多彩な女優・柴咲コウ
女優・柴咲コウはその歌唱力から歌手活動も精力的に行っていますが、過去に一度だけ「柴咲コウ」ではなく、ある映画の役名で楽曲を発表した事があります。それが、映画「黄泉がえり」で劇中歌・主題歌として使用された「月のしずく」です。「RUI」という役の名義で発表されたこの曲ですが、2003年1月に発売された時点で「RUI」の正体は明かされていませんでした。
明かされるRUIの正体
しかし曲に注目が集まるにつれ、少しずつ彼女の正体が明らかになったのです。そんな経緯もあり、今日実力が折り紙つきの歌手として彼女は世間に認知されています。草彅剛・竹内結子主演の映画「黄泉がえり」。同映画で彼女は歌手「RUI」として出演しています。
実はこの配役、柴咲コウの歌手デビュー作「Trust my feelings」をラジオで聴いた監督が、彼女を大抜擢したことで実現したんだそうです。彼女の歌唱力は、先の活躍や名声までも引き寄せたのでした。
そして、この曲の歌詞。これがさらに魅力を際立たせているんです。
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「逢いたい…」と思う気持ちは
そっと 今、願いになる
哀しみを月のしずくが 今日もまた濡らしてゆく
下弦の月が 浮かぶ
鏡のような水面
≪月のしずく 歌詞より抜粋≫
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幻想的な歌詞ですが、「逢いたいと願わずにはいられない。哀しくて涙が出るわ。欠け行く月のような命が水面に浮かぶみたいに儚く鼓動しているの」という、とても真っ直ぐな歌詞なのです。
古典的な日本語の美しさのなかに、誰もが共感できる歌詞。
これって、まるで百人一首のようです。そして劇中歌という事もあり、映画の内容にピッタリの歌詞に仕上がっています。
ちなみに「RUI」という役名は、泪(涙)から取ったのだそうです。この曲では「月のしずく」は泪を意味しているので、とても凝ったネーミングだと言えますね。
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「黄泉がえり」とは…
「黄泉がえり」はもともと、1999年に発表された梶尾真治の小説で、死んだ人が黄泉から帰って来るという意味を込めてタイトルが付けられました。熊本市およびその周辺(映画では熊本県阿蘇地方)で、死んだ人が蘇ってくるという超常現象をベースに、人々の絡み合いを描く物語で、主人公の草彅剛と竹内結子、柴咲コウ等が出演。
まだあどけない市原隼人や長澤まさみ等も出演しています。RUIの楽曲も「月のしずく」の他に2曲聴く事ができるので、各自ハンカチをご用意の上、是非観てみて下さいね!
月のしずく 歌詞
TEXT:rie-tong