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¿?shimon「偽物人間40号」の歌詞の意味を考察!v flowerの悲痛な歌声に込められた思いを探る

¿?shimonが2021年6月5日に新曲『偽物人間40号』を公開。ボーカロイドを使用した作品は今回でまだ6作品目ですが、公開から2ヶ月で新曲のYouTube再生回数が56万回を超え、話題となっています。その歌詞の意味に迫ります。

歌詞の主人公は偽物人間40号

曲名が『偽物人間40号』となっていますが、偽物人間というのは作詞作曲を手がけている投稿者¿?shimonの造語だと考えられます。

偽物人間というのは、どういった存在なのでしょうか。

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メーデーメーデー
嫌になるわほんとさ
まだジャンキーなままで
≪偽物人間40号 歌詞より抜粋≫
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歌詞の冒頭で登場する「メーデーメーデー」とは、航空機や客船などで、多くの人命が危険な状況に晒されたときに出す救難信号で、「助けて」という意味の言葉です。

また、「ジャンキー」という言葉も出てきますが、これは「中毒者」という意味です。歌詞の主人公は薬物や酒、タバコなど依存性のあるものの中毒になっている状態なのかもしれませんね。

助けを求め、嫌になって、中毒になっている姿には、泥臭い人間らしさを感じます。

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絶え間なく
流れ込んだ
忘れたい過去が
漏れ出すオイル
自傷に堕ちる
プラグを抜いて
終わらせてしまおうか
≪偽物人間40号 歌詞より抜粋≫
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一方で、「溢れ出すオイル」や「プラグを抜いて」という歌詞は、まるで人間ではなく機械かのような表現です。

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メーデーメーデー
ゴミ溜まりへ向かう様な
ファンキー(笑)人間なんで
愚かな人造人間なんで
≪偽物人間40号 歌詞より抜粋≫
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歌詞には、ファンキー人間や人造人間という言葉も出てきます。人間的な表現と、ロボット的な表現が混在していますね。

歌詞の主人公である偽物人間は、自分をロボットや人造人間に例えるほど、周りに馴染めない存在、異質な存在だと感じている。

一方で、そんな自分に嫌気が差し、助けを求める‟人間”なのではないでしょうか。

フランケンシュタインの物語による解釈



歌詞に人造人間が出てきましたが、人造人間で有名なのは、フランケンシュタインの物語ですよね。

¿?shimonは『フランケン』という楽曲も投稿しているので、何か思い入れがあるのではないかと思い、フランケンシュタインの物語について調べてみました。

物語は、化学と錬金術によって醜い怪物フランケンシュタインが創造されたことから始まります。フランケンシュタインには、豊かな感情があるものの、その外見の醜さからいつしか孤独に。

しかし、どうにか自分と同じ存在と人生を分かち合いたいと、さまよい歩き続けるというとても悲しい物語です。

出会う全ての人間に拒絶され、絶望し、最終的に自死をほのめかして姿を消し、物語は終わります。

物語の内容を踏まえた上で、『偽物人間40号』の歌詞を見てみましょう。

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嗚呼知ってる使い倒された言葉使ってみたって
あの人の様にはなれないのです
戯れ言も
至極真っ当さ
然れど痛い日々だ
所詮僕は偽物さ
壊れる前に壊してしまう前に
≪偽物人間40号 歌詞より抜粋≫
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人と同じ言葉を理解できても、本物の人間にはなれず、拒絶されてしまうフランケンシュタインの姿に重なるように思います。

「痛い日々」や「所詮僕は偽物さ」という歌詞からは苦しさが感じ取れそうです。

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曖昧な自分のことは嫌いだし
嗚呼あんたにゃ分からないんだって思ってる
ほらやっぱりやっぱりつまんない
燦然と輝く筈だった
あの日描いた未来は来ない
≪偽物人間40号 歌詞より抜粋≫
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「曖昧な自分」は「人になりきれない自分」を表現しているのかもしれません。

歌詞の主人公は、周りの人たちに理解してもらえないことに絶望し、生きていくことがつまらなくなってしまっているように見えます。

作詞作曲を手掛けた¿?shimonは、誰にも理解してもらえない苦しみを抱えており、人間に馴染めない偽物人間に自分を重ね合わせて表現したのではないでしょうか。

後日公開された「人間?」の意味



偽物人間40号』が公開された後に、¿?shimon本人が歌う『人間?』という楽曲が公開されました。

曲のテイストや歌詞、歌い方を含めて、かなりダークな世界観。

¿?shimonは、ボカロ作品の他に自身が歌うラップ調の楽曲をいくつか公開しています。

ポップなテイストが中心のボカロ作品に比べると、どれもダークで暗い印象を受けます。

‟偽物”という言葉が外れ、『人間?』という曲名になっていることから、¿?shimonにとって、自身が歌うラップ調の楽曲の方が自身をありのまま表現できる方法なのでしょう。

一方で、今まで公開したボカロ作品は、ポップなテイストだったので、自分の声ではなくボーカロイドの声を使うことで、自身とは少し距離をおいた表現をしていたのかもしれません。

『偽物人間40号』は、今まで公開したボカロ作品に比べてロックな曲調で、歌詞にダークな世界観が感じられました。

ボーカロイドの声を使って自分との距離をおくのではなく、ボーカロイドの声を使って自分自身を表現する術を身につけたのではないでしょうか。

『偽物人間40号』でv flowerの声が非常に生々しく、悲痛な叫びのように聴こえるのは、v flowerがボーカロイドとしてではなく、¿?shimonという人間の代弁者として使用されたからなのかもしれません。

この特集へのレビュー

男性

神の領域

2021/08/27 19:50

とても好きな曲なのに、あまり歌詞の意味は考えてなかったのでありがとうございます。

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