ワンオク×エド・シーランの化学反応
グローバルに活躍するロックバンドONE OK ROCKが、2021年4月16日に新曲『Renegades』を配信リリースしました。
この楽曲は、世界的アーティストであるエド・シーランとの共作です。
以前からプライベートでも親交があったワンオクのTakaとエド・シーラン。
彼らの共演は2019年まで遡ります。
エド･シーラン初となる日本国内ドーム公演を敢行した『Ed Sheeran DIVIDE WORLD TOUR 2019』にて、ゲストとして登場したワンオクがオープニングアクトを務めました。
また、同年に開催されたワンオクの『EYE OF THE STORM JAPAN TOUR』には、逆にエドがサプライズゲストとして飛び入り参加しています。
2組のアーティストが絆を深めたことで生まれた『Renegades』。
Takaは、イギリス郊外にあるエド・シーランのプライベートスタジオ赴き、共同で制作を行いました。
エド･シーランから湧き出る楽曲のアイデアは枯れることがありません。
また、Takaが発する英語の美しさや、アーティストとしての対応力には驚かされます。
『Renegades』は、2021年4月23日に公開された映画『るろうに剣心 最終章 The Final』のために書き下ろされました。
主演を務める佐藤健とTakaは親友と公言する仲で、2021年4月1日に揃って事務所から独立するなど、芸能界で共闘する仲間でもあります。
『Renegades』は、Takaが築き上げてきた人との繋がりによって生み出された楽曲でした。
巨大勢力に立ち向かおうとする反逆者たち
今回は、Youtubeに公開されているOFFICIAL MUSIC VIDEOの日本語訳を引用しながら歌詞の意味を読み解いていきます。
----------------【和訳】
Got a fire in my soul
I've lost my faith in this broken system
Got love for my home
But if we cry is there anyone listening
≪Renegades 歌詞より抜粋≫
----------------
魂が燃えている
この壊れたシステムには絶望した
故郷は愛している
でも この叫びは届かない
『Renegades』は、独裁体制や支配力に対する若者の叫びを描いています。
この楽曲の中では、大きな権力が中央で指揮を執っているようです。
成長するにつれて、破綻した世界の裏側を突きつけられる若者達。
故郷を愛する気持ちは変わらないのに、彼らの訴える声は誰にも届きません。
----------------【和訳】
We're the forgotten generation
We want an open conversation
Follow me on this road
You know we gotta let go
≪Renegades 歌詞より抜粋≫
----------------
忘れられた世代
聞かれた対話を求めて
共に進もう
解放しよう
まるで最初から存在がなかったような扱いを受ける若者達。
剣心達に通ずる力強い歌詞
----------------【和訳】
For all of the times
That they said it's impossible
They built the hurdles
The walls and the obstacles
When we're together you know we're unstoppable now
≪Renegades 歌詞より抜粋≫
----------------
彼らはいつも障害を作り
”それ”を不可能だと言う
でも一つになった僕らは止められない
何かをやろうにも、大人たちは動き出す前から不可能だと決め付け、若者の邪魔ばかりしようとします。
しかし、そんな牽制では、一丸となった若者達を止めることは出来ません。
この部分の歌詞は、『るろうに剣心 最終章 The Final』の内容と重なるところがあります。
ある出来事のせいで、主人公の剣心に対する憎悪を膨らませた雪代縁。
彼は、剣心を討つために上海で闇社会の頂点を極めるのでした。
しかし、そんな圧倒的勢力に対しても、剣心達が屈することはありません。
----------------【和訳】
I'm not afraid
To tear it down and build it up again
It's not our fate
We could be the renegades
I'm here for you
Are you here for me too?
Let's start again
We could be the renegades
≪Renegades 歌詞より抜粋≫
----------------
僕は恐れない
破壊も再生も
その運命をも拒む
僕らは反逆者だ
僕は君のためにいる
君は僕のためにいるのかい？
なら やり直そう
僕らは反逆者だ
この楽曲で描かれている若者達は、リスクを伴ったとしてもこの現状に変革を求めています。
反逆者だと呼ばれようが、彼らは喜んで受け入れる覚悟です。
仲間同士でお互いの存在意義を確かめ合いながら、その絆をさらに深めていきます。
そして、改めて巨大な組織と戦う覚悟を決めるのでした。
自分で考えて選択し、行動する大切さ
----------------【和訳】
They've been holding us down
They've been telling us to change our voices
But we're not part of that crowd
We made our bed and we'll make our own choices
≪Renegades 歌詞より抜粋≫
----------------
抑えられてきた
発する声さえも縛られてきた
でも僕らは彼らと違う
自分の道は自分で選ぶ
自我が芽生えて自己主張をしても、大人にとって都合が悪ければ口をふさがれる世界。
敷かれたレールを歩けば、失敗はしないかもしれません。
しかし、人生の分岐点で本当にやりたいことに蓋をしていけば、必ず後で後悔が残ります。
どんな形であれ、自分の気持ちに正直に生きていくエネルギーを持つことが出来るのは、若者の強みではないでしょうか。
----------------【和訳】
We may be underestimated
But I know one day we will make it
Time to say it out loud
We are young and we're proud
≪Renegades 歌詞より抜粋≫
----------------
たとえ みくびられても
いつか見返してみせる
今こそ声を上げる時だ
誇り高き若者たち
何かに挑もうとする時、周りに馬鹿にされようが、気にする必要はありません。
そんなからかいは、失敗を恐れてやりたいことに挑戦することすら出来なかった人達のねたみの声なのです。
若い頃は「何者でもない自分」に不安を感じるかもしれません。
しかし、それは言い換えれば「何者にでもなれる」ということです。
勇気を出して声を上げれば、挑戦する若者を取り巻く環境は変わってゆくはずですよ。
----------------【和訳】
Take a deep breath close your eyes and get ready to fly
≪Renegades 歌詞より抜粋≫
----------------
深く呼吸し 目を閉じて
飛ぶための準備をするんだ
このパートの歌詞から、むやみやたらと社会に逆らおうとしているわけではないことが分かります。
怠惰な生活を送っている人が、急に自分にとって都合の良い主張をし始めても、それはただのクレーマーです。
何かを成し遂げたいなら勝負の当日だけでなく、それまでの毎日の時間の過ごし方が重要になってきます。
そして言わずもがなですが、いつか立ち上がる時のために、虎視眈々と準備を続けることは決して楽なことではありません。
心を落ち着けて自分と向き合おうとする姿勢は、静かなエネルギーを沸々と感じさせます。
存在感たっぷりなメッセージソング
意外にも、『Renegades』は非常にシンプルなメッセージソングでした。
音楽の中には静と動がハッキリと刻み込まれ、言葉の素直さが聞き手の心へとダイレクトに刺さります。
サビまでの繋ぎのような箇所がひとつもなく、Aメロから胸を掴まれるような存在感が漂っています。
『Renegades』の歌詞は、一部の大人にとって都合良く機能している現代社会にも重なります。
腐らずに状況を見極めながら、自分の頭で考え行動することが、ますます必要とされる社会になっていくでしょう。
『Renegades』には、自分の芯を見失わずに生きていくためのヒントが隠されているのではないでしょうか。
2005年にバンド結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。 2007年にデビューして以来、全国ライブハウスツアーや各地夏フェスを中心に積極的にライブを行う。 これまでに、武道館、野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナ···
