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【歌詞コラム】川をどう見るか。AKB48『RIVER』と美空ひばり『川の流れのように』

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AKB48『RIVER』は2009年の曲。AKBがはじめてオリコン1位を獲得した記念すべき曲です。AKBは2016年の今でこそ1位を獲るのが当たり前のポジションについていますが、この曲までは決して順位が安定していたわけではありません。であるがゆえに、初期のこの頃までの雰囲気を好むファンも存在します。良くも悪くも、この曲以降AKBは拡大し続けていくのです。

公開日:2016年3月9日 更新日:2017年5月30日




AKB48『RIVER』は2009年の曲。AKBがはじめてオリコン1位を獲得した記念すべき曲です。AKBは2016年の今でこそ1位を獲るのが当たり前のポジションについていますが、この曲までは決して順位が安定していたわけではありません。であるがゆえに、初期のこの頃までの雰囲気を好むファンも存在します。良くも悪くも、この曲以降AKBは拡大し続けていくのです。

『RIVER』「川を渡れ!!」と歌う曲。この当時ならではのAKBの勢いが、歌詞の「!」の多用に反映されています。作曲は井上ヨシマサ。作詞はAKBのプロデューサーである秋元康。

秋元康はかつても「川」をモチーフにした名曲の作詞をしています。それが美空ひばりの代表曲の一つともいえる『川の流れのように』。美空ひばりの曲は川を縦に見て、人生の流れを表現しています。



“ああ 川の流れのように ゆるやかに いくつも 時代は過ぎて
ああ 川の流れのように とめどなく 空が黄昏に 染まるだけ“


この曲における川とは、大きな人生の流れ。それは越えていくものというよりは、流れに身を任せるもの。大ベテランで、昭和を代表する美空ひばりだからこそ、この曲が生まれたとも言えるでしょう。ちなみにこの曲はAKBメンバーの演歌歌手、岩佐美咲によりカバーされています。



対してAKBの曲『RIVER』は川を横に見て、乗り越えるべき障害として表現しています。MVでもメンバーが川を渡る姿が描かれます。

“行く手 阻む River! River! River! 横たわる River!
運命の River! River! River! 試される River!”


川は、行く手を阻む、横たわる、運命の、試される川。前半はラップで表現されるこの曲において、川とは超えていくものなのです。

“君の目の前に 川が流れる 広く 大きな川だ
暗く深くても 流れ速くても 怯えなくていい
離れていても そうだ 向こう岸はある もっと 自分を信じろよ”


サビのメロディ。「暗く深くても」「流れ速くても」「離れていても」という川の描写。川とは人生における障害、妨げの象徴。暗く深いのは自分達の不透明な未来。流れが速いのは、目まぐるしく変化する自分達の状況。そして離れているのは自分達の目標。そういったものが全て「川」として表現されています。

「そうだ 向こう岸はある もっと 自分を信じろよ」でしめるサビのメロディ。どんな困難も必ず出口がある、というメッセージを込めています。秋元康は若いAKBに対しては川を横に見たてて、それを超えて行け!と言っているんですね。いつか、振り返り川の流れのような人生だと感じる時が来るかもしれない。しかし、今はまだ始まったばかりのAKBは横に流れる川、様々な障害をとにかくがむしゃらに渡っていくのだ。同じ川のモチーフでも美空ひばりとは大きく異なるアプローチ。このアーティストによる使い分け、言葉の引き出し方、分かりやすいメッセージが秋元康の作詞の力なんですね。



この曲は、2009年当時のAKBの曲だから説得力をもったというところもあります。拡大して支店も増加し、次世代メンバーが中心になっていく今のAKBは、2009年当時とはメンバーも物語もポジションも異なります。グループ自体がまだ昇っていく途中だったからこそ、生まれた曲。この曲は、AKBに限らず様々な困難を抱えている人に向けて、困難を乗り越えていけ!とメッセージを送る曲になっているんですね。


TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

AKB48は、2005年12月、おニャン子クラブなどのアイドルも手掛けていた秋元康によるプロデュースにより、秋葉原のAKB48劇場にて誕生した。また、当時のデビュー講演では、わずか7人の客しか集まらなかったことはあまりにも有名。しかし、その後、インディーズデビュー曲ともなった『桜の花びらたち』···

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