節分の季節がやってきます。節分と言えば「鬼は外、福は内」でおなじみの豆まき。鬼を外に追い払う行事です。節分は「季節を分ける」意味。季節の分かれ目には邪気=鬼が生じやすいので、それを追い払い新しい季節を迎える意味があるんですね。そんな追い払われる「鬼」は歌の中でどのように扱われているのでしょうか。歌詞に「鬼」が出てくる曲を集めてみました。
『忍んでる場合じゃない!』(ニンニンジャー挿入歌)に出てくるフレーズ「平成の鬼退治だぜ」。現在の戦隊であるニンニンジャー。ニンニンジャーは敵がまさに牙鬼軍団なので、鬼退治することがミッションとなっています。鬼は退治すべき敵なんですね。
A応P『はなまるぴっぴはよいこだけ』では「いやよいやよの福は内で もぐりこめ ちゃれって どっきり これが大人でいう甲斐性 親知らず 鬼は外」というフレーズが出てきます。人気の『おそ松さん』初代オープニング主題歌であるこの曲。不思議な歌詞に「鬼は外」が出てきます。甲斐性のある大人は、親知らずと共に鬼は外へ追い出すという歌詞。やはり鬼を外へ追いやります。
クラムボン『アジテーター』では「街ゆけば鬼ばかり?ならば逃げたものの勝ち」と表現される鬼。鬼は怖い人間の象徴になっています。
鬼は外に追い出す忌むべき存在とされがち。果たして鬼と仲良くすることはできないのでしょうか?
鬼に親しみを持てる歌はないのでしょうか?
チャラン・ポ・ランタン『メビウスの行き止まり』の「鬼退治に行ったつもりが歓迎されたよ」。ありました。これは鬼が意外と友好的だったパターン。姉妹デュオが歌うこの曲は、「(無限に続く)メビウス」と「行き止まり」といった相反するものを並べていく曲。退治するべき鬼が歓迎してくれます。auのCMの鬼ちゃんのような存在なのでしょうか。
「おかあさんといっしょ」の『赤鬼と青鬼のタンゴ』は愉快な鬼が出てくる歌。「ツノツノ1本赤鬼どん ツノツノ2本青鬼どん 心うかれて 心うかれて 踊り出す」このフレーズが良いですね。明るい親しみやすい鬼です。赤鬼どん、青鬼どんという呼び方がまた可愛いですね。
続いて水曜日のカンパネラ『ドラキュラ』の「鬼が笑ってもいいじゃない 来年のことをもっと話そう」。これも良いですね。「来年のことを言うと鬼が笑う」とよく言いますが、あえて鬼が笑ってもいいから来年のことを言おうという歌詞。ちなみに水カンは『桃太郎』という鬼退治曲もあります。
ドラキュラ 歌詞
水曜日のカンパネラ
作詞 ケンモチヒデフミ
作曲 ケンモチヒデフミ
今年もいろいろあったよね
そう、みんながヴァンパイア・オブ・ザ・イヤー
鬼が笑ってもいいじゃない 来年のことをもっと話そう
私立恵比寿中学『使ってポートフォリオ』の「ヤバいキてる鬼マスト」は鬼を超、すごいの意味で使っています。鬼はここではとにかくすごいだけの意味。これは良い鬼ですね。
極めつけはNICO Touches the Wallsの『天地ガエシ』。「必殺【鬼の隠し拳:天地ガエシ】で そのままひっくり返してやれ」という歌詞が登場。必殺技の名前になっている鬼。ちなみに天地ガエシとは、もとは土の表面と深いところを入れ替えることですが、ここではラーメン二郎で麺と野菜をひっくり返すこと。これを必殺技ととらえ歌詞に入れています。鬼の隠し拳!というと、とにかくすごそうですね。
鬼は基本的に敵ですが、味方につけたらとにかくすごいということが分かりました。今年の節分は鬼マストで鬼の隠し拳を使いたいところですね!
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)