「愛のけだもの」の歌詞に表現される私とあなたの関係性
神サイのボーカル・柳田 周作と男性アーティスト・キタニタツヤが作詞作曲を手がけたコラボレーション楽曲『愛のけだもの』の歌詞には、「私」と「あなた」が登場します。
「私」と「あなた」の関係性を考察することで、歌詞の世界観を紐解いてみましょう。
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アイマイでギリギリなカンケイだって
名前がないだけの愛で
逢いたくなるようじゃしょうがないさ
心が酔い溶けて痛いよ
≪愛のけだもの 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞には「名前がないだけの愛」という言葉が使われており、二人は愛し合っているものの、「恋人」や「夫婦」といった名前のある関係性ではないと考えられます。
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堕落の乾杯に我愛イ尓
甘い口づけに私
また踊らされてゆく
あなたが汚して、濡らして、傷をつけて
ダメにしてしまった私を
最後まで愛さなくてもかまわない
二人の動物がいるだけ
≪愛のけだもの 歌詞より抜粋≫
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続きの歌詞の「堕落」は「罪を犯す・下劣になる・落ちぶれる」という意味の言葉のため、二人は幸せになれる関係性ではないのかもしれませんね。
浮気や不倫といった誰かを傷つけてしまうような関係性か、肉体的な関係のみで繋がっている先のない関係性だと考察できます。
「最後まで愛さなくてもかまわない」という歌詞は、歌詞の主人公である「私」の「自分には最後まで愛される資格がない」という悲痛な訴えとしても捉えられそうです。
コラボ曲が紡ぐ狂おしいほどの愛
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ただ求め合って、奪い合って、有耶無耶にして
虚しくなってしまうまで
何も知らないけだものみたいに
言葉を捨て、ただひとつになっていたいよ
≪愛のけだもの 歌詞より抜粋≫
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理性を捨てて求め合いたいという思いが伝わってくる歌詞ですね。
『愛のけだもの』の歌詞に登場する主人公は、けだものに例えられるほど狂おしいほどの愛を抱えているのでしょう。
とはいえ、虚しくなるのは理性があるからこそ。
けだものには成り切れない主人公の葛藤が描かれた歌詞だといえそうです。
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眠るあなたの背中をなぞった
この指であなたの心に触れたかったんだ
これ以上を求めれば壊れてしまうと
怯える私に居場所はどこにも無い
そんなのわかっているよ
≪愛のけだもの 歌詞より抜粋≫
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「この指であなたの心に触れたかったんだ」という歌詞からは、歌詞の主人公が今の関係性に満足していないことが分かります。
身体だけでなく心に触れることを望む「私」は、「名前のある愛」を与え合いたかったのではないでしょうか。
やはり「私」はけだものではなく人なのです。
けだものになって何も考えずに済めば心は楽ですが、そうもいかない。
「私」は心から溢れそうな「名前のある愛」を押し隠して、「名前がないだけの愛」を求め合うけだものを演じているのかもしれませんね。
「私」の届かない本当の思いが聴き手だけに届く歌詞になっているとも捉えられます。
まるで映画作品のようなストーリー性のある歌詞を紡ぐ音楽がとても素敵です。
「愛のけだもの」をもっと味わうなら
『愛のけだもの』はリリース直後にAppleMusicやSpotifyで人気プレイリストにリストインするなど注目を集めています。
YouTubeでは世界最高峰のダンスバトルで優勝したJUMPEIがダンスで楽曲を表現したリリックビデオが公開されました。
リリック入りのため歌詞の意味を考えながら聴くのにぴったりの映像です。
「ダンス」という言葉ではない表現と「歌詞」という言葉による表現を重ねて味わってみてはいかがでしょうか。