恋に悩む「僕」
2017年にメジャーデビューした覆面シンガーソングライター『コレサワ』。
デビュー以降テレビドラマやCMのテーマソングを担当し、注目を集めています。
そんな彼女が2020年7月22日に『それってつまり』の先行配信を開始しました。
歴史バラエティ番組『戦国炒飯TV』のエンディングテーマとして書き下ろされたもので、8月5日に発売された1stシングル『憂鬱も愛して【れ子ちゃん盤】』に収録されています。
独特な視点で描かれた恋愛ソングが、若い世代を中心に支持を得ているコレサワ。
新曲『それってつまり』には、いったいどのような言葉が綴られているのでしょうか。
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歩く道のり ママの言うとおり うまくばかりはいきまへんな
心素通り 教科書の通り 昔も今もそんな変わらへんし
信号無視した奴らが先を急ぐけど
僕の両足は知ってる 誰と歩くべきか
≪それってつまり 歌詞より抜粋≫
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主人公は歩きながら「うまくばかりはいきまへんな」と、何かに悩んでいるようです。
前に「ママ」が言っていた言葉を覚えていたのでしょうか。
そんな悩んでいる主人公の前では信号を無視して急ぐ人たち。そんな人たちを見ても「僕」は焦らず「誰」と歩くべきか分かっている様子。
「誰」というのは「僕」の好きな人でしょうか。そう考えると「僕」が悩んでいることは恋愛のことかもしれませんね。
大好きな「君」
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あーそんでもってそれってつまり君だって伝えていたい
あーなんかぐだって迷ってすごく遠回しになったみたい
もーずっと遡って君の幼少期までたどりつきたい
あーこんなことを考えてる時間も愛しいの
≪それってつまり 歌詞より抜粋≫
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ここに出てくる「君」は、前述した「誰」と同一人物のようです。
「君」の幼少期までたどりつきたいほど「君」のことが、大好きな気持ちが表れています。
「君」について考えている時間さえも愛しい。
「僕」はどうしようもなく「君」のことが好きなようです。
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歩く道のり ばあちゃんの言うとおり どうにかなるね優しさで
≪それってつまり 歌詞より抜粋≫
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1番では「ママの言うとおり」と歌っていたのが、2番では「ばあちゃんの言うとおり」となっています。
うまくいかないこともあるけれど「優しさ」を忘れなければ何とかなる。「ばあちゃん」は優しさを大切にしてきたのでしょう。
その教えを忠実に守る「僕」もまた優しく、相手を思いやれる人物かもしれませんね。
「君」のことは全部知りたい
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あーそんでもってそれってつまり君とって付け加えたい
あーなんかスベって転んですごく汚れても抱きしめてたい
もーずっと覗き込んで君の前頭葉を眺めてみたい
あー誰もいない夜に二人ベンチでキスをしたい
≪それってつまり 歌詞より抜粋≫
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歌詞にある「スベって転んですごく汚れても」という部分。
どんなことが起きても「君」を抱きしめていたい、どんな情けない姿でも離したくないといった気持ちのようです。
そして気になるのは「前頭葉」という言葉です。
前頭葉は脳の一部分を表す言葉で、名前の通り脳の前頭部分、つまりおでこにあたる部分に存在し、主に思考や判断力を司っています。
「僕」はただ単純におでこを眺めていただけでしょうか。
「前頭葉」という言葉から、脳の中まで眺めたい、つまり「君」の思考をまるごと知りたいと考えることもできますね。
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そんな夜が来てしまったそのときは
ふわり浮かないように ずっと抱きついていいかな
≪それってつまり 歌詞より抜粋≫
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「そんな夜」とは、サビの部分にもある「誰もいない夜」のこと。
「誰もいない夜」にベンチでキスをする日が来てしまったら「僕」は、きっと力が抜けて浮いてしまいそうと歌っています。
だから、浮かないように抱きついていたいなんて可愛らしい表現ですよね。
好きな人を考えている時は幸せな気持ちになります。
この曲の「キスをしたい」「前頭葉を眺めていみたい」といったフレーズは「僕」が思う幸せな気持ちを表しているのでしょう。
『それってつまり』を聴いて、自分の思う幸せを考えてみるのもいいですね。
TEXT サトイ モノコ