第101回全国高校サッカー選手権大会テーマソングに注目
Z世代から圧倒的な支持を受ける3ピースバンド・SaucyDogが2022年12月9日に配信リリースした新曲『現在(いま)を生きるのだ。』。12月28日開幕の第101回全国高校サッカー選手権大会のテーマソングとして書き下ろされた楽曲です。
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この楽曲について作詞を務めた石原慎也は「自分たちだから作れる、自分たちの経験した青春」を歌詞にしたとコメントしています。
どんな情景が描かれているのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。
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出来れば笑ってこのまま最期まで
積み上げた日々には間違いはない
僕らを信じていたいと思える。今日も
≪現在を生きるのだ。 歌詞より抜粋≫
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歌詞冒頭には、これから試合に臨もうとする選手の心情が綴られています。
「出来れば笑ってこのまま最期まで」とあるように、勝利を掴んで最後の瞬間まで笑顔でいたいと願うのは自然なことです。
スポーツの世界は、いつ何が起こるか分かりません。
それでも自分と向き合い練習を重ねてきたなら、「積み上げた日々には間違いはない」と自信を持って挑むことができます。
今大会における高校3年生は、コロナ禍発生以降に入学した年代にあたります。
誰も経験したことがない全く新しい環境だからこそ、ぶつかる苦境や不安の中で戦うのは、いっそう努力や勇気が必要だったことでしょう。
しかし、仲間と共に切磋琢磨して迎えたこの日を、強い気持ちで乗り越えようとする彼らの姿が見えてくるかのようです。
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弱さと向き合う度
僕らは強くなったよな
「楽しい」だけじゃなくなってきたのは
本気で愛してたって証拠だよな
許し合う事で学んだ
愛はもっと自由で形がないから
悩ましいのだ
≪現在を生きるのだ。 歌詞より抜粋≫
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敗北や挫折を経験して自分の弱さと向き合うのは怖いことですが、その度に「僕らは強くなったよな」と振り返ります。
サッカーを含め、どんな夢も「楽しい」という感情から始まります。
遊びで始めたことが楽しいからもっと極めたくなって、その先に大きな夢や野望を見出すようになるものです。
とはいえ真剣に取り組み始めると、辛さや悔しさといった負の感情も生まれ「「楽しい」だけじゃなくなって」いきます。
その理由をここでは「本気で愛してたって証拠だよな」とポジティブに歌詞で表現しているところが素敵ですよね。
サッカーのようにチームメイトがいると、時にぶつかり合ったりすれ違ったりします。
しかし、それぞれが持つ愛は形が違うだけで、同じだけの情熱と深い想いを秘めています。
ぶつかりながらも許し合うことによって、お互いにリスペクトし高め合っていく選手たちの様子が見えてきますね。
自分らしく走り出して行け
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さぁ自分らしく
走り出して行け
走り出して行け
繋げるのさ苦しくても
話し合っていけ
話し合っていけ
「大丈夫、大丈夫」
って言い聞かせて
≪現在を生きるのだ。 歌詞より抜粋≫
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「さぁ自分らしく走り出して行け」という言葉は、主人公が自分を鼓舞しているようでもあり、SaucyDogからの応援のメッセージのようでもあります。
結果なんて誰にも分からないから、これまで積み重ねてきた日々を胸に自分らしく走ればいいのだと力強く背中を押してもらえるフレーズです。
そして「話し合っていけ」という歌詞からは、孤独に戦うことがないように仲間とコミュニケーションを取るよう促されます。
自分の気持ちは誰にも分かってもらえないと感じるとしても、苦しみつつも絆を結び続けることで試練は乗り越えられるはずです。
お互いに「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせて支え合っていれば、結束は強まり成長を遂げられるのです。
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出来れば笑ってこのまま最期まで
挫けそうな時でもあなたがいた
ありがとうを伝えたい
照れ臭くて言えない
≪現在を生きるのだ。 歌詞より抜粋≫
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いよいよ試合が近づく中、思い出すのは挫けそうな時に支えてくれた仲間や家族のこと。
「ありがとうを伝えたい」と思っているのに関係が近ければ近いほど「照れ臭くて言えない」ところに、高校生らしい青さが感じられますね。
勝利を手にした時には、今度こそ満面の笑顔で感謝を伝えたいという主人公の決意が垣間見える気がします。
目の前の一瞬を美しく生きる
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間違いを許し合うたび終わっちゃいないのだと知り
あとどれくらい残ってんだ?ってライフを数えてたっけなぁ
振り向くな綺麗じゃなくていいよ
傷だらけでも「僕ら」は美しい!
≪現在を生きるのだ。 歌詞より抜粋≫
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過去の軌跡を振り返れば、たくさんの失敗と同じだけ仲間と間違いを許し合ってきた時間の記憶が呼び起こされます。
近づく限界に、不安と焦燥感を抱えながらあとどのくらいやれるのだろうかと考えたようです。
そんな自分と仲間に過去を「振り向くな」と強く告げています。
「綺麗」と「美しい」は似ているようで違うものです。
「綺麗」は表面的に整っていることを意味しますが、「美しい」は見た目がどうあれ心を奪われる状態を表します。
人は失敗や挫折を繰り返すので、無傷の綺麗なままでいることはほぼ不可能です。
「傷だらけでも「僕ら」は美しい!」という歌詞は、どれほど遠回りしようとどんな道を進もうと懸命に人生を歩む人全ては美しいのだという意味のメッセージが込められていると解釈できます。
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奇跡や運命に未だ見ぬ未来を託すなよ
残された最後の時間でアニメやマンガじゃない
僕らは現在を生きるのだ
≪現在を生きるのだ。 歌詞より抜粋≫
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「奇跡や運命」という言葉に頼って努力を怠ってはいけません。
人生はアニメやマンガのように、結末が決まっている訳ではないからです。
「未だ見ぬ未来」は自分の生き方次第でいくらでも変えることができます。
「残された最後の時間」とは青春の時間であると共に、人生全てを表してもいるのでしょう。
起こるかどうかも分からない不確かなものに未来を託すのではなく、目の前の一瞬一瞬と大切に向き合うという意味で「現在を生きるのだ」と歌われているように思えます。
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さぁ自分らしく
走り出して行け
走り出して行け
限界を超えてまた
しがみついていけ
しかみついていけ
≪現在を生きるのだ。 歌詞より抜粋≫
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夢を追いかける過程では、それまで以上に努力が求められることもあるでしょう。
そんな時、限界を超えても「しがみついていけ」と自分らしく進むことを諦めず泥臭く走り続けるよう励まされます。
生きる力をくれる応援歌!
SaucyDogの『現在を生きるのだ。』は、夢や目標に向けて懸命に生きる人のための応援歌。青春真っ只中にいる高校生たちだけではく、リスナーの誰もがこの楽曲の主人公です。
立ち止まってしまいそうな時や投げ出してしまいたくなる時、温かな歌声で紡がれるストレートなメッセージから力をもらってください。