「0X1=LOVESONG(読み方:ゼロ・バイ・ワン・ラブソング)」日本語ver.に幾田りらが参加
“第4世代アイドル代表走者”として世界で活躍する韓国5人組ボーイズグループ・TOMORROW X TOGETHER(通称:TXT)。
世界中で人気を集めるTXTが、2021年11月10日に日本1stアルバム『Chaotic Wonderland』をリリースします。
リード曲である『0X1=LOVESONG (I Know I Love You) 』日本語ver.には、音楽ユニット・YOASOBIのボーカルを務めるikuraこと幾田りらが、フューチャリングアーティストとして参加。
原曲の『0X1=LOVESONG(I Know I Love You) feat. Seori』は、TXTの電撃カムバックで世界を熱狂させた5月31日発売の2ndフルアルバム『The Chaos Chapter: FREEZE』のタイトル曲です。
韓国で注目されているシンガーソングライターのSeoriがフィーチャリングに、TXTの先輩にあたるBTS(防弾少年団)のRMが、作詞に参加していることでも大きな話題に。
これにより、米ビルボードのメインアルバムチャートで18位にランクインするという、新人アーティストとして異例の快挙を成し遂げました。
この記事で取り上げる日本語ver.では、原曲の歌詞のメッセージが日本ファンにもより分かりやすく表現されています。
YouTubeで公開されているMVは、原曲のドラマ仕立てのストーリーとは雰囲気を変えながら展開。
TXTのメンバーたちが扮する少年たちの心情が、とてもストレートに表現されているところが印象的です。
「0X1=LOVESONG」の気になる歌詞の意味を、MVの映像も合わせて考えながら読み解いていきましょう。
君はゼロの世界から救ってくれた唯一の人
MVでメンバーが一人一人暗い表情で映し出される様子は、10代の少年たちの孤独を意味していると解釈できるでしょう。
彼らは自分以外には誰もいない、誰にも頼れない「ゼロの世界」にいます。
そこは「切りの無い闇」で、「何でも指先から逃げていく遠くに」とあるように、喪失感で心が空っぽになっていることも伝わってくるでしょう。
「I know you’re my 1 & only」は「君は僕にとって唯一の1」と訳せそうです。
「so holy」は「聖なる」という意味なので、「聖なる光」をイメージしていると考えられます。
これらの点を踏まえると、暗い「ゼロの世界」で見つけた「君」の存在が唯一の希望の光だと伝えていると思われます。
「My life before you was a mess(君と出会う前の僕の人生はめちゃくちゃだった)」という言葉から、彼女と出会って彼らの人生が変わったことも分かるでしょう。
「奈落の底」と聞くだけで、冷たく閉鎖的な空間を想像できます。
何の希望も喜びも見い出せないはずのその場所で、彼女だけは美しく輝いて、彼を照らしてくれるのです。
続く英文では、独りで落ち込んでいる時には決まって彼女のことが頭から離れないと、彼女の存在が自分の中で大きくなっていることを明かしています。
その姿はまるで「天使」で、孤独から助け出してくれるのではないかと期待しているようです。
力強く気持ちを吐き出すような歌声が、歌詞に描かれている苦しさや、助けを渇望する様子をより鮮明に伝えてきます。
タイトルの「0X1=LOVESONG」の“0(ゼロ)”は「僕」で“1”は「君」。
「僕」と「君」が出会い掛け合わされたことでこの曲が生まれた。
このように解釈できそうなので、この楽曲は自分の希望となってくれた存在を想うラブソングと言えますね。
MVから見えてくる「君」の正体とは
ここで初めて5人が揃い、激しく踊りながら歌い上げます。
「死んでも良かった」というフレーズと血のついた制服は、少年たちの傷ついた心を表現しているのかもしれません。
1番の「一度も勝てないままのチェス」のフレーズに掛けて、ここでは「I’m a loser in this game(僕はこのゲームの敗者だ)」とも歌っています。
人生や恋愛はゲームに例えられることがあるので、どうしようもない自分の人生の生きづらさや「君」との恋の難しさを示していると考えられるでしょう。
そのように生きることに投げやりになるほど苦しんではいますが、心のどこかで「助けてよ」と願っているからこそ彼らは生きています。
続く部分に出てくる「drug(ドラッグ)」は麻薬とも薬とも言えます。
そのため「Please use me like a drug」は、「麻薬でも薬でも君の好きなように僕を使って」と言っているのではないでしょうか。
タイトルにもつけられている「I know I love you」という言葉の通り、それが何も持っていない彼の精一杯の愛情表現と考察できます。
「Say you love me(愛してるって言って)」のフレーズから、孤独な彼らはただ純粋に誰かに愛されたいのだということが伝わりますね。
とはいえ世界は極端で、全てを手に入れるか、何も手に入れられないかのどちらかしか選ばせてくれません。
彼らは、それなら「I want all of you(僕は君の全てが欲しい)」と断言。
自分の命にすら執着していなかった彼らの欠けた心が、彼女によって満たされていることを感じさせます。
そしてこの部分でTXTのメンバーと幾田りらの声が重なることで、愛の美しさがより引き立てられているのも魅力的ですよね。
しかし、MVには彼らを救った少女らしき人物は登場しません。
その代わり、気になるのはイヤホンやカセットテープなどの、音楽にまつわるモチーフです。
メンバー全員がそれぞれ一人で音楽を聴き、サビで集まってマイクを手に歌う様子から、歌詞の「君」は音楽の象徴だと解釈できるかもしれません。
孤独に生きてきた少年が音楽と出会って心を動かされて希望を持ち、音楽を通して自分の思いを伝える喜びを知ったと考えられるでしょう。
音楽を愛する仲間といることが大切
ヨンジュンが「たぶん僕はダメさ」と歌いながらイヤホンを外すシーンに注目してみましょう。
これは、彼が自分を卑下して、救ってくれるはずの存在からあえて遠ざかろうとしている様子を表しているように感じます。
身も心も美しくないから「天国」に似合う人間ではないし、当然そこに居場所もない。
「trash(ゴミ)」にも思えるようなこれまでの人生に、すっかり自信をなくしているようです。
「match(マッチ)」を一度もつけられないということは、頼りになる明かりも安心できる温かさも得られなかった、人生のつらさを表しているのかもしれません。
そんな風に生きていれば、自分を助けてもらう価値がない存在と感じてしまうのも無理はないでしょう。
しかし心が「凍てつく」ような世界の中で、「君」だけは変わらず輝き続けてくれました。
確かに音楽は常に世界を輝かせ、心を優しく温めてくれるものです。
「そうして現れた天使さ」という歌詞は、二人が出会うことが必然であったかのようなニュアンスを感じさせます。
天使と幻想的に表現していながらも「I know it’s real I can feel i(これが現実だと知っている)」と歌っていることも、時に夢を見させてくれる音楽が、現実を歩む希望になってくれると示しているのではないでしょうか。
気づけば穴の空いた「空の魂」は癒やされ、心を凍らせていた「寒さも溶けて」います。
何もなかったはずの「ゼロの世界で君という温もり」を見つけたことで、彼らの人生は変わっていきました。
MVで無数に落ちていく隕石や叫んでいるメンバーの姿も、人生が劇的に変化する様子を表しているように感じます。
それでもこの先を歩んでいくためには「君」の存在が必要です。
「君」が音楽のことであるなら、TXTにとって共に歌い踊るメンバーのこととも言えるでしょう。
音楽は一人で楽しむこともできますが、音楽で何かを表現したい時には、5人が揃わなければTXTとは言えません。
殻に閉じこもって自身の人生を悲観するのではなく、愛する仲間と一緒に音楽を楽しむことが、人生を豊かにしてくれると気づかされます。
「0X1=LOVESONG」は音楽と仲間の価値を教えてくれる
TXTの「0X1=LOVESONG」は少年から少女へのラブソングであると同時に、音楽の力や仲間と時間を共にすることの尊さが込められていると考察できました。憂鬱な時、独りでいると余計に暗く重たい気持ちになってしまうでしょう。
ぜひこの楽曲を聴いて、自分にとって大切な“1”について思い浮かべてみてくださいね。
SOOBIN、YEONJUN、BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIの5人で結成された「TOMORROW X TOGETHER」は‘それぞれ違う君と僕がひとつの夢で集まって共に明日を作って行く’という意味で、ひとつの夢と目標のために集まった少年たちが互いにシナジーを発揮する明るくて元気なアイドルグループ。 デビュー前か···