『はな恋』のインスパイアソング
「オーサム」こと『Awesome City Club』は、atagi、PORIN、モリシーからなる男女3人組アーティスト。彼らが2021年1月にYouTubeで公開した楽曲『勿忘(読み方:わすれな)』が、ある映画の世界観にぴったりだと注目されています。
その映画とは、有村架純と菅田将暉がダブル主演を務めた『花束みたいな恋をした』。
『勿忘』が映画の予告編に起用されていることから、映画のために書き下ろされた楽曲だと思っていた人も多いかもしれませんね。
しかし、『勿忘』は映画に感化されて制作された「インスパイアソング」なんだそう。
同映画への出演のオファーされ、メンバーの出演が決まります。
そして完成した映画をメンバーが見たときに感銘を受け、『勿忘』を書き上げたそうです。
映画にインスパイアされて作った楽曲であるからこそ、映画の世界観にぴったり合うということですね。
早速歌詞をチェックしていきましょう。
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例えば今君が その瞳濡らしていたとしても
呼ぶ声はもう聞こえない
絵の具を溶かすように 君との日々は記憶の中 滲んでく
≪勿忘 歌詞より抜粋≫
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こちらは冒頭の歌詞。
たった3行ですが、恋人同士であった2人が離れ離れになってしまったこと、そしてなんとなく未練が残っていることがわかりますね。
「あの花」とは?
まずはサビの歌詞をご覧ください。
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春の風を待つあの花のように
君という光があるのなら
巡り巡る運命を超えて
咲かせるさ 愛の花を 花束を
≪勿忘 歌詞より抜粋≫
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「花束」という単語が映画を彷彿とさせますね。
主人公の元恋人への思いが溢れる素敵なフレーズです。
それにしても、「あの花」とは一体何を指すのでしょうか?
春の風を待っているということは、春より少し前や春の早い時期に咲く花であると考えられます。
続いてヒントになるのが以下の歌詞です。
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願いが叶うのなら ふたりの世界また生きてみたい
あのキスから芽吹く日々
水色花びらはもう香りを忘れ 君への想い 枯れていく
散ってしまいそうな心に覚えたての愛の美しさを
≪勿忘 歌詞より抜粋≫
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あの花=水色の花のようですね。
これらを踏まえ、改めて「勿忘」というタイトルの意味を考えてみましょう。
あまり聞きなれない単語ですが、これはおそらく「勿忘草(わすれなぐさ)」という花を指していると解釈することもできます。
勿忘草とは、3~5月ごろに咲く水色の小ぶりな花。
つまり、歌詞に出てくる「あの花」とぴったり一致するのです。
タイトルも「勿忘」であることから、「あの花」は勿忘草なのではないかと考えられますね。
ちなみに、勿忘草の花言葉は「真実の愛」「私を忘れないで」。
別れても心のどこかで相手を思い合う2人にぴったりな花言葉です。
恋の行方を歌詞から考察
楽曲で描かれている2人は、一体どのような結末を迎えるのでしょうか?
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春の風を待つあの花のように
飾らない心でいられたら
触れられなくても
想い煩っても
忘れないよ
≪勿忘 歌詞より抜粋≫
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こちらは2回目のサビの歌詞です。
「忘れないよ」というフレーズからは、恋人であってもそうでなくても、相手のことを大切に思う主人公の気持ちが伝わってきます。
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この恋をひとつずつ束ねいて
君という光があるのなら
巡り巡る運命を超えて
咲かせるさ 愛の花を 花束を
≪勿忘 歌詞より抜粋≫
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「束ねいて」とは「何かをくくる」という意味。
これを元に1行目の意味を考察すると、「恋人との思い出を辿る」というような意味になるのでしょうか。
思い出を辿った先にまだ君への恋心や愛を感じることができたなら、一度は別れを選んだその運命すら乗り越えて一緒にいたい。
そんな気持ちが表現されているのかもしれませんね。
楽曲中で2人が結ばれることはありませんが、遠い未来に可能性を感じさせてくれます。
映画「花束みたいな恋をした」も必見!
切なくもどこか心温まるオーサムの『勿忘』。
楽曲に感動したという方は、ぜひ映画『花束みたいな恋をした』もチェックしてみてください。
映画と楽曲の相乗効果で、より登場人物に感情移入することができますよ。
また、Awesome City Clubは『勿忘』を収録したアルバム『Grower』をリリース済みです。
こちらもぜひ聴いてみてくださいね。
atagi PORIN モリシー 「眠れない街オーサムシティ。 夢を求め集うこの街に、 今日もオーサムミュージックが溢れ出す。 Awesome City Club 、 僕らが聴かせたい人達はこの街のどこかにいる。」 2013年東京にて結成。 POPS / ロック / ソウル / R&B / ダンスミュージック等、メンバー···