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MAISONdes「ダンスダンスダダ」は死別を歌っている?歌詞の意味を考察

突如現れ、次々に話題のアーティストとコラボレーションを繰り広げる『MAISONdes』。今回は2021年6月にリリースされた楽曲『ダンスダンスダダ』の歌詞の意味に迫ります。意味深長な歌詞には何が隠されているのでしょうか?

「MAISONdes」待望の6作目

▲MAISONdes - 『ダンス・ダンス・ダダ』【OfficialMusicVideo】

『MAISONdes』は架空のアパートをテーマにした音楽プロジェクト。

話題のアーティストたちを「住人」として招き入れ、「部屋番号」をつけた楽曲をリリースし続けています。

そんな『MAISONdes』の代表曲といえば『ヨワネハキ feat. 和ぬか,asmi』ですが、今回紹介する『ダンス・ダンス・ダダ feat.EMA,たなか』はそれに続いてリリースされた楽曲です。

ちなみに、同曲の部屋番号は103号室

一体何が歌われているのでしょうか?

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明滅してよ ほらダンス・ダンス・ダダ
乱れた昏いstepを 抱きしめて
ただ曖昧な衝動
ダンス・ダンス・ダダ
壊れてしまえばどこにだって行けるね
≪ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか 歌詞より抜粋≫
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こちらは冒頭兼サビの歌詞ですが、ここだけをみてもよくわかりません。

ちなみに「ダダ」とは「ダダイズム=既成概念に対する否定や攻撃をする運動」を指す言葉。

タイトルにも含まれているため、楽曲のキーワードになりそうですね。

そしてもう1つ注目しておきたいのが、同作品のMVの冒頭で語られる次の言葉。

「確かめて、わたしが生きてるってあなたに教えて
ダダイズムのダンス 遺骨は骨になって残る」

これだけでは歌詞の全体像はわかりませんが、この言葉が思わせるのは「死別」について。

この2点を頭に入れた上で、続く歌詞を読み解いていきましょう。

大切な人を失ってしまった?


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わたしの手 わたしの目
すべてが自分のものじゃないみたいで
濁った水へと 跳べればいいけど
ふらついた意識 歌うには少し
狭すぎる箱 つきまとう過去
いくら泣いたとて変わらないのを
何度も何度も何度も
≪ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか 歌詞より抜粋≫
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ここでは途方にくれる様子が歌われているのでしょうか?

MVの冒頭の言葉を踏まえて考えると「いくら泣いたとて変わらない」というのが「」を連想させます。

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教えてくれて ありがとう
逃げだそうとしても 繰り返し淀む瞳
踊れダダの証を
手を叩いて ただ笑って
暗闇で体揺らして
真実を触って
≪ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか 歌詞より抜粋≫
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続く歌詞では「教えてくれて ありがとう」というお礼が歌われています。

冒頭の「確かめて、わたしが生きてるってあなたに教えて」に対するお礼だと仮定すると、主人公は生きていて「あなた」はどこか別のところにいると考えられますね。

続く「逃げ出そうとしても繰り返し」という深い絶望を感じさせるフレーズも、主人公と「あなた」がなんらかの理由で離れ離れになってしまったことを示唆しているようです。

しかし、よくわからないのがそのあとの4行

「踊れダダの証を」は「既成概念を破れ」というメッセージでしょうか?

「真実を触って」というフレーズからは、いまは真実が隠されている状態であるとも考えられます。

一体何が隠れていて、何を打破しようとしているのでしょう。

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転倒してよ ほらダンス・ダンス・ダダ
その手でいま確かめて 生きてるってこと
あなたじゃなきゃ踊れないの
ダンス・ダンス・ダダ
醜い海に一緒に落ちていこうね
≪ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか 歌詞より抜粋≫
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注目すべきは冒頭のメッセージにも通づる「その手でいま確かめて 生きてるってこと」という歌詞。

これは「わたしが生きていると確かめて」というメッセージなのか、それとも「あなた自身が生きているか確かめて」というメッセージなのかによって大きく異なります。

「あなたじゃなきゃ踊れないの」という歌詞は亡くなった人を思う気持ちのように捉えられますが、「醜い海に一緒に落ちていこうね」はどこか別の世界に引っ張ろうとする言葉のようにも思えますね。

続く歌詞から探りましょう。

亡くなったのはどっち?


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箱庭 この声は誰のために生まれた
身にまとったすべて 移りかわるすべて
あなたの残した思いは骨へ 指で光って
繰り返しのなかで少しずつ変わってく
盲目かつ堅牢なstepは少しずつ変わってく
螺旋を描いて 変わってく
≪ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか 歌詞より抜粋≫
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「あなたの残した思いは骨へ」から推測すると、亡くなったのは「あなた」であると考えられます。

後半部分は「あなた」がいなくなったことで変わった日常や思いを歌っているのかもしれませんね。

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灯りをおとして 奇妙な軌道を
描いた腕はどこかに消え
淡い青した残響が
居残る部屋にわたしは立ってる
≪ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか 歌詞より抜粋≫
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「あなた」は事故に遭ってしまったのでしょうか?

「淡い青した残響」を亡くなった人の体から出る「リン」を表していると仮定しても、亡くなったのは「あなた」であると推測できます。

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はらりはらり溢れた
わたしだった何かが
排水溝つたって
取り返しがつかない
ところまで滑り落ちていく
壊れた針がふたりを刺した
クローゼットの隅で子どもが笑っている
≪ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか 歌詞より抜粋≫
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こちらの歌詞からは「あなた」を亡くした主人公の深い悲しみが伝わってきます。

なんらかの事故に遭遇したとき、2人は一緒にいたようですね。

「クローゼットの隅で子どもが笑っている」に関しては本当に謎ですが、2人の子供、もしくは主人公と「あなた」が最後に見た光景を指しているのかもしれません。

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転倒 明滅 閃光 延長戦の
その果てにあなたが待ってるはず
今日も踊る
現象 抵抗 冷凍 螺旋を描いた
その果てにあなたが待ってるはず なの に
≪ダンス・ダンス・ダダ feat. EMA,たなか 歌詞より抜粋≫
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主人公はもう一度「あなた」に会いたいと切に願っているようです。

『ダンス・ダンス・ダダ』は悲しい楽曲なのかもしれませんね。

結局何に対する「ダダイズム」なの?

最後にこれまでの考察を一度整理してみましょう。

まず、MVの言葉「確かめて、わたしが生きてるってあなたに教えて ダダイズムのダンス 遺骨は骨になって残る」を踏まえると『ダンス・ダンス・ダダ』は死別を歌った曲。

登場人物は「わたし=主人公」と「あなた」で、「あなた」はなんらかの事故で亡くなった可能性がある。

主人公は「あなた」がいない現実に対し深い悲しみを抱いていて、もう一度会いたいと思っている

これを元に考えると、同曲のダダイズムは「亡くなっても心の何処かにいるから寂しくない」という考え方に対してかもしれませんね。

途中で出てきた「真実」は「あなたが亡くなった」ということ、サビの「醜い海」は深い悲しみを表していると仮定すると、さらに曲の世界観が濃くなるように思います。

この考察はあくまで一説ですので、ぜひみなさんもご自身の考察を楽しんでくださいね。

MAISONdes(メゾン・デ)は、楽曲毎に歌い手と作り手が変えて、「六畳半ポップス」というポップミュージックを生み出しているアーティスト。 架空の単身者用六畳半アパートで、インターネット上なのか、現実のどこなのかに建っている。 地球かもしれないし、宇宙かもしれない。未来かもしれない···

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