サビが印象的なAKINOが歌う曲、『創聖のアクエリオン』。同名のロボットアニメ主題歌です。このロボットアニメは、続編シリーズも作られたヒット作。そして、印象的なオープニング主題歌は、アニメ本編以上に知られています。もともと主題歌の評価は高かった作品ですが、パチンコ化でより広く知られるようになりました。
公開日:2016年2月9日
サビが印象的なAKINOが歌う曲、『創聖のアクエリオン』。同名のロボットアニメ主題歌です。このロボットアニメは、続編シリーズも作られたヒット作。そして、印象的なオープニング主題歌は、アニメ本編以上に知られています。
作曲は菅野よう子。『カウボーイビバップ』『マクロスF』などのアニメ楽曲から『花は咲く』といったNHK震災復興テーマソングまで幅広く作曲しているベテラン。
作詞は岩里祐穂。数々のアニメ、特撮主題歌、今井美樹や布袋寅泰、坂本真綾からももクロまで幅広く作詞を手がけているベテランです。この主題歌の歌詞は本編アニメが完成する前の企画段階で書かれました。にも関わらず、見事にアニメ本編の世界観を反映しています。
“一万年と二千年前から 愛してる 八千年過ぎた頃から もっと 恋しくなった
一億と二千年あとも 愛してる 君を知った その日から 僕の地獄に 音楽は絶えない”
やはりサビのフレーズが印象的。「一万年と二千年前から愛してる」という壮大なフレーズは、普通のポップスではまず見ることがありません。アニソンとしても珍しいでしょう。このフレーズが優れているのは、「一万二千年前」とせずに「一万年」と「二千年前」と分けたところ。1、2という数字のリズムがあり、さらに「まんねん」、「せんねんまえ」とanen、enenaeと似た音の響きでリズムを作っています。このリズムの良さで歌詞が耳に残りやすくなっているんですね。もちろん聴き取りやすいAKINOの歌唱力ありきです。
「八千年過ぎた頃からもっと恋しくなった」ここも壮大。一万年、二千年がともに「i」の音なのに対し、八千年は「a」の音の始まり。さらに「ハッ」と発音するので、聴くほうも「ハッ」とさせられるのです。試しに五千年や九千年などで歌ってみると、いまいちリズムがハマらない感じがするのが分かります。
「一億と二千年あとも愛してる」一億というまたとてつもない数字が出てきます。アニメだからそのスケール感が成り立つんですね。
「君を知ったその日から僕の地獄に音楽は絶えない」このフレーズもすごいですね。歌詞の「僕」が存在するのは地獄と表現されるような場所。しかし、愛ゆえにそんな地獄のような環境にすら音楽が絶えまなく流れる。高音域を力強く歌う曲ですが、ラストは静かに、切ないフレーズで終わります。勢いだけで終わらせず、この切ない終わり方だからこそ余韻が残るんですね。
アニメ本編は基本シリアス展開にも関わらずツッコミどころ満載で、尚且つ最後には不思議な感動があるという独自の作品です。ゆえにこの壮大で勢いがあり、かつ切ない主題歌はしっかりハマっているのです。
“君がくり返し 大人になって 何度も 何度も 遠くへ行って”
ここの「君がくり返し大人になって 何度も何度も遠くへ行って」のフレーズも良いですね。アニメ自体が「生まれ変わり」をテーマにしています。繰り返し大人になるというフレーズでそのテーマを表現。
“一億と二千年たっても 愛してる”
ラストで「一億と二千年あとも」が「一億と二千年たっても」に変化しています。より「愛してる」の意識が明確になるんですね。
この曲は、2014年2月に日本レコード協会リリースで配信のミリオンが発表されました。楽曲が発表されたのが2005年なので、長く愛されていることが分かります。優れた楽曲は何年たっても、もしかしたら一億と二千年たっても長く愛されるんですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)