不安定な若者の気持ちを代弁
『アブノーマリティー。(feat.yama)』は、シンガーソングライター泣き虫☔︎が2021年11月にリリースした楽曲。
フィーチャリングシンガーとしてyamaを迎えたことで話題になりました。
実は2人がタッグを組むのは今回で3度目。
しかしこれまでの作品はyamaが歌うことが多く、今回のようにお互いに歌うパターンは初めてのことです。
未だ素性が謎に包まれた2人ですが、一体どのような作品を生み出したのでしょうか?
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当然のようにすり抜けフワフワしてるだけ
何様かもわからないまま
夢見がちな少女はユメの中
まだ誰かもわからないでいる
≪アブノーマリティー。(feat. yama) 歌詞より抜粋≫
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まず冒頭で歌われているのは、ある人物の不安定な様子。
右も左もわからず、アイデンティティーも確立されていないようです。
ここから主人公は幼い人物である印象を受けますが、実は『アブノーマリティー。(feat.yama)』は若者に向けて作られたもの。
言いたいことが言えない葛藤、正直になれない自分に対する嫌悪などを歌っているそうです。
それをふまえて、次の歌詞をみてみましょう。
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偽っては飲み込んで平然平然平然
≪アブノーマリティー。(feat. yama) 歌詞より抜粋≫
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これはまさに、周りの目を気にして思っていることを隠し、平然を装う若者の様子であることがわかりますね。
サビの歌詞に込められた意味を考察
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廻る脳内異空間の嘘みたいな態度で
歪みきった浸かりきったeasy flow
放つ電撃砲さえも不安吐いた態度で
僕じゃないよ 君じゃないの?偽って
≪アブノーマリティー。(feat. yama) 歌詞より抜粋≫
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サビの歌詞はとても難解ですが、ひしひしと伝わってくるのは混乱した様子。
1つずつ紐解いていくと、まずは「廻る脳内」は何かを一生懸命考える様子であると考察できます。
「異空間」「嘘」というフレーズから推察すると、1行目は評価や評判などいろんなことを考えて自分を繕う様子が歌われているのではないでしょうか?
続く「歪みきった浸かりきった」は、自分を繕うことにより本当の気持ちや真の思いを見失ってしまう様子かもしれません。
3行目の「放つ電撃砲」は攻撃している様子が伺えることから、他人に向けて強い言葉を投げかけている様子を表しているものと思われます。
しかし、誰かを攻撃する時でさえもどこか不安な態度でいるようです。
それは周りの目を気にしすぎて自分自身を見失ったり、偽ったりしているからかもしれませんね。
つまり、サビでは様々なことを考えすぎた結果、自分を無くしてしまった若者の様子を歌っていると解釈できます。
4行目はまさにアイデンティティーの喪失。
自分が何者であるのかわからなくなっている様子を表しているのかもしれません。
他人の理想は気にせずに自分らしく生きていこう
続く2番でも若者が世間や自分に対して抱く嫌悪や、悲観が独特なフレーズで歌われています。
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無愛想なmellow消沈なってんのyellowに
迷い混んで邪魔な融通さえも
No slowly Take曇り Don't Wally 冷静に
DAY売DAY買DAY
変わる脳内細胞のバカみたいなサイドで
腐りきった濁りきった異常気象
深層心理さえも不安吐いていつだって
僕じゃないよ 君じゃないの?偽って
≪アブノーマリティー。(feat. yama) 歌詞より抜粋≫
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「DAY売DAY買DAY」というフレーズは音だけで聴くと「Day by day=1日1日」という単語に聞こえますが、文字で見るとやや衝撃的。
自分の気持ちや行動を日々切り売りしているような、心の疲労感を感じます。
そんな中でハッキリと主人公の気持ちが見えるのが、最後の歌詞です。
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あなたの正解までは知らないし
期待はしないでいいかもね万歳
散々吐いたいくつもの
嘘は君につくよ
≪アブノーマリティー。(feat. yama) 歌詞より抜粋≫
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人の理想なんてわからないし、期待に答えようとせず自分らしくいればいい。
主人公のポジティブな心境変化のように感じられます。
最後の2行がやや難解ですが、これは今まで繕い続けた自分を省みる様子なのかもしれません。
今まで様々な人の前で自分を偽ってきたけれど、それは全部「君」のせいにして次に進もう。
そんなジョークのような、それでいてどこか吹っ切れたような感情なのではないでしょうか。
「君」は誰?難解な歌詞を楽しもう!
『アブノーマリティー。(feat. yama)』について考察しました。
とても難しい歌詞なので、聴く人によって様々な解釈があるでしょう。
「僕」は主人公ですが、「君」については楽曲中でも何も語られていません。
友人を指すのか、恋人を指すのか、それとも家族なのか、感じ方は人それぞれ。
MVを元に考察するとまた違った世界が広がる可能性もあります。
ぜひみなさんも楽曲を聴き込んで、様々な考察を楽しんでくださいね。
SNSを中心にネット上で注目を集めるシンガー。 2018年よりYoutubeをベースにカバー曲を公開するなどの活動をスタート。 2020年4月にリリースした自身初のオリジナル楽曲「春を告げる」が、MV再生回数1億回、ストリーミングの累計再生回数3億回を突破するなど、2022年も絶えず注目を集め、現在の···