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Ayase「飽和」の歌詞の意味を考察!満たされた先の結末とは?

Ayaseが9月30日にシングル『飽和/シネマ』を配信リリース。ボカロPとして活躍、YOASOBIのコンポーザーを務めるAyaseにとって、『飽和』はソロでは初のオリジナル楽曲です。『飽和』というタイトルや歌詞にはどんな意味が込められているのか考察します。

YOASOBI・Ayaseのオリジナル曲「飽和」

YOASOBIのコンポーザーとして活躍するAyaseが、9月30日に両A面配信シングル『飽和/シネマ』を配信リリースしました。

▲Ayase - 『飽和』【OfficialMusicVideo】

収録曲の内、今回取り上げる『飽和』はAyase歌唱による初のオリジナル楽曲。

タイトルや歌詞にはどんな意味が込められているのか考察していきましょう。

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随分と長い夢を
心地良い夢を
見ていた様な
そんな淡い記憶の最後
花の便りが町に届く頃
こんな日が来るなんてね
っておどけた君は
静かに息を吸い込んだ後
丁寧に言葉を紡ぐ
その中に散りばめられた
ごめんねだけが宙に残った
≪飽和 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞では、主人公と「君」との間で起きた出来事が語られているようです。

主人公と「君」は恋人同士で、「こんな日が来るなんてね」「ごめんね」などの言葉から、「君」が主人公へ別れを告げたことが想像できるのではないでしょうか?

夢を見ていた様な「淡い記憶」とは、二人が一緒に過ごしてきた日々を示しているのでしょう。

二人の幸せな時間が、「君」が告げた言葉によって終わりを迎えたようです。

「ごめんねだけが宙に残った」のフレーズからは、主人公が二人の別れを想像しておらず、「君」の言葉に動揺しているのが想像できそうですね。

「飽和」とはどういう意味?


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知らないうちに僕らはきっと
一つの生き物になって
これ以上何も要らなくなった
完成を迎えたんだよ
≪飽和 歌詞より抜粋≫
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例えば、コップに入った水の中に砂糖を入れると、砂糖が溶けて砂糖水が出来上がります。

人と人も元々は別の存在ですが、一緒に過ごす中で相手の趣味や考え方にいつの間にか影響を受けていくものでしょう。

相手の影響を受けて自分が変わっていく様子は、砂糖が溶けて砂糖水に変化するのに似ているかもしれませんね。

歌詞では、そんな風に二人がお互いの影響を受けて似てきたことを「一つの生き物になって」と表現しているように思います。

しかし、砂糖は一定量を超えてしまうとそれ以上は溶けません。

砂糖が溶け切れずに残ってしまうように、何かが最大限度まで満ちてそれ以上変化しなくなった状態のことを『飽和』と言います。

つまり、タイトルの『飽和』には、“二人の未来がこれ以上変わらない”=“終わり”という意味が含まれているのでしょう。

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だから足りないままの誰かを
それぞれ愛してあげてと
神様が決めたんだよきっと
誰のせいでもないんだよきっと
悲しいことじゃないんだよきっと
君が選んだ答えはほら
僕が選んできた答えの
果てに辿り着いた結末だ
だからそんな顔はよしてよ
あんなに愛しかった日々が
幕を閉じるこんな時さえ
出会えて本当に良かったな
なんて思える恋をしたんだよ
そんな立派な恋をしたんだよ
≪飽和 歌詞より抜粋≫
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状況的に、別れを切り出したのはおそらく「君」。

しかし、主人公は二人の別れを運命のように捉えていて、決して別れを告げた「君」のせいではないと考えているようです。

別れの場面でもなお「出会えて本当に良かったな」と言う辺りに、主人公が本当に幸せを感じていたことが読み取れますね。

満ち足りた先に残るもの


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二人で長い時間をかけて
積み上げた階段を降っていく
今にも崩れそうなほどに
脆くて酷い出来だった
離れないように離さないように
繋いでいた掌を
転んでしまわないように
握りしめてくれていたのは
君の方だったんだね
≪飽和 歌詞より抜粋≫
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「積み上げた階段を降っていく」ことは、二人がまた他人に戻っていくことを表しているのでしょう。

今まで主人公は二人の日々を「心地よい夢」や「愛しかった日々」などと語ってきましたが、ここでは一転「脆くて酷い出来だった」としています。

別れを告げられて初めて、幸せだと思っていたのは自分だけで、「君」が無理をしていたのではないかと気づいたのかもしれません。

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知らないうちに僕はきっと
鏡の中の君を見てた
みだりに夢を語ってばかりで
気付くことも出来なかった
これは君のせいでもなくて
神様のせいでもないから
僕が奪った分よりずっと
長く沢山愛されていて
なんて想える恋だったんだよ
かけがえない恋だったんだよ
ありがとねの後に続く
伝えそびれたさよならを君に
≪飽和 歌詞より抜粋≫
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「君」が無理をしていたと気づけなかったこと、「君」のことをしっかり見ていなかったことを、歌詞では「鏡の中の君を見てた」と表現しているようです。

そして、二人の別れは「君のせい」でも「神様のせい」でもない、僕自身のせいだという結論に行き着いたのでしょう。

二人の日々は終わってしまったものの、「かけがえない恋だった」などと語る辺りに、主人公の「君」への深い愛が感じられそうです。

まるで溶け切れずに残った砂糖のように、「君」の存在は今も主人公の中に残ったままなのかもしれません。

そんな中で、ラストにようやく主人公の口から出た「さよなら」の言葉。

もしかしたら、自分の中に残った「君」への想いを断ち切る主人公の決意が込められているのかもしれませんね。

楽曲『飽和』は、僕から「君」へ向けた本当の別れの歌だと捉えられそうです。

楽曲タイトル「飽和」の2つの解釈

Ayase『飽和』の歌詞の意味を考察しました。

ラストまで歌詞を読んでいくと、『飽和』というタイトルには二人の関係が終わりを迎えたこと、相手への想いがまだ残っていることの2つの意味が込められているように思います。

楽器パートのみの部分が少なく、最初から最後まで歌詞の世界観をたっぷり味わえるのも楽曲『飽和』の魅力の1つと言えるでしょう。

Ayase歌唱による『飽和』を聴いて、YOASOBIの楽曲とはまた一味違う魅力を感じてみてはいかがでしょうか。

1994年4月4日生まれ、山口県出身。2018年12月にVOCALOID楽曲を投稿開始。 切なさと哀愁を帯びたメロディ、考察意欲を掻き立てる歌詞で人気を博し、2019年4月に発表した「ラストリゾート」はYouTube700万再生突破。2019年11月リリースの初EP「幽霊東京」は即売、通販共に即完。ボカロ楽曲を自身が···

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