人気番組から誕生したユニット
Dream5は5という数字が示すように5人組ダンスボーカルユニット。女子4、男子1という珍しい構成です。E-girlsにDreamというグループがいますが、そことは全く関係はありません。Dream5はもともとNHK教育の番組「天才てれびくんMAX」から生まれたユニット。それもあり、アニメとの親和性が高いです。
『ようかい体操第一』はそんなDream5の最も知られている曲。言わずと知れた大ヒットアニメ「妖怪ウォッチ」主題歌です。紅白歌合戦でも披露されたので、多くの人が耳にしたことがあるでしょう。
耳に残るフレーズがクセになる！
この曲の作詞は高木貴司とラッキィ池田。高木貴司は音楽プロデューサーでアニメ「イナズマイレブン」の音楽なども手掛けています。ラッキィ池田は振付師。この曲の独特な振付を担当しつつ、作詞にも絡んでいたんですね。
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ようかい体操第一!
ウィッスッ!
ヨーでる ヨーでる ヨーでる ヨーでる
ようかいでるけん でられんけん
ヨーでる ヨーでる ヨーでる ヨーでる
ようかいでるけん でられんけん
ローイレ ローイレ 仲間にローイレ
友だち大事!
妖怪 妖怪 妖怪
ウォッチッチ!!
カイ カイ キイ キイ
クイ クイ ケイ ケイ
来い 来い 妖怪
ウォッチッチ!!
≪ようかい体操第一 歌詞より抜粋≫
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この曲はまず出だしの導入が良いです。「ようかい体操第一！」という号令のあとに「ウィッスッ！」という返事が入ります。これはメインキャラ、ウィスパーの口癖にかけているのは勿論、それ以上に曲に入りやすくなる要素。
この返事が「はい！」や「イエス！」だと真面目過ぎるイメージになり、「オス！」や「オウ！」だと体育会系過ぎる、力強過ぎるイメージになります。
「ウィッスッ！」とすることでウィスパーのとぼけたイメージも加わって、聴き手が「ちょっくら体操してみるか」という気分になるんですね。さらに歌詞上では、わざわざ「ッ」を表記。これで勢いをつける効果まで出ます！
様々な音楽と融合していた？
この曲の「ようかいでるけん でられんけん」の部分は長崎のわらべ歌『でんでらりゅう』と似ています。「でてくるばってん でんでられんけん」と歌う『でんでらりゅう』。「でるけん」も「でられんけん」も長崎弁。妖怪が出るので（外に）出られないの意味ですね。
「ヨーでる」は妖怪が「よう出る＝よく出る」。さらに「出るよ」のもじり。「ローイレ」は妖怪を仲間に「入れろ」のもじりです。ここが面白いのは、レベル5公式のマイコが歌うバージョンでよく分かるのですが、ヨーデルの歌唱をかけていること。
「ローレイヒ～」と歌うヨーロッパのアルプス地方発祥の歌唱法ヨーデル。「よう出る」とヨーデルをかけて、歌い方にもそのヨーデルの要素を入れ、歌詞と歌唱ともに遊びを作っているんですね。
「カイ カイ キイ キイ クイ クイ ケイ ケイ 来い 来い 妖怪 ウォッチッチ！！」も「かきくけこ」に、常識では考えれない不思議なことを意味する「怪怪奇奇（かいかいきき）」をかけています。
リズム感よく進んでいくのであまり意識しないところですが、きちんと妖怪を連想させる要素が含まれているんですね。しかもすべて「い」の音でつなげている徹底ぶり。
細かく考えられていた歌詞
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ウォッチ! 今何時?
(一大事!)
≪ようかい体操第一 歌詞より抜粋≫
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妖怪のせいになる現象を歌っていくパート。「ウォッチ！今何時？」の後は「一大事！」「辛いぜ マジ！」「いけるぜこの味！」と全て「じ」の音にそろえています。
サビで印象的な「友だち大事！」のフレーズも「じ」の音で、「ウォッチ」だけに「時（じ）」をかけていることが分かります。実は「今何時？」と聞いているのにまったく時間を答えていない歌詞。それでも違和感なく聴けてしまうのは「〇〇ジ」と時間の表現と音をそろえているから。
さらに変化をつけるパートのみ「クソタイム！」と意外性を入れてきます。ここは「〇〇ジ」と答えていないけれど「タイム」と言っているので時間の返答になっているんですね。
この曲はこういた遊び心満載の歌詞に、さらに遊び心満載の振付がつきます。バカバカしく見えて、実は非常に考えられている歌詞。ヒットしたのも納得ですね。
TEXT 改訂木魚（じゃぶけん東京本部）
