RGBと三原色で描く繋がりのあたたかさ
ahamo CMソングである『三原色』はahamoのコンセプト「つながりによろこびを」をもとに書き下ろされた小説『RGB(小御門優一郎 著)』を原作に、Ayaneが作詞作曲し、ikuraが歌う楽曲となっています。
小説のタイトルである『RGB』は、光の三原色「赤(Red)」「緑(Green)」「青紫(Blue violet)」で構成される色を指す言葉です。曲名の『三原色』と小説名の『RGB』は同じ意味だということですね。
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どこかで途切れた物語
僕らもう一度その先へ
たとえ何度離れてしまっても
ほら繋がっている
≪三原色 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞は「どこかで途切れた物語」という言葉から始まります。
原作の小説『RGB』は、些細なことがきっかけで疎遠になっていた3人の幼馴染が大人になって再会を果たす物語ですので、「途切れた」というのは「疎遠になった」という意味だと捉えられるでしょう。
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それじゃまたね
交わした言葉
あれから幾つ朝日を見たんだ
それぞれの暮らしの先で
あの日の続き
再会の日
≪三原色 歌詞より抜粋≫
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幼い頃は一緒に遊んでいた3人ですが、疎遠になってからは、それぞれが自分たちの人生を歩んできたことになります。
「それぞれの暮らしの先で」という歌詞は、3人が別々に歩んできた日々を表しているのでしょう。
これまで3人が見てきた景色は異なりますが、友情は簡単には消えず、再会の日が訪れます。
人との繋がりのあたたかさが表現された楽曲だと言えるでしょう。
甘酸っぱさの詰まった青春群像劇
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待ち合わせまでの時間がただ
過ぎてゆく度に胸が高鳴る
雨上がりの空見上げれば
あの日と同じ様に
架かる七色の橋
≪三原色 歌詞より抜粋≫
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「胸が高鳴る」という歌詞が気になりますね。
小説では、3人の幼馴染の名前はR・G・Bとなっており、Gだけが女性で、主人公RがGのことを意識しているという描写があります。
しかし、小説ではGは指輪をつけており、主人公Rの想いは叶いません。
単なる幼馴染ではない、甘酸っぱい関係性が楽曲に彩りを与えていると言えるでしょう。
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気づけば空は白み始め
疲れ果てた僕らの片頬に
触れるほのかな暖かさ
あの日と同じ様に
それぞれの日々に帰る
≪三原色 歌詞より抜粋≫
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後半の歌詞には、「疲れ果てた僕らの片頬」という表現があり、疲れ果てるほど遊んだ様子が伝わるようです。
まさに青春ですね。疎遠であっても、大人になっても、昔の記憶が薄れても、幼い頃のように疲れ果てるほど遊べる彼らの関係性が魅力的に輝く歌詞だと感じます。
彼らはまたそれぞれの日々に帰りますが、いつでも再会すれば笑い合えるのでしょう。
色をふんだんに使った鮮やかな歌詞
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いつか見上げた赤い夕日も
共に過ごした青い日々も
忘れないから
消えやしないから
緑が芽吹くように
また会えるから
≪三原色 歌詞より抜粋≫
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終盤の歌詞には、赤・青・緑という言葉が登場します。
「赤い夕日」や「緑が芽吹く」など具体的な表現もあれば、「青い日々」という抽象的な表現もあり、目に見えるものも見えないものも、色を使って表現しているのがとても素敵な歌詞です。
小説でも、空にかかった虹をはじめ、色を使った表現が多く登場していたので、著者の世界観を引き継いだ歌詞となっているのではないでしょうか。
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物語は白い朝日から始まる
「また明日」
≪三原色 歌詞より抜粋≫
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歌詞の最後は「白い朝日」という表現になっています。「白い朝日」の意味を探るために、「朝日」を使った表現を遡ってみましょう。
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ねえここまで歩いてきた道は
それぞれ違うけれど
同じ朝日に今照らされてる
また重なり合えたんだ
≪三原色 歌詞より抜粋≫
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この歌詞では、「朝日」という言葉が出てきており、「また重なり合えたんだ」というフレーズが続きます。
MVの動画では、この歌詞のシーンで3人が重なり、白く光ります。
三原色について調べてみたところ、三原色というのは重ねると白になるという性質があるようです。
「白い朝日」という歌詞は、三原色の性質を取り入れ、3人の幼馴染が再会して笑い合えることの尊さや、繋がり合うことの大切さを表現しているのでしょう。
YOASOBIの楽曲は、原作小説の世界観を崩さず、より魅力的に仕上げてくれる感覚があります。
この先も素敵な曲たちが生み出されるのだと思うと、ファンとして楽しみです。『三原色』は通常盤が配信リリースされているだけでなく、英語版も配信リリースされていますので、ぜひそちらもあわせて味わってみてください。