同曲は2018年3月14日にリリースされたアルバム『I believe in you』に収録されている楽曲で、ディズニー作品の「アラジン」と自身が体験した恋愛観を混ぜ合わせた、川崎流の極上のラブソングだ。
この歌を歌う川崎鷹也は、現在25歳の弾き語りシンガーソングライター。
心に響くハスキナー歌声と、哀愁漂うアコースティックギターの音色が聴く人の心を掴んでいる。
川崎鷹也とは一対何者なのか、どんな想いで「魔法の絨毯」を作り上げていったのか…。彼の想いを受け取ってほしい。
川崎鷹也って一体何者…?
──川崎さんはUtaTen初登場なので、パーソナルな部分からお伺いさせていただきます。栃木県出身の現在25歳ということですが、今も栃木に住まれているんですか?川崎鷹也:今は都内に住んでいます。高校を卒業して18歳で東京に出てきました。
──ちなみに栃木県のおススメスポットとかはありますか?
川崎鷹也:栃木だったら那須じゃないですかね。那須高原とかモンキーパークとか、那須動物王国とかおススメだと思います。あんまり行ったことないんですけどね(笑)
──行ったことはないんですね(笑)川崎鷹也さんというお名前はご本名なんでしょうか。
川崎鷹也:そうです!本名です。
──本名だったんですね!本名で行こうと思ったきっかけとかはあったんですか?
川崎鷹也:実は本名で行きたいっていう気持ちがあったわけではないんですよ。芸名を付けるつもりもなかったから、名前にこだわりはなかったんですよね。
──そうなんですね。川崎さんのお父様が栃木県でライブバーを経営されているそうですが、昔からお父さんの影響で音楽に携わることが多かったんでしょうか。
川崎鷹也:お父さんの影響で音楽に携わることはあんまりなかったですね。お父さんがやっているライブバーは栃木の田舎にあるんですが、結構パンクバンドが出るような感じだったんです。アメ車停まっていて、ちょっと怖い感じで(笑)
──おおお!それは怖いですね…。
川崎鷹也:小学生や中学性の頃の僕は、あんまりそのライブバーには足を踏み入れませんでした。なので、お父さんの影響はあんまりないですね!
──元々の音楽ルーツはJ-POPなんでしたっけ?
川崎鷹也:J-POPですね。お父さんの影響を受けているのはどちらかというと、兄の方なんですよ。4つ上に兄がいるんですが、兄はパンクとかHAWAIIAN6とか、THE HIGH-LOWSなどのゴリゴリのロックを聴いていました。ただ僕はあまりそのあたりにハマらなくて、どちらかというと静かな歌心のあるJ-POPとか柔らかい曲調の方が好きでした。なので、兄とは逆の音楽の道を進んだ感じです。考えてみれば、逆の方に行きたいという想いからは、お父さんと兄の影響を少し受けているかもしれないです。
──反骨精神ですね(笑)
川崎鷹也:反骨精神です(笑)
──音楽を始められたきっかけは何だったんですか?
川崎鷹也:僕、カラオケが凄く好きなんですよ。栃木って何もなくて、カラオケか、ボーリングか、駅かっていう感じで(笑)学校終わりは友達んち行くか、ボーリング行くかカラオケ行くかのどれかだったんです。よく友達同士でカラオケには行っていたので、歌うことはすごく好きでした。それで高校3年生の文化祭のときに、マセキ芸能で芸人をやっている友達と、3年間一緒だったんですけど、そいつと2人で文化祭で催し物として歌を歌う機会があったんです。そこが初めてマイクを持った瞬間でした。
──そこで初めて人前で歌を歌われたんですね。
川崎鷹也:そうなんです。そこでの反響が多くて、周りから「うまいね~!うまいね~!」って言われたり。先生からも「教師生活の中で1番上手いやつに出会ったよ」とか言われて調子こきました(笑)
──(笑)
川崎鷹也:俺にはそれしかないって思って!それが始まりですね。
──そうだったんですね。川崎さんは主にアコースティックギターで活動をされているんですが、何か深い思い入れがあるのでしょうか。
川崎鷹也:そうでもなくて(笑)曲を書いたりとか音楽をやるにあたって、ギターがないと曲が作れなかったっていうだけなんです。DTMとかドラムとかベースとかもやってみたけれど、曲を作る能力がなかったので、弾き語りを始めたのはしゃーないかっていう想いから始めました。東京出てからひたすらライブがやりたかったんですよ。でもバンドのメンバーもいなかった。そして1人でカラオケするにも、人の曲だからダメだし、自分の曲も持ってないし。それでどうしようってなったときに、アコギがあれば曲が書けることに気づきまして。
弾き語りじゃないと!!っていう強い想いは当時はなかったですが、今はアコギじゃなきゃダメですね。
──今後、アコギから派生していってエレキギターに挑戦してみるなどは考えられていますか。
川崎鷹也:あんまり考えてはないですけど、シンガーソングライターとして一番ベストな形であり続けようとは思っています。現段階ではアコギの弾き語りですけど、行く行く何年後かは、エレキが良いって思ったらエレキを持つかもしれないですし、そうじゃないかもしれないです。
──エレキの方もぜひ見てみたいですね!
川崎鷹也:はは(笑)じゃあ、持つかもしれないですねっ!
僕の人生を変えてくれた
──「魔法の絨毯」がTikTokで大人気で、サブスクなどで、ランキング上位に入るなど今話題です。ちなみにUtaTenの歌詞ランキングでも、4位になっていました!(2020年11月上旬)ご自身はこの結果をどう感じていらっしゃいますか?川崎鷹也:ええええ!!えぐい(笑)もう、びっくりというのが一番大きいです。「魔法の絨毯」は2年半ぐらい前のアルバムに収録されている曲で、作曲したのは3年ぐらい前で。当時発表したときは聴いてくれる人もいたんですけど、こうやって皆さんに聴いていただける機会はありませんでした。そのときはただ「こんなに良い曲なのに、なんで聴いてもらえないんだろう?」って自分で思っていて(笑)
そして今になって火がついてくれて、皆さんに届く機会が増えていって、びっくりしています。自分的には「今さら!?」っていうのもありました。でも親の仕事先の後輩が知っててくれていたりして、そういう意味ではいろんな人から連絡がくるようになりました。不思議な感覚です。
──元々、TikTokに投稿されたのがきっかけだったんですか?
川崎鷹也:僕が投稿したのではなくて、8月中旬ぐらいに一般の方が風景とかの写真に合わせて僕の「魔法の絨毯」をかけてくれていて、それから広まったのがきっかけです。
──えええ!!それとてもおいしい話じゃないですか!
川崎鷹也:そうなんです。そもそもTikTokもやってなかったし、インストールすらしてなかった。
──その方は、川崎さんにとって大きな存在ですね。
川崎鷹也:僕の人生を変えてくれた人なので、すごく感謝しています。
劇団四季の「アラジン」がきっかけ
──ちなみに「魔法の絨毯」はなぜ、アラジンをモチーフにされているのでしょうか。川崎鷹也:元々きっかけは劇団四季の「アラジン」なんです。僕が今まで、劇団四季を見たことがなかったんですけど、今の奥さんは劇団四季の会員になるくらい好きでして。見たことないことを彼女に伝えたら、「芸能や何か人に届ける事を生業にしている人は、あの作品は見るべきだよ」って言ってくれて。それで最前列の席をとってもらって、見に行きました。
見たらすごく衝撃を受けまして。曲も壮大ですし、街のザワザワする音とかもちゃんと会話が成り立っているんですよ。そういう細かいディテールもこだわっているんだと感じて、すごい良いなって思いまして。それで僕が、アラジン、ジャスミン、ジーニーに共感したんですよ。アラジンってお金も持っていないし地位もないけれど、すごくジャスミンの事が好きで、パッションだけで生きていて。魔法を使えるわけではないけれど、ジーニーのおかげで魔法使いになっていたりもするので、そういう感覚が自分にリンクしたんです。僕がこういう曲を書きたいと思ってから、この「魔法の絨毯」の歌詞を書くようになりました。
──そうなんですね。アラジンの大ファンなのかと思っていました(笑)
川崎鷹也:それ以来、大ファンではあるかもしれないです(笑)
──奥様、かなりディズニーがお好きなんですね!
川崎鷹也:めっちゃ好きなんですよ。昔は年パス持っているぐらいでした(笑)うちにぬいぐるみが沢山あるんですけど、それを売ったら多分僕のギターの何倍も高いかもしれません…。
──素敵なエピソードありがとうございます。「お金もないし力もないし地位も名誉もないけど君のこと離したくないんだ」という歌詞は自分の弱さをさらけ出しているじゃないですか。でもその弱ささえも、受け取ってくれた相手の方は嬉しいと思うんですよね。ここのフレーズは率直にご自身の感情を綴られたということでしょうか。
川崎鷹也:まさにそうですね。僕の思っていたことそのものです。惚気話でもなんでもないんですけど…。
──惚気てください(笑)
川崎鷹也:(笑)奥さんが僕の2つ上なんですけど、いろいろ考え方もしっかりしているしすべてにおいてポジティブなんですよね。彼女は「目に映るすべての人を幸せにしたい」って日頃から言っていて、それを体現できている人なんですよ。僕はそんな彼女に敵わないことが多くて、いつも「この人すげー」って思っていて。ネガティブなニュースとかも最近あると思うんですけど、その中でもSNSで叩くとかの出来事とかもネガティブに捉えてなくて、「そういう意見を一つもらえるギフトとして受け取る」って考える人なんです。
そんな彼女を見ていて、僕はこの人に見合っていないってずっと思ってしまって。ただ無理をして背伸びをしても見透かされてしまう、じゃあ自分のありのままを曝け出すしかないなって。お金ないし、地位も名誉もないけどでも気持ちだけはある。この人を離しちゃいけないって強く思ったし、この人が隣にいたら僕はもっと上のステージに行ける。プラスマイナスじゃないですけど、一緒にいて初めて見える景色があったのでそこを逃しちゃいけないという想いが言葉に出たのがここですね。
──飾らないでこんなにも素直に気持ちを伝えている部分が、グッときますね。
川崎鷹也:ありがとうございます!
──ちなみに奥様はこの楽曲について何とおっしゃっているのでしょうか?
川崎鷹也:「一番いいね」って言ってくれています。それこそ、まだ「魔法の絨毯」が世に知れ渡っていないときに、「なんでヒットしないんだろうね。おかしいね世の中」って2人で話していたんです(笑)