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嘘を食べて生きている私はろくな目に遭わないだろう。 アイナ・ジ・エンド「ワタシハココニイマス for 雨」[しゅかしゅんYUNA Urock! 第95回]

大阪☆春夏秋冬・YUNAの連載歌詞コラム[しゅかしゅんYUNA Urock!]。今月のテーマは「天気」。今回はCMでもお馴染みの、アイナ・ジ・エンド「ワタシハココニイマス for 雨」です。

大阪☆春夏秋冬のYUNA(ユウナ)です。

Urock!95回目になりました。


今月は『天気』というテーマでお届けしています。1週目2週目は‟晴れた日”にスポットを当てて選曲していましたが、今週は‟雨”を選んでみました。

電子マンガ・小説アプリ「ピッコマ」の新CMのために書き下ろされた楽曲。

アイナ・ジ・エンド「ワタシハココニイマス for 雨」

新CM「アメハナカラス」篇のために書き下ろされたCM映像は、有村架純さん演じるマンガ原作担当・花と、アイナ・ジ・エンドさん演じるマンガ作画担当・雨、仲野太賀さん演じるプロデューサー・カラスの3人が、雨の中で運命的な出会いを果たすストーリーとなっています。

この3つの関係性、そして‟雨”が降っているのはなぜなのか?

この先歌詞を紐解いていきたいと思います。

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絵の具で顔汚す これ少し心地いい
誰にもなれやしないさ
分かっているけど劣等感
まやかしにまやかされてばかり
ちっぽけ 本当の私
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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‟顔に泥を塗る”なんて言葉がありますが、本来なら自ら望まない事を意気揚々と、本来描く場所ではない所を好き勝手に汚す事に心地よさを感じるのではないでしょうか。

生きている中で自分に呆れて他の誰かを羨望してしまうなんてこと日々あります。

だから絵具で自分ではない何かを表現しようとするけれど、どれだけ自分を彩っても他の誰かにはなれないものです。

この気持ちは他の誰にもわかってもらえなんてわかっているけれど、劣等感を感じるばかり。

そしてそれを隠すように人目をごまかそうと見かけを似せて作り構え、何事にも強がり本当の自分を見せられなくなってしまうのです。

本当の私はちっぽけだと言う事。

それもまた自分だけが知っている特別なことで。

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でも
嘘で食べて 生きてる世界
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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そうは言ったもののこの世の中には嘘が溢れていて、それ無しで生き抜いていくのはどうも困難なのです。

誰かのための嘘や、自分のための嘘。

そうやって仕方なく嘘に噛みついては嘘に辿りついてしまう。

人の言葉を信じるかどうかなんて自分次第だし、自分の言葉を信じてもらえるかどうかも自分次第。本当は嘘なんてつきたくないけれど、嘘をついて上手く生き抜いている人を見るとなんだか悔しくなってしまう。

ああ、難しい。

私自身、昔からすぐに人を信じすぎてしまう癖があったのですが、一時期誰の言葉も信じられなくなったことがありました。

その優しさもどうせ嘘で、本当はそんなこと思っていないだろうなと感じてしまう日々。

裏で悪く言っていることを知ると、どうしてそんな言葉を発してくるのか不思議で仕方なくて。

せめて自分だけは正直に生きようとするけれど、正直すぎるとそれがまた空振ってしまうんですよね。

ああ、難しい。

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走り抜ける 行かなくちゃ 今
何が本当? わからないね
ノートに今日の失敗かいたって
つまづく明日もそう
きっとあるけど 抜け出そう
あぁ ワタシハココニイマス
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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沢山の人と沢山の嘘が入り混じる世界だけれど、自分だけに見える道を走り抜けるのです。

どんなことがあっても進まなくてはいけない。

だけどやっぱり何が本当かわからないせいで壁にぶち当たる。

正解がないせいで、誰に答えを求めてもそれが本当かどうかなんてわかるはずないのです。自分の今日を振り返って、失敗やできなかったことを書き出したとしてもどうせまた明日は違う何かでつまづいてしまう。

そんな誰もが感じる劣等感や過ちに対する後悔や反省を代弁してくれているような歌を聴くととても胸が熱くなります。

決して背中を押すようなポジティブが並べられているわけではないけれど、誰かに相談するわけでもない毎日感じる疑問や抱え込む気持ちが解消されるというか。

ワタシハココニイマスという自分の存在価値を証明をしてくれる歌だと感じます。

アイナさんのかすれた歌声は、激しくて情熱的だけど、上品でどこか優しさもあって、繊細で儚い。

私たちの人生のガムシャラさや世の中への叫びをそのまま表現してくれているようで、どうにか前を向いて頑張ろうと思える人生そのものを表すような歌声なのです。


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雨に打たれ踊る これ少し心地いい
星綺麗に見えるかなって
地べた寝転び 第六感
寂れたステップで立ち上がる
猫背のまま 見上げた
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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雨に濡れないために傘があり、人々はそれを求めますが、傘をささずにびしょ濡れになりながら踊る気持ち良さ、すごくわかります。

周りの人は傘をさしているけれど、自分だけずぶ濡れだと、まるで自分だけ異世界にいるようで。

もうどうにでもなっていい、どうにでもなりたいと思う瞬間ありませんか?

私自身、踊ることが好きということもあるかもしれませんが何にも変えられない悩みの解消法なんです。

いろんなものを体から振り払って抜け出していく感覚。

雨で感情を洗い流していくのってそれと似ているのかもしれません。

そして暗い気持ちのときはなぜか明るいものを求め、希望を探したくなると思います。ロマンチックになりたくて浪漫を感じたくて星空を見上げるのです。

全てをさらけ出し解放するように地べたに寝転ぶ。ソファや椅子があるのに結局地べたに座るのが落ち着いたりするのとおんなじで。

そこで少しの希望を手に入れ、寂れた足取りで立ち上がるのです。

転んでも立ち上がり前を向いている歌詞がなんだか花みたいですね。
このストーリーでは‟雨と花とカラス”という名前が使われていますが一体この3つは何を表しているのか、、、。

交わらない全く別の3つのようにも思えますが、本当は1人の人間が持っている感情に似たものなのかもしれません。

雨のように感傷的になりながらも、時に花のように咲き誇る。

カラスというのが、黒いカラスを示すのか花を枯らすの意味かによって‟アメハナカラス”というタイトルにも変化が出てきそうですが、これも一つの感情表現のように思えます。

そしてここの歌詞はなんだか‟花”に置き換えられるような気がします。

雨に打たれては花びらが揺れ踊り心地よさを感じる。

寝転ぶように地面に咲いてはいつも上を見上げている。

まっすぐ咲き誇ることはまだできないけれど、猫背のままでも必死に生きている。

なんだかそんな感じがしました。

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ここ
叫びたがってる 端っこで
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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叫びたがっているという自分ではない誰かの状況が書かれています。

自分の叫びを誰かに届けるためには、他の誰かの叫びも気付けるようになる必要があるのかもしれません。

自分がいる場所は決して真ん中ではないし、世界の端っこだけど誰かに届くと信じて叫び続けるのです。

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踊り抜ける 行かなくちゃ 今
ざわめく空 時が止まる
体なに一つ喋らない
嘘も何も吐けない
ずっと このまま明かしたい
あぁ 踊りたい
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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嘘に溢れた世界であるし、自分も嘘をついて生き抜かなければいけないと覚悟はしているけれど、なかなか嘘をつけないのです。

自分が嘘をついた時の罪悪感を覚えると、たとえ誰かを疑ったり不満を感じていたとしても、口を出せなくなりますよね。

喋ると嘘をついてしまうようで、怖くなり口が開かなくなるものです。

だから言葉無しに踊り続けて今日を明かしたい、そんな気持ちに

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うなだれている
潔白証明には
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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誰が嘘つきかわからないのに犯人探しなんて失望しますよね。

大事なのは誰が白で黒なのかではなくて、自分がどう生きていきたいかということなのかもしれません。

結局自分の人生を左右するのは自分でしかないのだから。


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いつか血を繋ぎ
人を増やしていくのに
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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これだけ嘘を軽蔑していても、いつかは人を生み出していくのも人なのがなんだかもどかしいですよね。

嘘を上手くこなしていくような人にはなって欲しくない思いと、埋もれずに上手く生き抜いて欲しいという思いが交差するのもまたもどかしくて。

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嘘を食べて生きている私は
死んだ後だって
ろくな目に遭わないだろう
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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1番では‟嘘で食べて”という歌詞が書かれていましたが、ここでは‟嘘を食べて”という歌詞が書かれています。

‟嘘で食べて”というのは嘘をついて生きていくという意味に捉えられましたが、‟嘘を食べて”というのは人に嘘をつくのか、人の嘘を飲み込んで正直に生きていく道を歩んでいるのかどちらなのでしょうか?

死んだ後にろくな目に遭わないと想像するくらいなので前者であると思われますが、人に嘘をつかれている私だからどうせ死んでもろくな目に遭わないだろうなという日常に対する叫びだとも考えられますね。

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走り抜ける 行かなくちゃ 今
何が本当? わからないね
ノートに今日の失敗かいたって
つまづく明日もそう
きっとあるけど 抜け出そう
あぁ 生き抜こう
≪ワタシハココニイマス for 雨 歌詞より抜粋≫
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この歌を通して伝えたい思いは、嘘をつくつかないということではなくて、どんな人だっていくつもの感情があり、いくつもの自分があるということではないでしょうか?

ワタシハココニイマスという証明は、他の誰かに対するものではなくて自分自身に対するもの。

見つけたもう1人の自分に向かって走り出すのです。

自分自身で存在価値を生み出しながら、この先もなんとか前を向いて走り抜いていきたいですね。



どうでしたでしょうか?

雨が降る日には走り抜けたくなってしまいそうで。

走り続抜いたそんなあなたともどこかで出会えますように。

ではまた。

You rock!!


しゅかしゅんINFO

【リリース】
●最新アルバム『BRAVE SOULS』CD発売中&配信中 

【イベント】
※国及び各都道府県からの要請に基づき変更となる場合もございますので、イベントの実施に関しましては各所ホームぺージ、SNS等でご確認の上、ご参加下さい。

●大阪☆春夏秋冬単独ライブ『∞ ~INFINITY~』
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[延期日程] 2021年6月9日(水)
[会場] 大阪・心斎橋BIG CAT
[時間] 開場18:00 / 開演19:00
[料金]
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※Tシャツ、サイン付きサインタオル、マスク、リハーサル体験 
《グッツ付きチケット(エリア自由席)》:¥10,000 +1ドリンク
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●『TOKYO IDOL NET presents アイドルカメラ部 写真展 猿島 2021』
[日程] 2021 年 5 月 22 日(土)~6 月 2 日(水)
[会場] 東京・原宿 FUJIFILM WONDER PHOTO SHOP 2F
[料金] 観覧無料
[写真展参加メンバー] 金澤有希(SUPER☆GiRLS)、廣川奈々聖(わーすた)、安藤咲桜、YUNA(大阪☆春夏秋冬)、沖口優奈(マジカル・パンチライン)、大和明桜(虹のコンキスタドール)

●『YATSUI FESTIVAL 2021』
[日程] 2021年6月19日(土)、6月20日(日)
[会場] 東京・渋谷 O-EAST / O-WEST / duo MUSIC EXCHANGE 他。配信あり。
※大阪☆春夏秋冬はどちらか1日出演。
INFO: yatsui-fes.co

【TV】
●カンテレ×BSフジドラマ『クロシンリ 彼女が教える禁断の心理術』
4月22日(木)スタート
毎週木曜深夜24:25~24:55 全8話
※RUNA出演

【ラジオ】
●ラジオ関西『ONEラジ!』
2021年5月21日(金) 21:00~21:30
※MAINA、EON毎月第3週準レギュラー出演。
▷公式HP

【BOOK】
●『おとめ失格』コミックス第1巻(5月14日発売)の帯にYUNA、RUNAが登場!!
【関連リンク】
▷MAGKAN
▷公式Twitter:@MAGGardenKansai
▷『おとめ失格』HP

●『IDOL FILE Vol.21 Morning Routine』
※ANNA掲載中!

●『Kyoto & Shiga Creative Life Magazine Leaf』6・7月合併号
※ANNA・MANA連載コラム掲載(ANNAラスト出演)

【WEB】
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<YouTubeタイトル> 大阪☆春夏秋冬 / 「Let you fly」 Dance Practice Video @LIVE HOUSE
▷視聴はこちら

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この記事を書いた人


YUNA(ユウナ)
1999年5月26日生まれ(双子座 /A型/一人っ子)

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5人組ガールズ ダンス&ヴォーカルユニット! 圧巻の歌唱力と、4人の個性溢れるコーラス&ダンスワークで、ROCK・ファンク・POPS・バラードと幅広い音楽を、歌とダンスで表現する驚きのパフォーマンス。音源だけでは満足できない、本物の LIVEアーティスト。 ▷大阪☆春夏秋冬オフィシャルHP ▷大阪☆···

この特集へのレビュー

女性

りまま

2021/05/21 03:18

アイナちゃんの世界観はBiSHの時と全く違うから違うアーティストとして捉えられて面白いです。歌詞の世界観ほんと違う。楽しく読ませてもらいました。

男性

黄色いカラス

2021/05/20 01:49

この曲、今日初めて聴きました。
リズムオタクなせいもあって歌詞より先にリフに興味がいってしまったけど。
土砂降りの雨っていつもザーッ!としか聞こえないけど、雨粒が落ちてるタイミングはバラバラで切り取ったらこんなリフみたいなリズムなのかも知れないとか考えたり笑

詩に目をやっても『嘘』がないと生きていかない反面『嘘』があることで生きづらさを感じながらそこから脱却したい気持ち。
親でも到底理解できないような100%が素の自分ではきっと生きづらいだろうし、少しの『嘘』で化粧してしまえば本当の自分を曝け出せなくてこれもまた生きづらい。
それでもなんとかやっていくしかないんだなって。
その「なんとかやっていくしかない」気持ちをこのリズムの上で代弁してくれたような気がするような曲。

実際には雨の中走りたくなることなんてないけど、それでも走り出したくなるほどの決心みたいなものをこの曲からは感じた。

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