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柊キライ「ヴィータ」主人公の望みとは?死生観を描く歌詞の意味を考察

注目ボカロP・柊キライが歌い手のGeroのために書き下ろした『ヴィータ』がボカロ曲としてもリリースされました。死や命を意味するフレーズが盛り込まれた独特な歌詞を考察していきます。

主人公の望みを綴る「ヴィータ」の歌詞解釈とは

▲柊キライ feat.flower-ヴィータ【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

柊キライが16作目として配信リリースしたボカロ曲『ヴィータ』は、人気歌い手・Geroへの書き下ろし曲にflowerを使用したボーカロイド版です。

YouTubeで公開されているMVは絵師のWOOMAが担当し、ヴィータのキャラクター・月薫の変化をアニメーションで表現しています。

初の殿堂入りを果たした『オートファジー』や『ボッカデラベリタ』同様に背景に悪魔が描かれた一枚絵で展開しているため、ファンの間では喜怒哀楽や七つの大罪をモチーフにしたシリーズの新作と考えられています。

疾走感のある音楽と畳みかけるように紡がれる歌詞は今作でも健在ですが、この楽曲のテーマは「望みが多い人の歌」だそう。

主人公は何を望んでいるのか、歌詞から考察していきましょう。

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不埒だと見立てては 悪魔に操られた証
隠された生の歩み カラカラに乾いたアニマになって

下らない憂いなど溢れては止まらないことね
痛みとか苦しみを連れてくるのが見えてしまう
≪ヴィータ 歌詞より抜粋≫
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「不埒だと見立てては」の歌詞は、主人公が周囲から道理に外れた不埒な人だと見なされていることを示しているのかもしれません。

それは自身が「悪魔に操られた証」だと考えているようです。

「アニマ」はラテン語で「生命・魂」という意味があります。

他人には分からない生の歩みが「カラカラに乾いたアニマになって」の表現から、主人公が生きることに絶望や諦めの気持ちを抱えている様子が垣間見えますね。

自身を憐れむ「下らない憂い」のせいで「溢れては止まらない」感情や涙が、痛みや苦しみを引き連れてくるようにますます主人公を傷つけていきます。

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精一杯生きてるの
精一杯死んでいくの
わたし ヴィータ 生きてるからさ
悪魔に染まりたくないの
ディアマイディアブロ
≪ヴィータ 歌詞より抜粋≫
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「精一杯生きてるの 精一杯死んでいくの」という言葉は矛盾しているようで、人生の核心を突いているように感じます。

人は懸命に生きますが、結局死に抗うことはできません。

つまり、精一杯生きていることは精一杯死んでいくことと同義といえるでしょう。

タイトルでもある「ヴィータ」はラテン語とイタリア語で「命・人生・生活」などを意味する言葉です。

主人公は苦しい日々を何とか生きていますが、まだ死にたどり着くことはできないでいます。

「悪魔に染まりたくないの」というフレーズは、悪魔に操られたくないからいっそ死んでしまいたいという切実な思いから出た言葉なのでしょう。

「ディアブロ」は「悪魔」のことなので「ディアマイディアブロ」は「親愛なる私の悪魔」と訳せます。

悪魔に染まりたくないと言いつつ親しい存在のように呼びかけているところに、主人公の心が悪魔に染まりかけている様子が表れています。

安らかに死んでしまいたい


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エクストリーム リーム リームなディミヌエンドとかで呼吸のこと止めたいよね
痛くないように 安らかに
どうか どうか どうか どうか どうか どうか
嫌になるばかりなのです
誤魔化して生きてるだけなので どうか
≪ヴィータ 歌詞より抜粋≫
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サビで出てくる「エクストリーム」は「極限」や「極端」という意味があり、「ディミヌエンド」は音楽用語で「だんだん弱く」を意味する言葉です。

安らかに、それでも確実に、自分の息の根を止めてしまいたいと考えているようです。

「誤魔化して生きてるだけ」の嫌になることばかりな日々にもううんざりしています。

繰り返される「どうか」の言葉に、痛みなく静かに死んでいきたい気持ちが見て取れます。

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黒い黒い 生命停止線 ドライブしながら探して
ライトない夜道で常に求め続けてる
≪ヴィータ 歌詞より抜粋≫
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自身の命を終わらせる「生命停止線」を探す主人公。

「ライトない夜道」は真っ暗で、闇に紛れる黒い探しものをするには不向きです。

またライトは「正解」や「権利」を意味する「right」と掛けているとも考えられます。

死を選ぶ権利もない主人公が、望む答えの宛てもなく闇雲に探し回っている様子が表現されています。

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不埒だと見立てては 悪魔に操られた証
騙されて息をする
やめてほしいね お引取り下さい そんな願いを込めて叫ぶ
エクストリーム リーム リームなディミヌエンドで全てを終わらせて
≪ヴィータ 歌詞より抜粋≫
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騙されて結局死ねないままに生活を続けている主人公は、自分を操ろうとする悪魔に「お引取り下さい」と願っているようです。

速やかに息の根を止めて「全てを終わらせて」と叫ぶ悲痛な様子が胸に迫ります。

死にたいけど死にたくない


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精一杯生きてるの
精一杯死んでいくの
精一杯生きてるの
精一杯 みんなそうなの?
≪ヴィータ 歌詞より抜粋≫
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主人公は苦しみながら精一杯生き、死ぬ瞬間を待っている状態です。

「みんなそうなの?」と誰もが同じような過酷な人生を生きているのかと問いかけてきます。

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おくたばり時探せ 探せ
おくたばりたくないのよ
わたし ヴィータ 生きてるからさ
悪魔に染まりたくないの
ディアマイディアブロ
≪ヴィータ 歌詞より抜粋≫
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「おくたばり時」とは死に時のことでしょう。

くたばるという少し乱暴な言葉に接頭語の「お」をつけることで、無理やり上品な言葉遣いにしようと試みているようですね。

死に時を探している一方で「おくたばりたくないのよ」と言い、死に怖気づいていることも感じられます。

それでも悪魔に完全に染まることを受け入れられません。

このままでは華やかさもなくどんよりとした最期を迎えそうだと不安になり、迷いが生じています。

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その時だけ代わってほしいので
その後は知らないので どうか
≪ヴィータ 歌詞より抜粋≫
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「その時だけ代わってほしい」と周囲を巻き込んで自分にとってつらくない方法を選ぼうとするのに「その後は知らない」と無責任に吐き捨てます。

最後まで自分本位で楽することばかりを考えているのが伝わってくるでしょう。

全体の歌詞を通して見ると、主人公は悪魔に操られたくないから死にたいけれど痛いのは嫌で、安らかに死ねないなら誰かに代わってほしいという複雑な感情が表れていて、確かに「望みの多い人の歌」です。

これは死にたがりでどっちつかずの現代人の特徴を巧みに表現していると言えます。

主人公が必死に抗いながらもゆっくりと闇に堕ちていく様子に心が惹きつけられますね。

柊キライの世界観に引き込まれる

柊キライの『ヴィータ』は歌詞だけでなくMVや過去曲との関連も含めて考察すると、さらに様々な解釈ができます。

またボカロver.とGeroの歌唱ver.では、同じ曲ながらイメージが全く違うので、聴き比べてそれぞれの魅力を味わうのもおすすめです。

ぜひ『ヴィータ』をリピートして、人気ボカロP・柊キライが作り出す作品の新たな世界観を堪能してくださいね。

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