青春を感じる歌詞に注目
----------------
溜まりに溜まって、また迷惑かけて
無邪気が過ぎた僕を叱って
≪キンモクセイ 歌詞より抜粋≫
----------------
家族や友達に対して素直になれなくて、強がりたくなる学生時代。
悶々とした気持ちを晴らすため、はしゃいでみたりふざけてみたりするものの、耐えられずについに気持ちが爆発。
結果、周りに泣きつくことになってしまった、というほろ苦い経験はありませんか?
そんな青春時代の一幕を思わせるような歌い出しで始まるのは、福島県出身の4人組バンド『オレンジスパイニクラブ』の『キンモクセイ』という楽曲です。
2012年に『ザ・童貞ズ』というバンド名で活動を始めた彼ら。
その後、一体どのような青春を経験したのでしょうか?
早速続きの歌詞をチェックして見ましょう。
----------------
ああでもないこうでもない
君に愚痴吐いて生き間に合ってる
坂道の途中でぶちまけたサイダー
襟をつまんで ゆらしてる
≪キンモクセイ 歌詞より抜粋≫
----------------
まず歌われているのは、日常のワンシーン。
「授業がつまらない」「リア充が羨ましい」と話しながら歩いているのでしょうか?
何かにつけて愚痴っぽく話したくなってしまうのも、学生あるある。
「あ〜、暑い」なんてワイシャツの首元をパタパタと仰ぎながら、盛り上がっている様子が思い浮かぶ歌詞ですね。
----------------
信号のない十字路 2人で話した
日が暮れるくらい あきれるくらい
信号のない十字路
君は反対方向を見ていた
ずっと見ていた
≪キンモクセイ 歌詞より抜粋≫
----------------
続く歌詞からは2人が長い時間話し込んでいたことがわかります。
ここで気になるのが4〜5行目。
相手に対してもどかしさを感じているような歌詞ですよね。
同性の友達なら、どこを向いていても気にならないような気がすることから、もしかしたら話し相手は意中の人なのかもしれません。
だからちょっとした仕草も気になってしまうのではないでしょうか。
そんなもどかしさも含め、甘酸っぱい恋の香りがする歌詞ですね。
思いが弾けるサビも要チェック
----------------
やっぱビビッときてるよ
君のイメージ金木犀よ
香りまで妄想しちゃうなんてバカね
≪キンモクセイ 歌詞より抜粋≫
----------------
こちらはサビの歌詞。
反対方向を見つめていた「君」ですが、この歌詞から主人公が好意を抱いていることがハッキリとわかります。
ちなみに、「君」のイメージであり楽曲タイトルでもある「金木犀」は、秋のはじめに咲く花のこと。
オレンジ色の小さな花から漂う甘い香りが特徴的です。
そんな金木犀の花言葉は「初恋」。
これらを踏まえて考えても、主人公が「君」に好意を抱いていることがわかりますね。
----------------
夏の終わりの初夏の気温は
気持ちをとっくにのせてた
最高あんた最高
グッときた心臓ぱんっと割れる
≪キンモクセイ 歌詞より抜粋≫
----------------
夏の終わりと言えば徐々に気温が下がり、夜になれば肌寒さを感じるころ。
それなのに気温が一気に上がる「初夏の気温」というのは、やや不思議な歌詞です。
もしかしたら、ここは「君」に対して盛り上がっていく気持ちを表現しているのかもしれませんね。
好きな人を思わず「あんた」と呼んでしまうほど、相手に対する気持ちが高まっているようです。
思わず胸キュンする歌詞は必見
----------------
前髪で隠さないで 君はいつも言う
目つきの悪い僕の目
みるのは少し斜め
≪キンモクセイ 歌詞より抜粋≫
----------------
こちらは2番の冒頭部分。
前髪で顔を隠したくなるのも、多感な学生あるあるですよね。
しかし、そんな自分に「顔を隠さないで」と言ってくれる優しい「君」。
「みるのは少し斜め」ということは、やや身長差があるのかもしれませんね。
そんな「君」に対して、主人公は次のような思いを抱きます。
----------------
ゴミで溢れた部屋で思った
握ってたいのはスマホじゃない
あなたの右手だ
≪キンモクセイ 歌詞より抜粋≫
----------------
思わずキュンとしてしまう歌詞ですよね。
青春味溢れる真っ直ぐな思いに、微笑んでしまいます。
----------------
言う事は単純だけど
今じゃ出来てるアイコンタクト
体温すらも一目で分かる
夏の終わりが寂しいなんては
とっくのとっくに消えてた
最低すら最高
ギュッとなる心臓パッと晴れる
≪キンモクセイ 歌詞より抜粋≫
----------------
「言うこと」は、普段の会話を表しているのでしょうか?
もしくは相手に対する「好き」と言う言葉を表しているのでしょうか?
実際のところ何が単純なのかはわかりません。
しかし、言葉がなくてもアイコンタクトで通じ合えるほど、2人の距離は縮まっているようです。
だからこそ、普段は寂しさを感じる夏の終わりも寂しくなく、最低なことすら最高と感じられる。
そのくらい充実した日々を過ごしているようです。
『ザ・童貞ズ』と言う名前でバンド活動を始めた彼らも、素晴らしい青春時代を過ごしたのかもしれませんね。
ちなみに、楽曲は冒頭と同じ歌詞で終わります。
同じミスを何度も繰り返してしまうのも、学生あるある。
青春の香りが漂います。
ぜひ『キンモクセイ』を聴きながら、学生の方も大人になってしまった方も青春に浸ってみてくださいね。
TEXT ゆとりーな
オレンジスパイニクラブ L→R gt/cho:スズキナオト vo/gt:スズキユウスケ ba/cho:ゆっきー dr:ゆりと