「シン・エヴァンゲリオン劇場版」冒頭でマリが歌っていた曲
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」とは、2021年3月8に劇場公開された新劇場版シリーズの完結作です。冒頭の10分40秒は、2019年7月6日に世界各国で開かれたイベント「0706作戦」で先行上映されており、この映像内でもマリが懐メロを歌っていたため話題となりました。
視聴後に冒頭の映像と同じシーンの曲が気になっているという人も多いです。
はじめに、シン・エヴァの冒頭シーンでマリが歌っていた曲を紹介します。
真実一路のマーチ / 水前寺清子
シン・エヴァの冒頭シーンで、マリが最初に歌っていたのが「真実一路のマーチ」です。
1969年に発表された楽曲で、演歌や歌謡曲を歌うベテランシンガー・水前寺清子が歌っています。
登場シーンは冒頭のパリのエッフェル塔が映し出される場面から、臨時戦闘形態へと改修されたエヴァ8号機βが登場するシーンにかけて。
作戦中ということもあり、聞き取りにくい部分も多いですが「タンバリンリンリン、タンバリン」という印象的なフレーズはハッキリと聞き取れます。
明るくポップな曲調と「辛くても強く前を向いて歩いて行こう」というポジティブな歌詞が、どんな時でも前に進む強い精神を持つマリにピッタリです。
エヴァQ終盤の苦しい状況を引き継いだ場面なので、仲間や自分を励ますような気持ちで「真実一路のマーチ」を口ずさんでいるのかも知れませんね。
世界は二人のために / 佐良直美
マリが「真実一路のマーチ」の次に歌っていたのが、佐良直美の「世界は二人のために」です。
1967年に発売されロングヒットを記録したほか、佐良直美はこの曲で日本レコード大賞の新人賞の受賞や、NHK紅白歌合戦への出場も果たしました。
「あなたと二人」や「二人のため世界はあるの」といった親しみやすいフレーズ、ムーディーな雰囲気でラブソングとしても有名です。
歌唱シーンは「シン・エヴァンゲリオン劇場版」冒頭の、エヴァ8号機の登場~ヴィレの作戦スタート時までの約1分間。
愛を表現した名曲として知られている歌ですが、「二人のため」というフレーズが旧劇場版のラストやバッドエンドを連想させるようにも感じます。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」でマリが歌っていた曲
新劇場版シリーズ3作目の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」でも、マリは懐メロを歌っています。重く難しいストーリーでしたが、彼女のポップなセリフや口ずさんでいた曲の影響もあり、エヴァらしいコメディ部分もある作品になっていますよ。
次は、新劇場版のエヴァの中で最も議論を読んだ作品「Q」でマリが歌っていた曲を、原曲のアーティストや作品の考察とともに紹介します。
ひとりじゃないの / 天地真理
エヴァQの序盤にマリが歌っていた曲が、天地真理の代表曲「ひとりじゃないの」です。
宇宙空間に封印されていた初号機を強奪するための「US作戦」中に登場した曲で、マリは鼻歌や「にゃ」というフレーズとともに「ひとりじゃないって~」と歌っています。
緊張感のあるシーンですが、明るいな雰囲気と楽しげな歌声が重なり、カッコよさとポップな雰囲気が混ざりあった不思議なシーンになっていますよ。
この作戦は初号機の中に取り込まれた碇シンジの救出も兼ねていたので、シンジに「1人じゃない」というメッセージを伝えるために口ずさんでいたのかも知れませんね。
また、Qでは「1人」、シンでは「2人」を強調した曲を選んでいることからも、キャラクターの状況や心情を考えて選曲している可能性は高いのではないでしょうか。
グランプリの鷹 / 水木一郎,フィーリング・フリー
「グランプリの鷹」は綾波レイのクローンが操るエヴァMark.09が、ヴィレの母艦・AAAヴンダーを襲撃するシーンで登場する曲です。
1977年に放送されたTVアニメ「アローエンブレム グランプリの鷹」のOP曲で、歌は「アニキ」の愛称で親しまれている水木一郎が担当しています。
8号機が銃を構えたまま出撃するシーンで歌われ、「的を狙えば外さないよーん」という1フレーズのみと短いものの、8号機の登場をかっこよく演出していますよ。
本来の歌詞は「的を狙えば外さない」ですが、語尾を伸ばしてマリらしさを演出しているのもポイントです。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」でマリが歌っていた曲
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」は2009年公開の、新劇場版シリーズの2作目です。TV版エヴァのストーリーを踏まえながらも、オリジナルの展開が盛り込まれた作品で、多くのアニメファンを魅了しました。
坂本真綾が声を担当する、謎多きキャラクター・真希波マリが登場したのもこの「破」からです。
最後に、エヴァの新劇場版シリーズ2作目「破」でマリが歌っていた曲を紹介します。
三百六十五歩のマーチ / 水前寺清子
マリがエヴァ「破」の仮設5号機に乗って出撃するシーンで歌っていたのが、水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」です。
1968年にリリースされた楽曲で売上はミリオンを突破し、日本レコード大賞の大衆賞や日本作詩大賞の大衆賞などを受賞しています。
また、2000年代に入ってもセルフカバーや他のアーティストのカバーが発表されており、今でも幅広い世代の人から愛されていますよ。
封印から目覚めた第3使徒を残滅するというハードな任務中に、明るく前向きな曲を選ぶのもマリらしくて素敵ですね。
シン・エヴァ冒頭でマリが歌っていた”タンバリンリンリン”の正体は「真実一路のマーチ」!
マリがシン・エヴァの冒頭で歌っていた「タンバリンリンリン」というフレーズが印象的な楽曲は「真実一路のマーチ」です。選曲や言動にも謎が多く、コミックス版では碇ユイとの2ショットが描かれるなど不思議なキャラクターですが、懐メロを楽しそうに口ずさんでいる姿はとても素敵ですよね。
細かな演出にもこだわる庵野秀明監督のことなので、きっと選曲にも何らかの意味があるのではないでしょうか?
「マリの歌の意味を深く知りたい」「ストーリーを深堀りしたい」という人は、ぜひエヴァの新劇場版と一緒に、彼女が選んだ楽曲もチェックしてみてくださいね。