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【インタビュー】あれくん、テレ東ドラマ「北欧こじらせ日記」の主題歌に込めた美しい歌詞物語

シンガーソングライターのあれくんが10月26日(水)に、新曲『うたたね』をリリース!同曲はテレ東ドラマ「北欧こじらせ日記」の主題歌として放送中で、ドラマに寄り添った美しい歌詞物語となっています。そんなあれくんにUtaTenでインタビューを敢行しました。
同楽曲は、テレ東ドラマ「北欧こじらせ日記」の主題歌として放送中。ドラマ「北欧こじらせ日記」は、「幼い頃のサンタクロースへの想いに始まり、大学時代にフィンランドに一目惚れしフィンランド一色の暮らしをしている会社員が、フィンランドへ移住を志すまでを描いた物語」(HPより抜粋)。その内容を知るほど、『うたたね』の世界観にはまってしまうはず。前作『革命前夜、』の配信もスタートしたので、同曲の魅力についてもたっぷり話を伺った。

降りてきた言葉をきっかけに


──最新曲『うたたね』を聴いたとき、もしや、前作『革命前夜、』の流れを受け継いでいる?と思ったのですが…。

あれくん:いえ、前作からの流れを組むことはなく、別物の歌として作りました。ただ、そうやって想像を膨らませてもらえるのは嬉しいです。


──EP『革命前夜、』は、テーマを持って制作した作品だったのでしょうか?それとも、1曲1曲作りあげた楽曲をまとめた形でした?こちらも、聴いていると一つの青春物語のように聴こえていたんですよね。

あれくん:このときも、1曲ごとに煮詰めた形でした。ただ、<青春>という言葉は曲によって意識していた面はありました。こうやって物語を持った作品として感じていただけるということは、収録した曲たちがいい形でまとまったからだとも受け止めています。それもまた嬉しいことですよね。


──あれくん自身、とくに狙いを持って楽曲を作るというよりは…。

あれくん:そのときのモード次第といいますか、そのときの直感が主になります。


──直感っていいですね。

あれくん:僕は、そのときそのときに思ったことを楽曲にしつつ、そのときごとに作品をまとめあげる形を取っています。それは、『革命前夜、』の制作のときも同じでした。ただ、「一貫性を持って聴けるアルバム」「一つのストーリーを感じながら聞ける作品」という感想の声も聴くように、"まとまりを持った作品"として耳に届いている方々が多いのは嬉しいことだし、それがアルバムの良さでもあるなと感じます。実際に、いろんな受け止め方の感想を聞いていると、「こういう受け取り方もあるのか」と自分でも気づきがあれば、改めて考えさせられることも生まれてくる。それが、作品を一つにまとめあげる良さなんでしょうね。


──あれくんの楽曲は、感情をストレートに伝えることもあれば、含みを持たせた言葉として記すなど、いろんな形を持って想いを伝えてきます。そこも、枠にとらわれることなく表現していますよね。

あれくん:本当に、そのとき次第で書き方は変わります。楽曲を作るきっかけについて話すと、タイアップ関係の場合、あらかじめいただいた物語を元にという形にはなりますけどね(笑)。題材が「ある」「なし」に関わらず、パッと降りてきた言葉を書き出しに、そこから物語を広げていくことが多いです。降りてきた言葉をきっかけに書くように、僕自身の体験を元にしてではなく、想像を膨らませることが主になります。


──降りてきた言葉をきっかけにというのもいいですね。

あれくん:その理由も、僕の場合、歌詞先行で曲を作っていることが大きいんだと思います。それこそ、最初の一行目の言葉が降りてきたら、そこから連想ゲームみたいにどんどん歌詞として整えていく。最初の一行目にどういう表現を持ってくるか次第で、その歌が、どういう内容や曲調になっていくかが決まってゆく。だから、そのときのモード次第で歌が生まれるわけです。


──あれくんは、詞先で楽曲を作っている方なんですね。

あれくん:そうです。今まで、ズーッとそういう感じで作ってきました。『革命前夜、』も、そういう曲たちをまとめあげた作品になっています。


──改めて、完成した『革命前夜、』の手応えを聞かせていただいても良いですか。

あれくん:自分の中で、最初の頃は表現をストレートに。それこそ『ばーか』のように、ストレートに言葉を伝えることを好んで表現していましたけど。次にリリースした『呼吸』というアルバムでは、「抽象的な表現の歌詞を」と思って書いた曲たちも加えて作りました。その作品を踏まえたうえで作った『革命前夜、』は、「可愛い」に振り切った曲もあるなど、自分の中で新鮮味を覚えるチャレンジが出来た作品になった手応えもあります。



──作品を重ねるごと、表現のベクトルも広げ続けているのですね。

あれくん:そうですね。表現の振り幅を持って活動したい気持ちを持っているように、毎回新しいチャレンジでもないですけど、いろんな表現の面を広げているところはありますね。


──『革命前夜、』の中、「可愛い」をテーマに楽曲を持ってきたところも、なんか新鮮です。実際に楽曲を聴いていても、青春模様を感じるラブソングがいろいろと並んでいます。だから、すべての曲が物語のように一つに繋がって聴こえたのかも知れません。

あれくん:「可愛い」を題材に書いているときは作っている側の気持ちの中にちょっと恥ずかしさもありますけどね(笑)。ただ、青春を感じる曲たちを通して、よりリスナー層が広がっていくのなら、それも嬉しいことですからね。


「何事も見えすぎないくらいがちょうどいい」という含みを持たせました。

──『革命前夜、』に収録した『そんな気がした。』『ツナギアイ』『ゆびきり』にはとくに、むず痒い恋心といいますか、純粋な青春模様を感じました。

あれくん:どれも学生時代の青春模様のようで、確かにむず痒いですよね(笑)。今、学生時代のような青春が出来るかといったら、なかなか難しいこと。むしろ、その頃を憧れとして曲に落とし込めた。だからこそ、こういう「可愛い」曲たちが生まれたという面では良かったなと思います。


──そういう青春模様を感じたからか、最新曲の『うたたね』にも同じ青春模様を重ねて聞いてしまったのかなと改めて想いました。ぜひ、『うたたね』が生まれた背景についても聞かせてください。

あれくん:『うたたね』は、今、テレ東ドラマとして放送中の「北欧こじらせ日記」の主題歌として作りました。あらかじめ題材があって、今回の場合は全話の台本になりますけど。先に台本を読ませていただき、そこで自分なりに物語を解釈したうえで、歌詞を書き始めました。


──先に題材があると、書きやすさはどうですか?

あれくん:これまでも、題材を元にという書き方はちらほらやってはいました。自分と似たような経験があると、言葉が浮かびやすかったりはしますね。もちろん、自分とはぜんぜん性格の違う人や、体験したことのない物語にも挑戦したい気持ちはあります。何故なら、そこからどんな言葉が自分の中から生まれるかに興味があれば、表現の間口は自分でも広げていきたいからです。
 『うたたね』に関しては、ドラマ「北欧こじらせ日記」の世界観へ寄り添うというか、エンディング主題歌として流れることもあって毎回のドラマを見終えたあと、最後に流れる『うたたね』も含めて一つの物語として感じられる作品にしたいと思って作りました。歌詞についてはドラマを観ている方、純粋に『うたたね』という楽曲のみを聞いてくださった方、それぞれいろんな風に解釈していただけるようにも書いています。そこが『うたたね』の面白さです。



──もしや、ドラマの話数を重ねるごとに、『うたたね』の解釈も深みを増していくような??

あれくん:解釈はだんだん変わっていくと思います。それぞれに解釈したことがその人の正解だと僕は思っているようにそこに明確な答えは出していません。なので、自由に解釈を広げ、楽しんでください。


──『うたたね』の歌詞で「ここに注目してほしい」というポイントがあれば、ぜひ教えてください。

あれくん:サビ後のDメロとして流れる<マグカップ1つ片手に取って 水蒸気が視界を遮ってる 例え何も見えなくなってもそれでいい、それくらいが丁度いい>の一節です。ドラマのヒロインの子は、フィンランドに憧れを持っています。フィンランドと言えば、サウナ発祥の地。<マグカップ1つ片手に取って 水蒸気が視界を遮ってる>の歌詞には、サウナの中、水蒸気が立ち込め、かけたメガネが曇って何も見えなくなってしまう姿を投影しています。むしろ、何も見えないほうがサウナに集中するためにはちょうどいい。そこへ、<何事も見えすぎないくらいがちょうどいい>という含みを持たせました。この一節に限らず、含みを持たせた歌詞を、曲の中からいろいろ感じてもらえたら嬉しいです。もちろん、サウンドがほのぼのとしていますから、そんな気分で楽しんで聴いていただいても嬉しいです。


──あれくんの場合、どの曲もアコギの音色が楽曲に色を与える大切な要素になっていますよね。

あれくん:アコギの音色は一番大事なポイントです。その良さを活かした楽曲をいつも心がけています。『うたたね』に関しては、フィンランドに憧れている女性が主人公ということからフィンランドの音楽も意識し、フィンランドの伝統楽器の音も組み込んで全体的に温かさ重視のサウンドに作りあげました。


──あれくん自身、ドラマ「北欧こじらせ日記」にはどんな印象を覚えています?

あれくん:結構ほのぼのとした感じで好きです。曲調も、ドラマの雰囲気に合っているなという印象です。そのうえで、心の葛藤の面なども含みを持たせた歌詞を通して感じてもらえたら嬉しいです。


──完成した『うたたね』、手応えはどうですか。

あれくん:手応えしかないですね(笑)。


歌詞に重きを置いてどの曲も聞いてくれたら嬉しい


──あれくんは、そのときごとのインスピレーションを大切に、今後も活動を続けていくのでしょうか?

あれくん:年齢を兼ねるごとに吸収するものも思いや考え方も変わっていくように、そこは良い意味で変わり続けていきたいですし、そのときごとの感性や感覚を作品へ落とし込んでいけたらなと思います。


──最後に、ひと言お願いしても良いですか。

あれくん:『うたたね』に限らず、僕の楽曲は1曲ことに割とシンプルに作っている印象もありますが、「ここ、じつはこうなんだ」という細かい面での気づきなどの含みも持たせているのでぜひ、歌詞に重きを置いてどの曲も聞いてくれたら嬉しいです。
僕のファンクラブではライブ配信を通してよく作曲している過程を公開しています。それを観てもらえると、より僕の曲を楽しんでもらえるので、良ければご覧になってください!

TEXT 長澤智典

SNS発シンガーソングライター。 2018年にTikTokに投稿した「ばーか。」が圧倒的な癒し声と共に若者を中心に絶賛され、初代弾き語りTikTokerとして話題を呼ぶ。 さらに、2020年9月には「好きにさせた癖に」をリリースするとYouTubeにて自身初の1900万再生を突破。歌声もさることながら繊細な歌···

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