「勿忘」で人気のAwesome City Clubが送る未来に向けた応援ソング
東京発の3人組アーティスト『Awesome City Club(オーサムシティクラブ)』。彼らといえば菅田将暉・有村架純主演映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソング『勿忘(わすれな)』がバズり、バンド最大のヒット曲として音楽ニュースを賑わせました。
別れてしまった恋人への想いを春の花と重ねた『勿忘』は、映画の世界観にぴったりの切なくも温かいラブソングでした。
そんな音楽界注目のAwesome City Clubが、2021年4月21日に配信シングル『またたき』をリリース。
メンバーはこの楽曲について「未来に目を向けて、背中をポンッと押してあげられるような温かい応援ソング」と語っています。
『勿忘』が“過去”を表現しているとすれば、『またたき』で描かれるのはまだ見ぬ“未来”。
男女ツインボーカルの繊細で美しい歌声が力強く歌いかけ、『勿忘』とは一味違う生命力を感じる楽曲となっています。
リリース日に公式YouTubeで公開されたリリックビデオも、夜に音楽を聴きながら物書きをする女性を映したおしゃれな映像です。
そんな『またたき』の気になる歌詞の意味を考察していきましょう。
暗い過去と決別しまだ見ぬ未来へ
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大停電の夜 街は静寂の中
小さな手を握って歩いた事
幸せとか不幸せとか君の前じゃちっぽけさ
そんな風に思える日々が愛おしいから
≪またたき 歌詞より抜粋≫
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1番の冒頭で出てくる「大停電の夜」をイメージすると、どんな気持ちになるでしょうか?
暗闇に包まれた街は、ひっそりとしていて、寂しく不安な気持ちになるものです。
しかし、そんな時に手を取り合える人がそばにいてくれたら、心強く感じられるでしょう。
この楽曲の主人公には「君」という大切な存在がいるようです。
『勿忘』では例え相手が泣いていても、助けられない切ない関係性が描かれていましたが、この曲の歌詞からは手を握って気持ちを分かち合える二人の仲睦まじい様子が伝わってきます。
「幸せ」や「不幸せ」という言葉には定義がなく不確かですが、何が幸せかなど主人公にとっては「ちっぽけ」なことだと歌います。
それは「君」と過ごす日々がどんな時でも「愛おしいから」。
「小さな手」は人のか弱さや儚さを表現しているのでしょう。
たとえ暗闇で何もできずにいるようなか弱い存在だとしても、「君」がそうであるように誰かに幸せを届けているなら、その人の価値は計り知れないものだと励ましてくれているのかもしれませんね。
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言葉の雨が胸を刺して 心が泣いて やるせない夜もあるだろう
訪れる未来への合言葉は君の中に響いてるアンサー
≪またたき 歌詞より抜粋≫
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誰かの心無い「言葉の雨が胸を刺して」、停電の時のように心が不安定になる日もあります。
つらいことばかりが起こるように思える時もあるでしょう。
それでも未来がどうなるかは誰にも分かりません。
明るい未来への扉を開ける「合言葉」は、すでに自分自身の中にあるのです。
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さよなら素晴らしき日々よ 未完成なままの君を抱いて
聴こえてる 脈打つ鼓動がまだ見ぬ世界の扉を叩く
君だけのストーリーになる
≪またたき 歌詞より抜粋≫
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「さよなら」は悲しい別れの言葉。
しかし、ここでは過去との前向きな決別を意味しているように感じられます。
「素晴らしき日々よ」というフレーズも、「未完成なままの君」で生きてきた過去と「未完成なままの君を抱いて」進んでいく未来の両方を示しているように聴こえてきませんか?
「脈打つ鼓動」、つまり生きていれば「まだ見ぬ世界の扉」を開けるチャンスは、誰の前にも用意されているのです。
その扉を開いた時、そこから自分だけのストーリーが始まります。
そんな期待感を真っ直ぐな言葉で与えてくれるサビです。
未来への想いが新しい世界の扉を開く鍵
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立ち止まれば誰も見つけられずひとり
孤独を彷徨っているの?
オレンジの月は儚く寄り添うように道を照らしてる
君が望めば輝く未来見つけられる さあ行こう
≪またたき 歌詞より抜粋≫
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毎日を必死に生きるあまり、ふと立ち止まった時、周囲に支えてくれる人がいないことに気づいたという経験があるかもしれません。
笑い合ったり、気持ちを打ち明け合ったりできる相手がいない人生は、まるで「孤独を彷徨っている」ようです。
昇りたての「オレンジの月」は、そんな不安な心にも「儚く寄り添うように」地上を照らします。
『勿忘』で想いを花に例えたように、ここでは「君」への想いを月に例え、孤独を抱える心に寄り添って「輝く未来を見つけられる さあ行こう」と促していますね。
しかし、それは無条件に与えられるものではなく「君が望めば」と歌っています。
輝く未来へ進みたいなら、強く願い自分の足で前へ進まなくてはなりません。
簡単なことではないかもしれませんが、それが自分が開けるべき扉を見つけるために必要不可欠なことなのです。
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ごらんよ手のひらに隠した世界を
光る事をやめない想いを
ひとつひとつ並べて夜空に浮かべたなら 見えるさ
≪またたき 歌詞より抜粋≫
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「手のひらに隠した世界」と「光る事をやめない想い」は、どちらも未来に関係する言葉でしょう。
自分が思い描く未来の情景やこうなっていたいという夢や願いが、きっと誰の心の中にもあるはずです。
そうした未来への想いは、夜空に浮かぶ星のようにまだ見ぬ未来を照らし出してくれます。
つらく苦しい過去を嘆くよりも、希望ある未来を想像する。
現実がどうあれ、前向きな気持ちが明るい未来を引き寄せるという見方に勇気をもらえますね。
未完成なままでも輝く自分に出会える
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さよなら素晴らしき日々よ 未完成なままの君を抱いて
あふれてく光は奇跡のようだ その瞬き掴みたい 遠く遠く
行けるさシナリオを超えて 何度も何度も描けばほら
聴こえてる 脈打つ鼓動がまだ見ぬ世界の扉を叩く
君だけのストーリーになる
輝く君だけのストーリーになる
≪またたき 歌詞より抜粋≫
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「あふれてく光は奇跡のようだ」とあるように、未来を思い描いている時の心の中は、明るい気持ちで満たされます。
期待がまだ現実になっていなくても、想いがあるだけで遠くまででも進んで行く力が得られるでしょう。
「その瞬き掴みたい」という願いが叶うかは、今をどう生きるかにかかっています。
人は誰かが書いた「シナリオ」通りに生きるのではなく、自身の手で「何度も何度も描」いた未来」に目を向けて歩む時に初めて、本当の意味で自分自身の人生を歩んでいると言えるのではないでしょうか。
この楽曲は「未完成なままの君」でいることを否定していません。
むしろ未完成であることを肯定し、そのままの自分で未来へ向けて進んで行くよう背中を押してくれています。
完璧な人はいませんし、誰もが多くの失敗をし過去に苦悩するものです。
それでも、そこから「輝く君だけのストーリー」を綴っていくことができます。
『勿忘』では恋人との“過去”の思い出を忘れないことで前を向こうとしていましたが、『またたき』では“未来”を見つめることで前へ進む勇気が持てることを伝えています。
もしかしたら『またたき』は映画『花束みたいな恋をした』のその後、麦と絹の未来を描いているのかもしれません。
そう考えて聴くと、別々の道を選んだ二人が手を取り合うことはもうないけれど、互いの思い出を胸に笑顔でそれぞれの人生を歩んでいる姿が想像できるのではないでしょうか。
育んだ愛と涙ながらにした別れが糧となり、二人の未来は一層輝いていくはずです。
大切なのは過去の失敗や出会いへの感謝を忘れないことと共に、新たな出会いと希望が溢れる未来に目を向けること。
そうしていればきっと、今よりもっと輝く自分と出会えるというメッセージが心に沁みます。
「またたき」でもっとAwesome City Clubの魅力を感じよう
『またたき』は主人公であるAwesome City Clubが聴く人たちを「君」として、どんな過去があっても輝く未来に目を向けて今を生きる大切さを温かく教えてくれる楽曲です。『勿忘』も前向きな気持ちが伝わる楽曲でしたが、『またたき』はさらに目の前の未来をより良くしたいという希望に満ちています。
どちらも心にそっと触れるような温かみのある楽曲だからこそ、それぞれの歌詞に込められた意味とそれに合わせた歌声の違いに、また新たな魅力を感じることでしょう。
今後も精力的に活動する彼らの新たな音楽に注目してくださいね。
atagi PORIN モリシー 「眠れない街オーサムシティ。 夢を求め集うこの街に、 今日もオーサムミュージックが溢れ出す。 Awesome City Club 、 僕らが聴かせたい人達はこの街のどこかにいる。」 2013年東京にて結成。 POPS / ロック / ソウル / R&B / ダンスミュージック等、メンバー···