2ndシングルはOWVらしい曲を選んだ
──2ndシングル「Ready Set Go」が2020年1月20日にリリースされますが、収録されている3曲「Ready Set Go」「Na Na Na」「Scattered」はとてもインパクトがあるので、タイトルナンバーを選択するのは難しかったのではないですか?中川勝就:この3曲までにいきつくには順調に進んだんですけど、この3曲でどれを表題曲にするかは、迷いました。それぞれの個性があるし。だからすごく悩んだんですけど、サビのインパクトも加えて1番主役感があるのは、「Ready Set Go」かな、と。
──最終的に「Ready Set Go」が自分たちの2ndシングルの表題曲だな、という決め手になったのは、どういうところからでしょうか?
佐野文哉:歌詞は恋愛を連想させるんですけど、恋愛だけに限らず、<Ready Set Go>という、今のもどかしい世の中の環境を突き破るようなイメージでも捉えていただけると思います。
そして僕たち自身も、デビュー曲の「UBA UBA」でマイナスからゼロにあがって、この「Ready Set Go」でようやく今、ゼロから突き進んでいくよ、という意味合いがあるので。そういったところも、伝えることができたら、と思ったんです。
──1stはマイナスからゼロへ、だったのですね。
佐野文哉:出演した番組で僕たちは脱落組(4人は2019年に行われたオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」に出演した)という感じのくくりだったので、そもそもマイナススタートだったと思うんです。僕たちの自覚としてはそこからまず「這い上がってやる」という強気な曲(「UBA UBA」)を1発目でぶつけて、それでスタートラインに立ってデビューしました。そして2曲目の「Ready Set Go」でどんどん、100、200、300に向けてゼロから走り出していく、という感じですね。
──「Ready Set Go」の歌詞は恋愛でありますが、曲を聴いていると皆さんの心からの叫びのようなものを感じました。そこは今、言われたようなスピリットからなんですね。
佐野文哉:そういう野心みたいなものは、忘れないでいきたい、というか。これからどんどん、強い気持ちで突き進んでいきたな、と思っています。僕たちはもともとデビュー曲でこのセカンドシングルのような曲をやろう、と考えていて。でもファーストではあえて違うコンセプトにして、今回のセカンドで持ってきたんです。
──なぜ1枚目はあえて自分たちの王道を外して、2枚目でストレートにいこうと考えたのでしょうか?
本田康祐:僕らは雰囲気的にもクール系の人が多かったので、大人びたセクシーなイメージのグループになるんじゃないかな、と思われていたと思うんです。でもインパクト重視で、デビュー曲はイメージ通りの「大人びたセクシーでいくのか」と思わせつつ、「いや、こっちもいけるよ」という振り幅を見せたかったんです。
デビュー曲は「攻め」を表現しつつ、今まで見せたことのないような顔を見せる曲をやったつもりです。
そしてセカンドでは、自分たちらしくもあり、進化したOWVを表現するつもりで大人らしい魅力が出せて、且つ難易度の高い歌曲とパフォーマンスが見せられる曲を選ばせていただきました。
──OWVをすでに知っているファンの方は2ndシングルの方が、「ああ、なるほど」と、ニヤリとするようなナンバーということですね。
浦野秀太:実際はどうなんでしょう? そこの反応は見てみたいですね。
本田康祐:特に衣装がピンクというのは一番びっくりしたんじゃないですかね。僕たちはグループカラーも黒ですし、今まで黒のイメージが強かったと思うので、もしかしたらこういう色の衣装は想像してなかったんじゃないかなと思っています。
──ピンクというのは驚きました。でも華やかでかっこいい衣装ですよね。
中川勝就:この色の正式名称はコーラルピンクなんです。見る角度によってはちょっとベージュっぽくも見えるんですよ。
佐野文哉:目からも耳からも、新しい風をという感じですね。
──「Ready Set Go」は開放感のあるコーラスから始まります。
浦野秀太:はじまりは好きな部分でもありますね。最初からつかみが結構あるのかなと思います。
──そして結構、キーが高いですよね。
中川勝就:そこを注目していただきたいと思っていて。歌いやすさを重視して半音下げとか1音下げとかいう案も出たんですけれど、やっぱり僕たちは原キーを聴いて、「これがいい」と思ったので、「絶対歌い上げてやる」という気持ちで練習にも取り組みました。しっかり準備してレコーディングに臨んだ、という思いがすごくこもっているので。本当に愛着があるというか、そんな曲になっています。
1つのことに集中するメンバーは…
──「Ready Set Go」の主人公は、恋に一直線になっている状態ですが、メンバーの中で一番、1つのことに夢中になる人は誰でしょうか?(一斉に浦野秀太を見るメンバー)
浦野秀太:いやいや。
本田康祐:秒速で彼を見ちゃいますよ。
浦野秀太:1つのことに集中すると、ちょっと周りの方が見えなくなってしまう、という現象に陥りますね。よく言うと、1つのことを「絶対にやりたい」と決めたら、やっちゃうんですよ。
佐野文哉:完璧主義です。
浦野秀太:だから細かいところも気になっちゃう。
中川勝就:まあ諸刃の剣という感じです(笑)。
浦野秀太:ちゃんと突き詰めたい。でもそれによってちょっと自信がなくなっちゃう、というのもあります。もっと上がいる、と思ってしまうんですよね。
中川勝就:だから一生幸せになれなさそう(笑)。
浦野秀太:おーい(笑)!でも「面白い」となっても「いや、ダウンタウンさんいるし」とか思っちゃうんです。
佐野文哉:どこに基準を置いてるの(笑)。
──向上心ですね。
中川勝就:でも幸福度は一番低い。
浦野秀太:いや、幸せよ!
中川勝就:分かってるよ(笑)。
──浦野さんが熱中したことによるエピソードはありますか?
中川勝就:それは日常茶飯事すぎて(笑)。
本田康祐:毎日すぎて(笑)。何かあった日には、LINEで「これ、どう思いますか?」とくるし。電話もきたりするので、確かに幸せそうではないですね(笑)。
浦野秀太:いや、幸せですって(苦笑)。
本田康祐:すごく仕事をしたがるんですよ。休みの日も事務所に行ったりして、いろいろな人と話したりしていますね。
佐野文哉:4人とも完璧主義者だったら大変だと思うんですけど、グループとしてみた時に、いろいろ身の周りに気を配って突き詰められる人が1人いるのは、バランスが取れていていいな、と思います。
──確かに4人が全員だったら大変(笑)。
佐野文哉:僕自身は結構適当なことも多いので(笑)。バランスが取れていると思います。
浦野秀太:僕はグループに必要ないところを突き詰めたいんじゃなくて、みんなも一緒の想いのところを突き詰めたいので、そこは食い違わないです。
佐野文哉:ベクトルは同じ方向を向いていますから。野球に例えていうと、同じストレートの球だけど、僕たちが80キロなら秀太が160キロという感じです。
本田康祐:最終的には「秀太のやつにしよう」となる時もありますね。
──すごい信頼ですね。
本田康祐:信頼もありますけど、何を言っても変わらないですから(笑)。だからたまに僕らの写真を出す時は、最初に「秀太から決めていいよ」と言って、秀太が選んだ後に僕らが決めるようにすることもあります。
浦野秀太:合わせることも全然できますよ! でも突き詰めたい時は突き詰めたいんです。
本田康祐:でも、いいことですよ、こういう仕事では。
中川勝就:1つのことに打ち込むのはすごいことですよ。
──逆に、冷静に全体を見るメンバーはどなたでしょうか?
(中川を見るメンバー)
中川勝就:僕、本田くんもそうだと思うけど!
佐野文哉:タイプが違うかな。
本田康祐:僕もたまに秀太みたいになる時があるので。そういう面では、勝(中川)の方が広く見ているのかなと。
佐野文哉:全体を見ていて俯瞰している人(中川)、全体を見ていて意見を伝える人(本田)、という感じですかね。
中川勝就:僕はたとえば双方で何かあったとしたら、どっちの意見もくみ取って、「こっちはこう思っている」「こっちはこう思っている。じゃあどうする?」という係だと思っていて。
佐野文哉:坂本龍馬みたいな。
中川勝就:あははは!
佐野文哉:薩摩藩と長州藩の仲介役。
中川勝就:例えがすごいよ!
本田康祐:自分は一応リーダーなので、みんなの意見を俯瞰で見て、思ったことはメンバーに言うし、メンバーの意見をスタッフの方に言う立場だと思っているので。自分の意見も言ったりしますけれど、大事にしているのは4人の総意というか、そういうところを見ています。
──歌詞に連動したお話の中で、OWVのバランス、といったテーマにまでつながりましたね。
中川勝就:本当に僕らはバランスがいいなと、そういう時にすごく思います。
佐野文哉:僕だけ自由にやらせてもらっています(笑)。
本田康祐:(佐野は)自由で、無謀なこともたまに言うけれど(笑)、僕らだと出てこない話もたくさんあるので、そういうところがいいですね。秀太は細かいところを突き詰めてくれて、勝がちゃんと俯瞰で見てくれているし。
それぞれのセクシー観を大公開
──今回のシングルでは、セクシーさというのもテーマになっているそうですが、皆さんは内面的なところも含めて、人間的にセクシーだなと思うのは、どんな人ですか?本田康祐:自分は人として頑張っている人がすごく好きなんですよ。真剣に取り組んで、それを自慢しない人。努力というものは当たり前にしているものだと思うし、それを言い訳にするのではなくて、頑張っているのが当たり前で、プラス何かしている人。以前、GACKTさんが20日間ファスティングしている、というのを聞いて。
佐野文哉:セクシーの最高峰だね。
本田康祐:僕も体を引き締めたいということで、1週間くらいファスティングをしたんですけど、GACKTさんは20日間している、というのをテレビで見て。「なぜそんなにしているの?」とみんなに言われたときに、「自分が一番先頭に立つのに、たとえばスタッフさんにダメだしする時に、自分がたるんでいたら、説得力がない。だからいつもつねに自分が一番つらい状態において頑張っていると、周りの人たちも『あれだけGACKTさんが頑張っているから、俺らも頑張らなきゃ』となる」そうなんです。それがすごくかっこよくて。
自分も前に立つ時は、そのくらいの勢いで頑張る、いや、頑張るといういい方がまずあまり好きじゃないんですけど、そのくらいを当たり前としてやっていきたい。そういう思いがあったので、20日ファスティングしようとしたんですけれど……。すみません、6日で終わっちゃって(苦笑)。
中川勝就:でも実際、6日やることもすごいですからね。
──いや、本当にそうですよね。
本田康祐:というのがあったので、自分もまず「頑張る」ということを言わないくらいにしたいな、と。
浦野秀太:見えない努力だね。
中川勝就:セクシーの解釈はいろいろだと思うんですけれど、僕は普段から気配りができたり、人のことをしっかり気遣えたり、ふとした優しさが日常的に出る人にセクシーさを感じます。心のゆとりがあって、セクシーだなと思うんですよね。
──それはセクシーかもしれないです。
中川勝就:言い方を変えれば、エスコートがちゃんとできる、みたいなことがセクシーなんじゃないかな、と。
本田康祐:できそう。
中川勝就:え、僕ですか? たしかに、結構そういう修行をしてきたかも。
──どんな修行ですか(笑)?
中川勝就:あはは。すみません、冗談です(笑)。
──メンバーの中でエスコートしそうなのは?
本田康祐:秀太です。
浦野秀太:エスコート、大丈夫です!
佐野文哉:そこも完璧主義だからね。
浦野秀太:確実に一緒にいる人に道路側を歩かせない。
佐野文哉:でも何か狂気じみている(笑)。
浦野秀太:そんな、変なイメージついちゃう(笑)。
──中川さんはそんな浦野さんにセクシーは感じますか?
中川勝就:いえ、僕は秀太にはあんまり……。
浦野秀太:おーい(笑)! 僕は大人のゆとりがある人。それこそGACKTさんはそうですけれど、ROLANDさんとかYOSHIKIさんとか。
本田康祐:何かみんな挙げる人が似てる(笑)。
浦野秀太:所作とかに余裕があって。それこそ、何か言われても、怒らないというか。
佐野文哉:動じない、みたいな?
浦野秀太:そう。動じない。余裕がありそうじゃないですか。そういうところにセクシーさを感じます。
佐野文哉:僕は雨の日に傘をささない人、とか。
浦野秀太:え? 外国人?
佐野文哉:セクシーじゃないですか?
本田康祐:それは怖いよ(笑)。
佐野文哉:水もしたたるいい男、みたいな。
──(笑)。でもそちらの切り口もありますから。
中川勝就:そうですね。状況が状況だったら、めちゃくちゃセクシー。
佐野文哉:ちょっと筋肉が透けていたりとかして、いいじゃないですか。
浦野秀太:よく海外とかにある、ガラス張りのシャワールームで。
──それもセクシーの極みですね。
佐野文哉:いや、王道だね。
──最後は王道に落ち着きましたね(笑)。今回、「Ready Set Go」のダンスの動きで、セクシーさはどのへんに表れていると思いますか?
浦野秀太:セクシーなポイントは結構あります!唇とか首元さわったりする振りがあって。
佐野文哉:<前代未聞のKiss>というワードの時に、口元、首元を触ります。
──結構、体のラインをなぞる感じ?
佐野文哉:なぞりますね。
──ダンスの時、体のラインをきれいに見せるコツは?
佐野文哉:伸ばすところは伸ばす、とか、下がるところは下がる、など基本的なところもそうですが、自分が思う一番のコツは角度ですかね。ダンスには盛れる角度があるんです。
本田康祐:人それぞれあるよね。
佐野文哉:写真とかでも一緒なんですけれど、いかに自分の角度を理解しているか、引き出すかだと思うんです。みんなそれぞれ身長も体格も違うので、僕の方法を真似してもセクシーにはならないし、他の人の方法を僕が真似してもそうならないので。それぞれのセクシーな角度があるんじゃないのかな、と思います。
ただ僕たちのパフォーマンスについては、雰囲気はそれぞれのセクシーなんですけれど、動きはばっちりそろっているので、そこは注目してほしいです。