曲名に”?”が使用されるのはミスチル初
1992年のデビュー以来、日本のトップを走り続ける国民的ロックバンド、Mr.Children。
これまでにも『オレンジデイズ』『14歳の母』『コード・ブルー』など、数多くのテレビドラマの主題歌を担当しています。
『turn over?』は、前作『Birthday / 君と重ねたモノローグ』から約半年振りとなる新曲。
俳優・三浦春馬さんの遺作となったTBS系ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』の主題歌として注目されています。
気になるは、タイトルに付けられた疑問符。
20年以上のキャリアを持つMr.Childrenの楽曲の中でも、曲名に”?”がついたのは初めてのことです。
一体どのような意味を持つのか、早速歌詞を見ていきましょう。
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明け方の東京はしらけた表情で
眠れないボクのことを見下ろしてる
こんなスタートで今日を迎えてしまうのは
「誰のせいなんだ!?」って言いたくもなる
キミは今どう思っているの?
すれ違いの日々を
≪turn over? 歌詞より抜粋≫
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キミの気持ちはどうなの?と投げかける歌詞が出てきます。
この歌詞によって、『turn over?』はキミに向けたメッセージであることが推測されます。
生まれては消えていく愛
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地球は回る 僕らとは無関係で
それもそうさ いろんなカタチの愛があって
今日も生まれては消えてく
≪turn over? 歌詞より抜粋≫
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私たちの生活や感情にどのような変化があろうとも、地球は回り、時間は過ぎていきます。
「turn over」は、ひっくり返す、回転するなどの意味を持ちますが、新陳代謝のことを表す場合もあります。
この楽曲では、身体の細胞がどんどん生まれ変わるのと同じように、愛も生まれては消えていくと歌っているのでしょう。
生まれては消えていくというと切ないイメージがありますが、『turn over?』はとても明るくポップなメロディーで描かれています。
愛という感情は永遠に存在することはないと分かった上で、人を愛して生きていく。
そういった決意や覚悟、健気さ、そして少しヤケクソになっている気持ちがとても強く描かれているように感じます。
いつか無くなるものだとしても、人を好きになることはやめられない。
辛い思いをしても、つい人を愛してしまう。
そんな矛盾した気持ちが歌詞に登場しています。
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面倒臭くて手に負えないな
この愛という名の不条理
懲り懲りだって思うけど キミ無しじゃ辛い
≪turn over? 歌詞より抜粋≫
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消えて無くなるものでも、どうしても君を愛してしまう。
そんな切ないながらも前向きで愛に溢れた歌詞が、ポップなメロディーによってより強いメッセージ性を表しているように感じられますね。
人生最愛の人とは永遠?それとも…
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forever love
Iʼ ll make you smile
叫びたいくらいだダーリン
この人生で最大の出会いと悟ったんだ
≪turn over? 歌詞より抜粋≫
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ターンオーバーする=永遠ではない。
しかし歌詞の中には「forever love」という言葉が出てきます。
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我が人生で最愛の人は
そう キミ一人
ただ一人
≪turn over? 歌詞より抜粋≫
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愛は永遠ではなく、いつか無くなるかもしれない。それでも、キミは最愛の人。
タイトルの疑問符は、「永遠の愛ではないかもしれないけれど、それを永遠に変えるほどの強い想い」が表現されているのかもしれません。
この曲は、それほどまでに強く人を想う、そんな究極のラブソングなのではないでしょうか。
限られた命、限られた時間の中で、精一杯人を愛する覚悟が伝わってくるような言葉たち。
Mr.Childrenらしいポップなメロディの中に詰め込まれた、人生の儚さと、それに立ち向かう強さ。
あなたには、「turn over」に負けないほど強く愛せるものはありますか?
TEXT 阿部仁美
1992年ミニアルバム「EVERYTHING」でデビュー。 1994年シングル「innocent world」で第36回日本レコード大賞、2004年シングル「Sign」で第46回日本レコード大賞を受賞。 「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「終わりなき旅」「しるし」「足音 〜Be Strong」など数々の大ヒット・シングル···