってんだ」とあるように、SixTONESが結成される2015年までどれだけ不安でも進み続けてきた姿が目に浮かんできますね。
奇跡のカケラが「光る、兆し」
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同じ夢を描いた同志 不動の扉 今こそ狙え
向かい風も跳ね返すように 手をかさねて
≪光る、兆し 歌詞より抜粋≫
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「同じ夢を描いた同志」とは、当然メンバーのことを指しているのでしょう。
不動の扉は、6人が揃ってデビューすることだと捉えることができます。
向かい風に打たれながら、必死に走り続けてきた彼らの姿がここにあります。
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光る、兆し
奇跡のカケラが集えば 今を超えてゆくカギになる
出会えた この意味を信じて
≪光る、兆し 歌詞より抜粋≫
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「奇跡のカケラ」であるメンバーが集まり、不動の扉を開け放つ。
一人一人の存在意義や、メンバーを大切にする想い、これまでの苦悩も運命と受け入れる。
そんな意味がサビの歌詞には込められているように感じます。
タイトルである「光る、兆し」とは、SixTONES自身が光となって活動していく姿を示していたのですね。
彼らの歴史を振り返り応援しよう
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瞳、映る
景色はそれぞれ違っても 心はどこかでつながってる
果てしないこの道の先へと
突き進め
≪光る、兆し 歌詞より抜粋≫
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メンバーの個性を尊重し、信じ合い、共に未来へと進んでいく決意とも取れる言葉はファンの胸を強く打つでしょう。
『光る、兆し』はファンにとって大切な一曲となっていますが、彼らにとっても記念すべき楽曲のはずです。
グループ名に込められた「6つの音」の意味通り、異なる個性に異なる道を歩んできた彼ら。
6人の原石が光り輝く兆しを示した楽曲には「SixTONES」らしさが詰まっています。
『光る、兆し』を聴いて、これまでの活動を振り返り、これからの活動を応援しましょう。
TEXT 富本A吉