「悠幻」がファンの人たちへの気持ちも重ね合わせた歌なら、「ユズリハ」は、ふたたび前を向きだしたael-アエル-の気持ちを記した歌。
──「悠幻」の切なさとは裏腹に、「DANCIN' ALL RIGHT」や「ユズリハ」には前向きな想いが記されています。有光陽稀:切ない曲の多いael-アエル-だからこそ、逆にポジティブな、楽しい感情もael-アエル-として表現したい気持ちがあった中で生まれたのが、曲調のまったく異なる「DANCIN' ALL RIGHT」と「ユズリハ」でした。
──ael-アエル-としては、前向きな想いもしっかり伝えていきたいと。
有光陽稀:そうです。今の時期も、まだまだ気持ちがネガティブに陥りやすい環境にもあるじゃないですか。そんな環境だからこそ、ael-アエル-の歌を通して少しでも明るい気持ちになれたり、ポジティブな想いが芽生えたらなと思って。
──「DANCIN' ALL RIGHT」は、曲調も歌詞も超明るく弾けててポジティブですけど。「ユズリハ」は切ない曲調なのに、歌詞ではしっかり未来を向いている。そこのギャップを記しているところも好きです。
有光陽稀:ael-アエル-はずっと7人編成で活動してきたんですけど。今年の春に3人が卒業。その後、4人で活動を始めようという時期に上がってきたのが、「ユズリハ」でした。
作家の方がael-アエル-のライブに足を運んで書いてくださったように、3人の卒業を受けて俺ら自身つらい気持ちもあったけど、それでも前向きな気持ちを持って止まることなく進んでゆく。そんな、意志を楽曲にしてくれました。「悠幻」がファンたちへの気持ちも重ね合わせた歌なら、「ユズリハ」はふたたび前を向きだしたael-アエル-の気持ちを記した歌になりました。
──「DANCIN' ALL RIGHT」のような明るい曲調も気持ちをポジティブにしてくれますけど、「ユズリハ」のようなジワジワ想いの染みる歌も、聞くほどに心へ光や勇気を与えてくれるなと感じます。
有光陽稀:俺たち自身も配信ライブを通してですが、「ユズリハ」をライブで歌い続けながら、その気持ちを同じように感じ続けてきました。「止まりたくない」「前へ進みたい」気持ちは、「ユズリハ」を歌うたびに強くなります。
雫月Lee:ファンの方々にも「ユズリハ」の歌詞が好きと言ってくれる人たちが多いように、みんなにも、俺たちの想いが届いてたらいいなぁと思っている。
日和乃愛:ちょっとダークな「ユズリハ」の曲調を含め、「ここから這い上がる」「逆境だろうと立ち向かう」泥臭い意志が、聞いてくれた人たちの背中を押せたらいいなと思っているし、歌っている僕たちの気持ちにも、歌うたびに想いがジワジワと深く染み込んでいきます。
綾目夏向:「ユズリハ」の歌詞へ「夢見るだけじゃ足りない 遥かな道は続くから」と記されているんですけど。完成したこのシングル作品を改めて聞いたときに感じたのが、「ユズリハ」は、「悠幻」のアンサーソングじゃないかという想い。
「悠幻」には夢から覚めたときの切なさが記されているけど、そこからどう進んでいこうかという気持ちが「ユズリハ」には記されているのかなとも感じました。これは本人に聞かないとわかりませんが、2曲とも同じ作詞家さんのように、僕自身はそんな風にも解釈を広めながら、この2曲を受け止めています。
一緒に出来る振り付けがあると、どんなライブ環境だろうと楽しめる。
──「DANCIN' ALL RIGHT」は、歌詞も曲調もめっちゃアゲアゲな楽曲。この歌を聞いていると、テンションもガンガンアガっていきます。雫月Lee:はしゃぎたくなりますよね。こういう時期だからこそ、「DANCIN' ALL RIGHT」のような歌をライブで伝えながら一緒に楽しみたいなと思います。
有光陽稀:今はまだ配信ライブのみでの披露で、実際にお客さんを前にして歌ったことはないけど。配信ライブを通し、ファンの人たちからも「めっちゃ盛り上がれる」「この歌、好き」というコメントをたくさんもらっています。「DANCIN' ALL RIGHT」の振り付けをLeeが担当しているんですけど。
今はまだ声を出して盛り上がれないし、 直接目の前にしてのライブが難しい環境。それでも一緒に盛り上がれるようにと、みんなもすぐに真似できる振りをLeeがつけてくれたことで、ファンのみんなもすごく喜んでくれた。それも嬉しくって。
雫月Lee:一緒に出来る振り付けがあると、どんなライブ環境だろうと、一人で歌を聞いてるときにも楽しめるから、そういう振りも「DANCIN' ALL RIGHT」には付けています。ぜひ、みんなにも覚えて欲しいです。
これからの俺たちの生き方を示した1枚になりました。
──「白幻」と「悠幻」を通し、ael-アエル-は一つのスタイルを確立しだしているなと感じます。今はこのスタイルを突き詰めてゆく形でしょうか。それとも、また違う表情を提示してゆいのか。そこも気になります。有光陽稀:ael-アエル-としては、いろんなスタイルにチャレンジしたい気持ちを強く持っています。確かに「白幻」と「悠幻」を通しael-アエル-としての一つの色が出来てきたのは、俺たち自身も感じていること。だからといって、そればかりをずっと追求し続けていくのはael-アエル-としては違うなと思ってる。その色も含めたうえで、いろんなael-アエル-の表情を見せていきたいし、自分たちでも追求し続けたい。
日和乃愛:そうだね。
有光陽稀:みんなにも言われるように、ael-アエル-にはシンフォニックロックのような表情はすごく合うなと実感はしているけど。でも、「ael-アエル-はこんなことも出来る」というのを見せていきたいし、多彩な表情を持ったael-アエル-をみんなとも共有していきたいからこそ、まだまだいろんな楽曲にael-アエル-は挑戦し続けます。
──その言葉嬉しいです。最後に、ひと言ずつメッセージをお願いします。
綾目夏向:今回の作品はまさに、「今のael-アエル-」を記した1枚。とくに、どの曲の歌詞にも、今をどう生きるのか、今のael-アエル-はどんな想いを持って進んでいるのかを記しているように、改めて今のael-アエル-を刻んだ作品だなと僕は感じています。
雫月Lee:「悠幻」は、4人編成のael-アエル-として初めての作品。今の俺たち、そして、これからの俺たちの生き方を示した1枚になりました。その気持ちや意志を、ぜひ感じてください。
有光陽稀:本当に、今のael-アエル-の色が全面に出た1枚だなと俺も思います。どの歌詞も感情の出やすい内容だから、パフォーマンスを通してそれを伝えていけるのも嬉しいこと。しかも内容の深い歌詞が多いように、聞いてくれる人たちにも、歌詞に込めた深い想いをぜひ読み解いて欲しいなと思います。
日和乃愛:こうやって4人での始まりをしっかり形に残せたのが嬉しいよね。僕たちにとってすごく大事な作品になれば、いろんな表情の楽曲も詰め込んだように、みなさんにもぜひ楽しめる作品として届いていけたら嬉しいなと思います。
PHOTO 井野友樹
TEXT 長澤智典