ギター小笹大輔作詞作曲の「Bedroom Talk」
4人組バンド・Official髭男dismの楽曲『Bedroom Talk』のリリックビデオが2021年11月29日に公開されました。
『Bedroom Talk』は、8月に発売されたOfficial髭男dismのメジャー2ndアルバム『Editorial』の収録曲です。
アルバム収録曲の多くはボーカルの藤原が作詞作曲を務めていますが、『Bedroom Talk』はギターの小笹大輔が作詞作曲を担当。
共同アレンジにmabanua、ギターアレンジに有賀教平を迎え、いつものヒゲダンとは少し異なる大人っぽい雰囲気を感じられるのも魅力です。
そんな『Bedroom Talk』の歌詞の意味を考察していきましょう。
歌詞が意味するのはインターネットの世界?
タイトルの『Bedroom Talk』からは、寝る前に誰かと秘密のお喋りをするような様子が思い浮かぶかもしれません。
そんなふうに、楽曲は誰かに自分の想いを打ち明けるような歌詞から始まります。
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いつも気に留めないような言葉が
振り切れないそんな夜から この頃逃げ出せなくて
≪Bedroom Talk 歌詞より抜粋≫
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いつもだったら聞き流してしまうような言葉を、この頃は振り切れないと語る主人公。
「逃げ出せなくて」の歌詞から、それらの言葉が主人公を苦しめていると想像できます。
もしかしたら、仕事で仲間や友人にちょっとした嫌味を言われたのかもしれません。
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「腫れ物に触れないように」じゃなくて
消えない常夜燈が 心に灯せたなら
≪Bedroom Talk 歌詞より抜粋≫
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「腫れ物に触れないように」は、「相手の機嫌を損ねないように恐る恐る接する」という意味の言葉。
「常夜燈」は夜の間中ついている、消えない灯りを意味する言葉です。
それぞれの言葉の意味を踏まえると、「相手に何を言われようが、毅然とした態度でふるまいたい」といった意味に解釈できるのではないでしょうか。
人と人とのコミュニケーションに悩む主人公の様子が想像できますね。
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誰もが次の笑い者探して
踏み外すまでの順番並んで
どうかしちゃってるんじゃない?おかしな世界さ
≪Bedroom Talk 歌詞より抜粋≫
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続く歌詞から想像できるのは、インターネット上での誹謗中傷行為。
例えば、近年は不祥事を起こした有名人のSNSに批判コメントが殺到するのも見受けられるでしょう。
相手が傷つくような言葉がいとも簡単に飛び交う風潮に、主人公は疑問を感じているようです。
冒頭で主人公を苦しめていた言葉たちも、もしかしたらインターネット上で言われたものなのかもしれませんね。
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見たくもない文字が心に蓋をしてしまう前に
僕は一抜けた やっと見つけた静けさ
≪Bedroom Talk 歌詞より抜粋≫
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自分宛ての場合はもちろんですが、他人宛の場合でもひどい言葉の数々を見れば不快に思うこともあるでしょう。
心が重たくなるのを避けるためにも、主人公はインターネットの世界から離れることを決めたようです。
本当に必要なものとは?
SNSには、世界中の人と簡単に繋がれるメリットがあります。
一方で、他人の楽しそうな言動や写真に触れて「羨ましい」と思ったり、「その点自分は…」と比較して落ち込んでしまったりすることもあるでしょう。
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本当に大事なことは 気付けば数える程しかなくて
君が笑ってくれるなら この荷物も軽くなっていきそうさ
ああこうやって毎日を重ねていくんだね
瞳に焼き付けた 僕が見つけた居場所だ
≪Bedroom Talk 歌詞より抜粋≫
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しかし、冷静に周りを見渡してみると、自分も十分幸せだと気づけるかもしれません。
主人公の場合、インターネットの世界から離れたことで「君」という大事な存在に気づいたのでしょう。
インターネット上で繋がる多くの人ではなく、面と向かって話せるたった1人の相手。
そんな相手こそが本当に必要なものであって、「自分の居場所」なのかもしれません。
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今夜はちょっぴり 息が詰まりそうだね
このまま独りきり 誰にも言えない言葉を抱えてるなら
まだ強くなれそうにない自分のことも
愛せるように 話をしようよ
眠りにつくまで 隣に居るよ
≪Bedroom Talk 歌詞より抜粋≫
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たとえ大勢から嫌われても、1人でも信頼できる人がいれば「自分は大丈夫」と思えるのではないでしょうか。
主人公にとって、まさに「君」こそが信頼できる人なのでしょう。
そして、自分自身も「君」にとって信頼できる人でありたいと主人公が願っているように感じられます。
「夜」という静かな時間は、本音を打ち明けやすい時間かもしれません。
サビの歌詞からは、タイトルの『Bedroom Talk』のように真夜中に本音を語り合う2人の姿が思い浮かぶようです。
まるで、音楽を聴いている私たちの心にもそっと寄り添うような、優しい歌詞が印象的ですね。
アルバム「Editorial」もあわせて注目!
Official髭男dism『Bedroom Talk』の歌詞の意味を考察しました。もはや、私たちの日常にインターネットは欠かせない存在です。
そんな中で、『Bedroom Talk』の歌詞には「現実の世界にある大切なものを見過ごしてはいけない」というメッセージが込められているのかもしれませんね。
なお、アルバム『Editorial』にはベース担当の楢﨑が作詞・作曲した『みどりの雨避け』、藤原とドラム担当の松浦が共作した『フィラメント』も収録されています。
『Bedroom Talk』とあわせて、ヒゲダンメンバーそれぞれの個性が感じられる楽曲を聴いてみてはいかがでしょうか。
Official髭男dism (オフィシャルヒゲダンディズム) 山陰発4人組ピアノPOPバンド。2012年6月7日結成、島根大学と松江高専の卒業生で結成されており、愛称は《ヒゲダン》。このバンド名には髭の似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けて行きたいという意思が···