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【インタビュー】祭nine.令和の流行語にしたい!彼らが想う祭りとは? (1/2)

祭nine.が、シングル『やったれ我が人生』を発売。お囃子のリズムと多彩な掛け声、ベースのファンキーなチョッパーが絡むアッパーな楽曲だ。祭nine.が思う「祭り」について訊いた。

めっちゃ楽しい曲

──ニューシングル『やったれ我が人生』を初めて聴いた時、どんなシーンが浮かびましたか?


寺坂頼我:人に何か言われた時、感銘受けたり、感動したり、ビビッとくるような。雷にうたれたようなイメージが浮かびましたね。

野々田奏:僕らの曲って、燃えている赤色ってイメージが強いと思うんですけど、今回は確かに赤要素もあるけど、すごく鮮やかでキラキラしている光みたいなイメージがありましたね。僕が黄色だからかわかんないんですけど、黄色というか、明るいスポットライトで照らされているイメージ。爽やかさもあるから。

神田陸人:僕は具体的に、自分が大学受験した時のことを思い出しました。不安と闘いながら本番を迎えて、やるしかないって状況。その時、背水の陣じゃないけど、ここまで来たからにはやるしかないって自分自身を奮い立たせた時の気持ちを思い出しました。自分にも、やったれ、やったれ、と言い聞かせながら挑んだ気持ちを思い出しながら、不安もあるけど、とりあえず目の前のことに全力で立ち向かえる感じで歌わせてもらいました。

横山統威:本当に歌詞とかあんまり関係なく、パッと聴いたので浮かんだイメージは、商店街を全速力で走る!(笑)

▲祭nine.「やったれ我が人生」Music Video

──走っているのは自分ですか?

横山統威:誰かが走ってる。むっちゃ早く走ってて、足元から煙が出てるような。

寺坂頼我:漫画やな。

横山統威:そうそう。それを正面からバーッてひきで撮っているような感じ。


──曲のスピード感からイメージしたんでしょうか?

横山統威:そうですね。焦りとはまた別な、わたわた感というか。たぶん、やったれ、やったれ、の連呼で産まれて来たイメージだと思うんですね。聴いた時点で、楽しい曲になることは間違いないだろうなと思いましたね。

髙崎寿希也 僕は文化祭や、運動会の初日が頭によぎりました。みんなで準備してきた日を忘れずに本番を迎え、ドキドキの中、まさに今始まるぞみたいな。ワクワクした緊張感があるような風景が浮かんできましたね。


──これから始まるぞ、みたいな?

髙崎寿希也:そうです。自分の出番が近づく、ドキドキだったりとか。運動会なら、いつも近くにいてくれた友達とかが、目の前で闘っている。そういう光景を目の当たりにして自分を鼓舞して、その気持ちをもっと熱くしていくみたいな。エンジンをかける直前みたいな気持ちが沸き上がりましたね。


ダンスは運動量で勝負

──5人のユニゾンのパートがとても印象に残りました。息の合わせ方がすごいな、と。

全員:ありがとうございます。


──例えば「やったれ、やったれ」……って繰り返す部分、5人の中の1人が乱れたら、カッコ悪いと思うんですよ。

寺坂頼我:カッコ悪いですね。


──その難しさはありましたか?

寺坂頼我:そこまで合わせていくっていう苦労は無かったかな。歌だけでなく、それぞれの熱量に関しても問題なかったですね。ただ、その説得力とか、圧倒する力は、今も頑張らないといけないなと思っています。これからの祭nine.の課題でもあると思う。


──ダンスで言うと、ここ弱主軸になっている、フォーメーションじゃなくて、奥行きで見せるアクロバティックなパフォーマンスを軸に持って来ているのが、すごく新鮮でした。広がりをメインにしてるんじゃなくて、人が重なることの奥行きで迫力を出してる。ステージ上で、何が起こっているかわからないんですよね。


野々田奏:そう見てもらえたら、すごく嬉しいですね。

神田陸人:今回の新曲は、フォーメーションもめちゃめちゃ動いているし、アクロバットも今までと違いますし。僕らも今まで以上にやってやるって気持ちで熱をぶつけてる。これまでの祭nine.とは、ライブでも全然違うと思います。


──まずはダンスの概念について伺いたいんです。祭nine.のダンスって、既存のエンターテインメントにないパターンのダンスだと思うんですよね。トレンドもあまり関係ないというか。

野々田奏:確かに。

神田陸人:トレンドは関係ないもんね。


──例えばお祭りのお囃子のリズムって、今のダンスのリズムと、そもそも概念が違うと思うんですね。リズムを取る部分が違うでしょ。だから素朴な疑問で、踊ってて難しくないですかっていう。どこでリズムとっているんですかっていう話なんですけど。

野々田奏:そうですね。リズムうんぬんっていうより……僕たちの場合、気持ちで踊っている部分が大きい。技術面よりは気持ち。技術面は、まだまだだと思うんですよ。


──いえいえ、そんなことはない。

野々田奏:ありがとうございます。でも自分達では本当に技術面は足りないとは思っていて。今でもどんどん磨いていかないとと思っているところ。


──なるほど。でも、運動量がめちゃくちゃ多いですよね。

野々田奏:そうなんです。そこで闘っているって部分はありますね。祭りなんで、自分が楽しいように踊るのが大切だと思っているんです。技術ももちろん大切なんですけど、気持ちの部分で魅了したい。気持ち同士でぶつかり合うのが祭りだと思うので。ダンスというよりは、自分の力が尽きるまで全力で踊るっていうのが、祭nine.のダンスなんですよね。

横山統威:祭りの踊りっていうと、盆踊りとか阿波踊りとか。


──あぁ、そうですね。祭り、踊りっていうと、そこらへんを思い出します。


横山統威:僕らは盆踊りとかよりは、神輿に近い。全力でぶつかりあうっていう意味も含めて。


──なるほど!すごく良く分かります。

神田陸人:だから正直に言ったら、誰でも出来るっちゃあ出来ると思うんです。でも本気で出す、全力で踊り続けるっていうのは、なかなか出来ないんじゃないかな、と。だからいろんな人に、圧倒されるって言っていただけるのかな。

野々田奏:ダンスっていう視点でみたら、もう、全部フルパワーなんですよ。メリハリとか考えてない(笑)。ダンスは全力でやらなきゃいけないと思っていて、それ以上に気持ちが大事だと思っているんですね。

寺坂頼我:だから、全員が動きっぱなし。


──確かに。見せ場のポーズとか、無いですもんね。特に『やったれ我が人生』は目まぐるしい。何が起こっているかわからないパフォーマンスが続く印象でした。

野々田奏:そうですね(笑)。

神田陸人:カップリングとかでは緩やかな曲もあるんですけど、シングルのタイトル曲になるような曲に関しては、そういうノリでやらせてもらってますね。


歌詞にちなんで喜怒哀楽

──今回もカップリングは曲調のバリエーションはありますよね。例えば、ロカビリーだったり、ラウドよりのロックだったり。そういう時は、どんな踊りになるんだろうって思いましたね。ロカビリーって、ツイストじゃないですか。

寺坂頼我:全然違うんですよね。


神田陸人:それこそ、テクニックいるのかなっていう。

野々田奏:逆に、祭り的なノリの曲じゃないと、難しさを感じますね。テクニックが本当に必要だから。今回のロカビリーもそうだし、他にもK-POPみたいな曲もあったりするから。


──タイトル曲の歌詞から拝借しての質問です。このグループにとっての喜怒哀楽を教えてください。喜は?

全員: (……熟考中……)


──抽象的な質問ですみません。

寺坂頼我:いえいえ。面白いです。

髙崎寿希也:まずは“喜”ですよね。僕的には、楽曲制作に関わることが出来たこと。ずっと言ってきたことだったから。

神田陸人:そうだね。ずっと言って来たからね。

髙崎寿希也:今回、MVも含め、ようやく自分達がやりたいことだったりを取り入れることが出来たんです、カップリングの選考も、自分達で何十曲もある中から選んだり。今回のシングルでそれが叶ったので嬉しい。喜んでいます。

神田陸人:そうだね。これまで僕ら、先輩方とかいろいろな人を見て来ていて。有言実行している人達ばかりだったんです。だから自分達でも、有言実行出来た瞬間っていうのは、1番喜ばしい瞬間ですね。

寺坂頼我:歌に関して言えば、歌詞も曲も祭nine.の色を汲み取って作ってもらっている立場なんですけど、出すシングルごとに、やっぱり毎回、これは僕達が実際に感じてることだって自信を持って出している。その自負はすごくあって。ただそれが、やっぱり誰かに伝わった時が嬉しい、喜びになりますね。今回もMVに携わったりして……。


──コックさんになっているやつですね。


髙崎寿希也:そうですそうです(笑)。

寺坂頼我:それですごくいい反応をもらえた。ここは、やっぱりエンターテインメントをやっている喜びにつながるし、それが実感出来たことが大きかったですね。


──では“怒”は。

寺坂頼我:“怒”かぁ。

野々田奏:難しいなぁ。

──質問している立場で何ですが“怒”が1番難しいよなと思ったんですよね。ただ怒るって意味じゃ無くて、例えば自分に対してのもどかしさとか、悔しさとか、そういう感情も含めて考えてみてください。

野々田奏:なるほど、悔しさかぁ。


──怒りの矛先をどこに持って行けばいいかわからないって意味では、この1年で、多くの人が持て余した感情でもあると思うんですよね。だから“怒”の価値観も変わってきつつある気もしていいて。

神田陸人:あぁ、そうですよね。だからなおさら難しいですよね。

寺坂頼我:コロナは誰もわるくなからなあ。

神田陸人:個人的には、思ったところまでいけてないとか、そういう悔しさはある。でも今だけじゃなくて、いつでもあるんですね。

寺坂頼我:でも、そういう悔しさもポジティヴに変換しちゃうんだよね。だから今、祭nine.をやっているし、ここまでやってこれたとも思うんです。これまで死ぬほど詳しい瞬間もめちゃくちゃあったけど、そこに怒るんだったら、そこをバネにして次に行きたい。


早く全国、回りたい

──では“哀”はどうですか?切ないとか、寂しいとかでもいいです。


野々田奏:最近、リーダーが仕事でいなくて、4人の活動が続いていたんですよ。で、やっぱり、5人いないと寂しいなぁって、毎回感じていましたね。祭nine.は、人数が多い方が盛り上がって楽しいなって思ってた。

寺坂頼我:おや、可愛いこと言うじゃないか(一同爆笑)。

野々田奏:でも、そういう寂しさもバネになるというか。リーダーがいない分、4人でその穴をカバーしようっていう気持ちが芽生えた瞬間でもあったんですよね。寂しいといいつつも、4人で話したりしたので。1人でも抜けたら、そこを補って100%の祭nine.にするために力を使うし、時間もかかることを学びました。

神田陸人:僕らって、これまでずっとライブが主戦場で、回数もすごくやっている方だと思うんですね。それが無いっていう……コロナ禍以降の約1年間はすごく寂しかった。毎回新作をリリースする度、全国行って、僕らの仲間で地元を盛り上げるってことをして来たので、それが無いのは、やっぱりすごく寂しかった。

野々田奏:本当にずっと毎回、全国を回ってたんですよ。でもこの1年は、名古屋でしかほぼライブをやってないので、すごく寂しいですね。

寺坂頼我:みんなに会いたいなぁ。


──祭nine.を全国で待ってくれている人達にってことですよね。

神田陸人:はい、すごく会いたい。

横山統威:みんなの顔を見たいです。

髙崎寿希也:早く会いたい。

野々田奏:本当にまた全国に行きたい。祭nine.を知っている人はもちろん、まだ僕らを知らない人にも会いに行きたい。


わちゃわちゃ感が楽しい

──次は“楽”をお願いします。

横山統威:ライブとかいろんなお仕事させてもらう時もそうですけど、こう……(口調を変えて)なーにーげーなぁーいときにぃ?


寺坂頼我:あれれ、何気ない時に?

野々田奏:なんだろ?

横山統威:メンバーがいることの安心に喜びと楽しさを感じますね。ライブの稽古をしている時とか、仕事が終わった後にたわいもない話をしている時とか。「あ、いい」って思う。


──この空気いい、みたいな。

横山統威:そうです、そうです。

野々田奏:みんなでいる時、統威(=横山)が1番うるさいんですよ、結局は。

横山統威:ありがとうございますっ!

野々田奏:統威が、ムードを1番盛り上げてくれてるんで。さっきもずっとビート流していて、統威がラップしてて。それに僕らが巻き込まれて、わちゃわちゃしてっていう。ステージ上でもわちゃわちゃしていますけど、楽屋でも変わらずわちゃわちゃ。その感じが楽しいんですよね。


──それでは新曲『やったれ我が人生』の歌詞の中で、それぞれの好きなフレーズを教えてください。


神田陸人:僕は「あといくつか若けりゃね」ってフレーズですね。自分にも当てはまるなと思っていて。ダンスも、もっと小さい頃から習っておけば良かったと思うんですね。そういう風に、前からやっておけばよかったなってことはたくさんあって、今でもそれで劣等感を感じたりするんですけど、それは皆さんにもきっとあることだと思うんです。

で、この曲の歌詞をもらった時“今、やろうと思ったら出来るじゃん”って思ったんですね。そう思ったことをメッセージとして届けたいなと思った。これから生きていく中で、やろうと思いついた時が、1番エネルギッシュに満ち溢れている瞬間だからこそ、今ぜひやって欲しい、と。そこを伝えたいなと思いました。

寺坂頼我:本当にどの歌詞もいいなぁって思ってて、優柔不断発揮しちゃうんですけど。でもその中でも「目指す(=ほしい)ものはなんですか 知らぬ間 すり替わってませんか」って歌詞が好きですね。


──<目指す>と書いて<ほしい>と読ませてるんですよね。

横山統威:そうなんですよね。すげぇよなあ。

寺坂頼我:自分もいつの間にか、目標にしてたけど気が付いたらそれが全然違うものになってたりとか、やりたいことを見失う瞬間もある。



──あぁ、わかります。自分がやりたかったことを思い出して、確認しなきゃいけない瞬間って結構ある。

寺坂頼我:そうなんです。辛いなと思っている時とか、そういうこと多いですよね。で、そんな時、まず自分は最初どう思っていたっけ、何をやりたくて始めたんだっけっていうのを振り返ってみると、以外とすり替わっているんです。振り返ることで、本来の目標に改めて気が付くことが出来る。だから皆さんにも、この歌詞で気づいたのならば、ゆっくり考えて欲しいと思います。

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名古屋発進4人組エンターテイメント集団「祭 nine.」(読み:まつりないん) 2017 年 8 月 16 日「嗚呼、夢神輿」でデビュー。2019 年 3 月 20 日にリリースした 4th シングル「有超天シューター」ではオリコ ン週間 CD シングルランキング・ビルボードウィークリーランキングともに 1 位を獲得。 20···

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