それでもぶっちゃけ大好きなのは?
「それでもぶっちゃけ大好き」というのはサビの歌詞ですが、誰に向けた「大好き」なのでしょうか。
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なんか違う… それでも
ぶっちゃけ大好き 顔が良いから大好き
有名だから大好き みんな好きだから大好き
君の性格 大好き よく知らないけど大好き
どうぞ もっと痛くしていいよ
≪ラヴィット 歌詞より抜粋≫
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サビの歌詞では、「顔が良いから大好き」「有名だから大好き」「よく知らないけど大好き」という言葉が出てきており、歌詞の主人公は、相手を知った上での好意ではなく、顔の良さという表面的な魅力や、有名度という他者からの評価で好きになっているということが分かります。
「それでもぶっちゃけ大好き」なのは、片思いの相手とも捉えられますが、「有名だから大好き」という歌詞が少し気になります。もしかしたら、恋愛ではなく、芸能人などの推しに対する愛を歌っているのかもしれません。
「月を見上げ幸せそうなラヴィット」という歌詞の意味
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I love it 味の無い キャロット美味しく頬張り
I love it 自分のいない 月を見上げ幸せそうなラヴィット
≪ラヴィット 歌詞より抜粋≫
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先ほど紹介したサビの続きは、「i love it」という言葉から始まっており、曲名の「ラヴィット」と発音がそっくりなので、おそらくかけられているのでしょう。
また「味の無いキャロット」という表現からは、どこか虚しさが感じられます。
自分が良いと思って選んだのではなく、「有名だから大好き」という歌詞と同じように、キャロットも、ウサギの好物として有名だという周りの評価に流されて選んだのかもしれませんね。
そして気になるのは、「自分のいない 月を見上げ幸せそうなラヴィット」というフレーズです。
‟ウサギが月に住んでいる”という有名な言い伝えがありますが、この言い伝えを踏まえて歌詞を解釈すると、‟一般的にウサギが住んでいるとされる月という場所に自分がいない”ということを喜んでいる表現だと捉えられそうです。
片思いの相手もしくは推しを、周りの評価で好きになってしまう主人公ですが、月にいないという普通ではない状況を喜んでいるあたり、本当は周りの評価ではなく自分の意志で好きになってみたいと思っているのかもしれません。
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I love it 恥のスパイス 苦い シロップを舐め取り
I love it ありもしない 羽を広げ 夜空へ落ちてったラヴィット
≪ラヴィット 歌詞より抜粋≫
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再度「i love it」から始まる歌詞がありますが、「羽を広げ 夜空へ落ちてった」という表現が出てきます。
これは、月に向かおうと飛んだものの、たどり着けなかったという描写ではないでしょうか。
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あなたを信じていいかな?
泣き腫らした赤い目で 偽の愛に病む その度に
甲斐甲斐しく「生まれてきてよかった。」と
胸を張って言えないけど この想いを伝えるために
≪ラヴィット 歌詞より抜粋≫
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続きの歌詞では、「偽の愛に病む」という言葉が出てきます。周りの評価に流されて好きになっても、それは偽の愛であり、満たされないという意味だと解釈すると、月へたどり着けずに落ちてしまったのも納得できるように思います。
周りの評価に従って月に行くのではなく、月を見上げる地上で自分の意志で愛していこうというメッセージなのかもしれません。
おおしま兄妹のしゅんを始めとするTikTokでの流行
『ラヴィット』は、若者を中心に人気を集めるおおしま兄妹のしゅんがTikTokでカバー動画を投稿するなど、TikTokでも話題となりました。
TikTokで流行っている「付き合って〇〇」の動画でも、『ラヴィット』がよく使われています。
人気のあるTikTokerがイケメンであることや、TikTokの短い動画で流行が生まれたことを踏まえると、『ラヴィット』がTikTokで流行したことは、歌詞の「顔が良いから大好き」「有名だから大好き」「よく知らないけど大好き」というフレーズどおりの現象だと言えるでしょう。
TikTokで話題になったことで、より歌詞がリアルに感じられ、音楽が味わい深くなったのではないでしょうか。
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I love it あなたを信じていいかな?
I love it 一生 か弱いウサギでいいの?
I love it 味の無い キャロット美味しく頬張り
I love it 価値のない 宝物を抱えながら
I love it 恥のスパイス 苦いシロップを舐め取り
I love it 自分のいない 月を見上げ幸せそうなラヴィット
≪ラヴィット 歌詞より抜粋≫
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最後の歌詞には、「一生 か弱いウサギでいいの?」というフレーズが出てきます。周りの評価に流されて偽の愛に病むような、か弱いウサギから脱却しようよ、と背中を押してくれる楽曲だと言えるでしょう。