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夏に思い出すあの煌めきや忘れてはならない小さな瞬間を蘇らせてくれる。ヨルシカ「靴の花火」[しゅかしゅんYUNA Urock! 第56回]

8月は夏をテーマにしてお送りしている大阪☆春夏秋冬・YUNAの連載歌詞コラム[しゅかしゅんYUNA Urock!]。今回はヨルシカ「靴の花火」。この歌詞の中にはある物語が含まれていました。

大阪☆春夏秋冬のYUNA(ユウナ)です。

U rock! 56回目になりました。


自粛明けからいくつもの生配信ライブやお客さんを入れてのライブを重ねています。

しかしこのライブスタイルというのは中々染みつかないものですね、、、。

早くみなさんの声が聞きたいです。

日常のモヤを発散するようなあの声を聞きたい。

いち早くそんな日が来るように、今はまだ注意しながら過ごす日々です。

という訳でお盆休みも明けて8月も後半になってきました。

ではコラムの方、早速いきましょうか。

今月8月の『夏』というテーマから、今週はこの曲を選曲しました。

ヨルシカ「靴の花火」

ここ最近、私の生活によく流れてくるようになったヨルシカさんの音楽。

私の焦りがちな生活に季節を与えてくれるんです。

夏の曲を聴けば夏の気分になるとかそういう意味ではなくて、夏に思い出すあの煌めきや忘れてはならない小さな瞬間を蘇らせてくれる。

そんな存在です。

ではこの曲が私達の夏に与えてくれたものとは?

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ねぇ ねぇ
何か言おうにも言葉足らずだ
空いた口が塞がらないから から
≪靴の花火 歌詞より抜粋≫
----------------

開いた口ではなく‟空いた口”と表現するのにも何か意味があるのでしょうか?

知っている言葉を出し尽くしたための呆然ではなく、空っぽになってしまい、出る言葉すらなくなったという感情的な何かのような気がします。

しかし実際のところ、言葉なんて要らないのではないか?とでもいうように次に繋がっていくのです。

----------------
ねぇ ねぇ
黙りこくっても言葉要らずだ
目って物を言うから
≪靴の花火 歌詞より抜粋≫
----------------

目は物を言う。

人に対する一方的な目つきや人とのアイコンタクト。

目が訴えかけるものって本当にいろんな力がありますよね。

人と人が惹かれ合う。

そしてお互いがなんとなく意識し合い出すと目が合うようになる事を‟恋のアイコンタクト”とでも言おうか。

こっそりアイコンタクトを取り合っては恋が始まる、なんて可愛らしい話。

人と人が誰かを挟み、誰かの言葉を蹴落とし誰かの存在を侮辱するように目を合わせる事を‟魔のアイコンタクト”とでも言おうか。

立場が無くなるならまだしも、居場所が無くなってしまう、とてもひどい話。

人から人へと何かを訴えかけるように目でものを言い、助けを求める事を‟最期のアイコンタクト”とでも言おうか。

1人で解決し切れなかった時の最終手段。

生き抜くための大事な話。

人の魅力的な部分であり優しさでもあるが、時に言葉と同じように刃物に代わってしまうそのアイコンタクト。

「ライブ中、YUNAは誰よりも目力はあるけれど、優しい目も出来るようになった方がいいね。」

そう言われたことがあるんです。

比較的歌うパートが少ない自分にとって、それこそ言葉無しでも伝わるように、パフォーマンスでの目力は沢山研究してきました。

だけど、優しい目ってなんだろう?って。

自然に溢れる笑顔以外、意識すらした事もなかったですし、作り笑顔でもしろということなのか、、、?

なんてひねくれた答えばかりで。

そもそもの普段の生活から人に優しくする事で笑顔自体に優しさが出てくるようになるのかもしれない。

そう気づけたのもここ1〜2年の話。

言葉で教えてもらって気づく事も沢山です。



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忘れていくことは虫が食べ始めた結果だ
想い出の中じゃいつも笑ってる顔なだけ
≪靴の花火 歌詞より抜粋≫
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この曲のMVには宮沢賢治の小説、『よだかの星』の文章が出てきます。

ヨルシカ - 靴の花火 (Music Video)

よだかというのは、容姿が醜く不格好なゆえに仲間から嫌われるという鳥です。

自分が生きるためにたくさんの虫の命を食べてしまっていることを嫌悪して、彼はついに生きることに絶望し、太陽を目指して空をのぼり続けて星になるというお話。

是非『よだかの星』を読んでからこの曲を聴いて欲しいのですね。

歌詞の深さや言葉の重みが随分違ってくると思います。

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夕暮れた色 空を飛んで
このまま大気さえ飛び出して
真下、次第に小さくなってくのは
君の居た街だ

靴の先に花が咲いた
大きな火の花が咲いた
心ごと残して征こう、だなんて憶う
そんな夏が見えた
≪靴の花火 歌詞より抜粋≫
----------------

よだかが太陽を目指して空を登り続けるように、空を高く高く飛んで、現実からはかけ離れたところまで行ってしまいたい。

そんな思いが感じられます。

大切な人がいる街が段々小さくなっていく事を切なく思いながらも、自分の靴の先で開く花火が夏を見せてくれている事に安心感を感じているのではないでしょうか?

それにしても靴の先に花が咲くという言葉、すごい不思議ですよね。

落ちた涙が靴の先で花開くように跳ね返っているのではないか、、、? なんて。



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ねぇ ねぇ
君を知ろうにもどっちつかずだ

清々することなんて何にもないけど
今日も空が綺麗だなぁ

僕の食べた物 全てがきっと生への対価だ
今更な僕はヨダカにさえもなれやしない
≪靴の花火 歌詞より抜粋≫
----------------

僕の食べた物が生きるための対価だと思っている僕は、自分が生きるためにたくさんの虫の命を食べるくらいなら飢え死にした方がいいと思っているヨダカになんてなれやしない。

という対比が現れています。

自分が生きる為に使うお金なんだったら、もっと困っている人の為に使った方がいいだろう。

そう提示されているものとして、それができる人は何人いるだろうか。

ライブをするためにお金をかける、ライブを観るためにお金を払う、なんていう需要と供給が上手く成り立っているものも沢山ありますが、そうもいかない場合も沢山あります。

自分の人生全てを人の為に、だなんて難しいことではありますが、時には自分が犠牲になる選択肢を選んでみるのもいいのかもしれません。

----------------
朝焼けた色 空を舞って
何を願うかなんて愚問だ
大人になって忘れていた
君を映す目が邪魔だ

ずっと下で花が鳴った
大きな火の花が鳴った
音だけでも泣いてしまう、だなんて憶う
そんな夏を聞いた
≪靴の花火 歌詞より抜粋≫
----------------

夏を見ていたはずでしたが、目に見える景色がここには書かれておらず、夏を聞くという歌詞に変わっています。



大人になっていろんな思い出を忘れてしまった自分の目に君を映す資格なんてないと思い込み、もっと離れたところまで高く飛んでは、目を向けないようにしているのかもしれません。

音だけで夏を感じるようになった僕がこの後見せる展開とは?

----------------
夕暮れた色 空を飛んで
この星の今さえ抜け出して
真下、次第に小さくて
消えたのは君の居た街だ

夏の空に花が咲いた
大きな火の花が咲いた
いつまででも泣いていたい、だなんて憶う
そんな夏が消えた
≪靴の花火 歌詞より抜粋≫
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1番と2番のサビでは、夏を見たり聞いたりしているわけですが、ここでは夏が消えてしまっています。

君を感じられない夏は夏ではない、という意味で最後に夏が消えてしまっているとも考えられますが、私的解釈だと最後に消えたのは僕自身なのではないか? と感じています。

自身が、花火になってるんです。

ひゅるひゅるひゅる〜と高く高く上がっていき、夏の空へと打ち上がる。

大きな花を咲かしては、泣くように落ちていく。

そして消えてしまうという妄想です。

君がいる街を照らすかのように大きく打ち上がっていく花火。

これほど美しいものはありません。

コラムの最初に問題提起として掲げていましたが、この曲が私達の夏に与えてくれたものは、夏らしい煌めき以外の部分を忘れてあげないということかもしれません。

良い部分ばかりではないところまで忘れないでいるからこそ、笑顔がもっと輝いていくはずです。

それでこそ花火のように咲く笑顔。これが最高の夏の象徴です。

どうでしたでしょうか?

「靴の花火」という曲名ですが、いったいどんな靴を履いているんですかね?

まあ私的には、靴と言いつつも裸足のイメージなんですが、、、!(笑)

曲の感想含め、小説『よだかの星』の感想なんかも是非レビューに書き込んでいただけたらです!!

コラムの感想も是非お待ちしています〜。

ではまた。

You rock!!

しゅかしゅんINFO

【リリース】
●CD発売中&配信中
ニュー・アルバム『BRAVE SOULS』
▷配信はこちら


【イベント】
▶『りゅうか夢の種まつり オンラインライブ&オンラインオープンキャンパス』
[日程] 8/22(土)
[時間] 15:00生配信開始

[視聴方法] YouTubeを使用したストリーミング配信です。
▷配信はこちら

[出演] 見取り図、杉枝真結、小早川秀樹(FM大阪DJ)
[ゲスト] SOLIDEMO(佐々木和也・手島章斗)、大阪☆春夏秋冬、ドラマストア、G.U.M

※視聴には別途通信料がかかります。
※通信の速度が充分でない場合などは快適な視聴が難しいことがあります。
※Wi-Fiなどによりブロードバンド回線と接続するなど安定した通信環境下でのご利用をお奨めします。
※生配信のため映像・音声に乱れが生じる可能性があります。あらかじめご了承ください。

▶『TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020』
[日程] 2020年10/2(金)・10/3(土)・10/4(日)
[会場] フジテレビ湾岸スタジオ他
[時間] 会場により異なります。

[配信プラットホーム] TIF LIVE STREAM

[出演アーティスト]
(第1弾発表)
アイドルカレッジ / アキシブproject / Appare! / アップアップガールズ(2) / =LOVE/えくれあエクレット / 大阪☆春夏秋冬 / 神宿 / キミのガールフレンド / SUPER☆GiRLS / Task have Fun / 東京女子流 / 26時のマスカレイド /∥ネコプラ∥ / ≠ME/BudLaB / P-Loco / フィロソフィーのダンス / FES☆TIVE / predia / FlowFlow / マジカル・パンチライン / 真っ白なキャンバス / まねきケチャ / 未完成リップスパークル / 桃色革命 / 愛乙女☆DOLL / わーすた

(第2弾発表)
amiinA / Ange☆Reve / 煌めき☆アンフォレント / クマリデパート / CY8ER / CYBERJAPAN DANCERS / 神使轟く、激情の如く。 / 透色ドロップ / たこやきレインボー / chuLa / Devil ANTHEM. / 転校少女* / ナナランド / 二丁目の魁カミングアウト / NEO JAPONISM / バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI / PiXMiX / Pimm’s / BLACKNAZARENE / BenjaminJasmine / 眉村ちあき / メイビーME / MELLOW MELLOW / Lily of the valley / lyrical school / LinQ / raymay

[料金]
■先行販売チケット
・単日券 5,900円
・3日間通し券 15,900円
・Tシャツ&特典付き3日間通し券 25,000円

▷楽天チケット
▷TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020


【TV】
▶CS日テレ『カワイク大爛闘(だいらんとう)!バトルロアイドル Vol.2(仮)』
9/25(金)21:00~(初回放送)

▶読売テレビ『特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル』エンディング・テーマとして「太陽と月とピザ」オンエア中
毎週土曜 11:55~
▷番組HP


【ラジオ】
▶MBSラジオ『池内ヨシカツ our sound』
8/24(月)17:45~18:00
8/31(月)17:45~18:00
※MANA、EON出演
▷番組HP


【WEB】
▶6/28オンライン単独ライブ「MABU~From LIVEHOUSE~」ライブ映像をYouTube公開中

▶ドキュメンタリー映像『【実録】浜松から大阪までガチ走行! ~Road to HARKAS~』3部作 YouTube公開中

▷第1章動画
▷第2章動画
▷最終章

※アルバム『BRAVE SOULS』収録の新曲「Brave Soul」「太陽と月とピザ」のミュージックビデオ撮影のさらなる裏側をメンバーの後日インタビューと共に振り返るドキュメンタリー映像3部作!

▶『しゅかしゅん SHOWROOM配信』
※週3回配信中
配信日:毎週月曜・水曜・土曜
時間:22:00~23:00の約1時間
場所:SHOWROOM 大阪☆春夏秋冬の咲き誇ルーム

▶大阪☆春夏秋冬・配信リリース記念 #StayHome 企画
「おうちでBRAVE SOULS」 公開中!
▷動画はこちら

▶新曲「Brave Soul」ミュージックビデオ公開中
▷MVはこちら

▶新曲「太陽と月とピザ」ドキュメンタリーミュージックビデオ公開中
▷MVはこちら

▶YouTube『しゅかしゅんのバラエTV』
毎週火曜日20:00更新
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この記事を書いた人


YUNA(ユウナ)
1999年5月26日生まれ(双子座 /A型/一人っ子)

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5人組ガールズ ダンス&ヴォーカルユニット! 圧巻の歌唱力と、4人の個性溢れるコーラス&ダンスワークで、ROCK・ファンク・POPS・バラードと幅広い音楽を、歌とダンスで表現する驚きのパフォーマンス。音源だけでは満足できない、本物の LIVEアーティスト。 ▷大阪☆春夏秋冬オフィシャルHP ▷大阪☆···

この特集へのレビュー

男性

黄色いカラス

2020/08/25 19:39

『好きな動物は?』と問われて『鳥です』って答える人がどれくらいいるか。
ほとんどは『ネコ』『イヌ』って答えるのに、曲名や詞に出てくる動物は『鳥』がなんとなく多い。自分が好きな『鳥』の曲はいくつもあるけど、ほとんどは少し醜くて弱々しい姿の鳥に自分を重ねているものばかり。鳥が空を飛ぶ姿に憧れつつもどこかで人間の姿と重ねて書くからだろうか、なんて。

『靴の花火』については自分なりの解釈だと「靴の先に光る花火」。空を飛ぶ鳥でさえ太陽や星までの距離は果てしなく遠くて、星になることができても自分の靴の先には太陽も星もなく映るのは花火だけ。そんな花火も夏を過ぎれば見えなくなって。

今年はセミが鳴くことくらいしか夏の始まりを感じられないまま花火も見ずに涼しくなりそう。

男性

まーくん

2020/08/21 08:17

『よだかの星』を文字通り読むと、理不尽な世界に絶望したよだかが空へ空へと向かうも、太陽や星たちにも拒まれてしまい、それでも命を絶つ想いで飛び続けた末にお星さまになるって読み解ける。けれど、『靴の花火』を聴き、改めて歌詞と由奈ちゃんの解釈を読むことで、別の解釈、というよりも、「そうだったらいいな」という願望にも似た読解もできる気がした。

小説の最後には、「落ちているのか、のぼっているのか」わからないという一文があるけれど、本当に元々のぼっていたのかなって?カワセミの兄であるよだかは、海中にも潜ることができたんじゃないかな、と。もしそうだとしたら、よだかは海面に映し出された夜空へ向かっていたのかもしれない。鏡は実像を左右反転させてみせる。星たちがよだかに投げかけていた言葉も、左右反転していたのであれば、よだかは元から星たちには拒まれてなんかいなくて、むしろ迎え入れられてたってことになる。だから飛び続けた(俺的解釈で言えば潜り続けた)末に、よだかは最後の最後に自分という存在を受け入れてもら、、、そろそろ文字数だヤバい。最後の締めのとこだけちょっとだけはみ出すから続きはDMします。

男性

naoya

2020/08/20 19:02

僕自身が花火になっているというYUNAちゃんの解釈おもしろいです
ひょっとして僕というのもYUNAちゃん自身だったりして、、
ドッカンドッカン大量に打ち上がりまくってほしい、、、なんか変な事書いてすみません

自分だったら鏡面に磨いた靴履いてカッコつけてたけど振られてうつむいたら靴に花火がうつってて、もうどこかへ飛んで消えてしまいたい顔真っ赤な状況が浮かんでしまいました
重ね重ね変な妄想すみません
YUNAちゃん応援してます

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