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小田和正「たしかなこと」歌詞の意味を考察!心に沁みるラブソングの温かいメッセージに迫る

明治安田生命のCMソングとして長年起用されている小田和正の『たしかなこと』は、大切な人への愛を歌った楽曲です。リスナーの想いを代弁してくれる、シンプルで優しい歌詞の意味を紐解きます。

CMソングとしておなじみの名曲に込めた想いとは


昭和を代表するフォークロックバンドであるオフコースのリーダー・ボーカリストとして活躍し、ソロ活動を本格化してからも数多くのヒット曲を生み出してきた小田和正

なかでも2005年5月25日にリリースされた通算23作目のシングル『たしかなこと』は、小田和正の音楽の魅力を語る上で欠かせない名曲のひとつです。

明治安田生命のCMソングとして、オフコース時代に制作した『言葉にできない』を越える新曲の依頼を受けて書き下ろされました。

完成までかなり頭を悩ませたようですが、その甲斐あってCMのコンセプトであった身近な人の大切さや普通であり続けることのありがたさが心に沁みる素敵な楽曲が誕生したのです。

その後ドラマや映画の主題歌や挿入歌としても起用されると、愛する人を想う歌詞から結婚式や卒業式、葬式など幅広いシーンで用いられてきました。

どのような内容なのか、改めて歌詞の意味を考察していきましょう。

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雨上がりの空を見ていた 通り過ぎてゆく人の中で
哀しみは絶えないから 小さな幸せに 気づかないんだろ

時を越えて君を愛せるか ほんとうに君を守れるか
空を見て考えてた 君のために 今 何ができるか
≪たしかなこと 歌詞より抜粋≫
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主人公は通行人の多い街道に立ち、「雨上がりの空」を見ています。

厚い雲の切れ間から見える空の青さや差し込む光の美しさに思わず目を奪われたのかもしれません。

「哀しみは絶えないから 小さな幸せに気づかないんだろ」というフレーズは、自分も含めた全ての人に対する言葉と解釈できます。

おそらく誰もが絶えない哀しみに圧倒されるような人生を必死に生きていて、自分のことで精一杯です。

心の余裕がないため、雨上がりの空の美しさなど少し周囲を見回すだけで見つかるはずのごく小さな幸せにも気づけないでいます。

その中で自分は運良く気づくことができたけれど、これまでどれほどの幸せを見逃してきたのだろうかと考えているのではないでしょうか。

続く後半では「君」という人物が登場します。

この人が主人公にとってどんな存在なのかは明らかにされていませんが、今回は恋人と捉えて考察したいと思います。

ずっと彼女を愛していけるのか、口先だけでなく大変な時に本当に彼女を守れる強い男であれるだろうかと自問する主人公。

美しい空のように、自分に幸せをくれる彼女のために今自分ができることは何かと真剣に思案する様子から深い愛情が伝わってきます。

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忘れないで どんな時も きっとそばにいるから
そのために僕らは この場所で
同じ風に吹かれて 同じ時を生きてるんだ
≪たしかなこと 歌詞より抜粋≫
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1番のサビは、この場にはいない「君」へのメッセージです。

自問の答えはまだ出ないけれど「どんな時もきっとそばにいる」から、そのことだけは忘れないでいてほしいと語りかけます。

あくまで「きっと」であり、絶対にそばにいると約束しないところに主人公の誠実な性格が垣間見えるでしょう。

それでも自分たちが愛し合って共に生きるべくして存在していることは確信しています。

だからいつまでも変わらず一緒にいたいという気持ちが表現されていますね。

大切なのはありふれた日々に宿る愛


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自分のこと大切にして 誰かのこと そっと想うみたいに
切ないとき ひとりでいないで 遠く 遠く 離れていかないで

疑うより信じていたい たとえ心の傷は消えなくても
なくしたもの探しにいこう いつか いつの日か見つかるはず
≪たしかなこと 歌詞より抜粋≫
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主人公は彼女に「誰かのこと そっと想うみたいに」自分のことも大切にしてほしいと思っています。

もしかしたら彼女は優しすぎて、自分のことよりも他人のことに心を配る人なのかもしれません。

切ない時にひとりでいようとするのも、周囲を煩わせたり心配をかけたりしたくないと思っているからだと思われます。

しかし彼女を愛する主人公は、彼女の心が弱っている時もそばにいたいと願っています。

相手がつらい時にこそ支えたいと思うのが本物の愛なのではないでしょうか。

世の中には平気で人を騙したり傷つけたりする人がいます。

それで自分の身を守るために人を疑ってかかるのも仕方がないことでしょう。

とはいえ、できるなら信じることで人間関係を築いていきたいものです。

心に負った傷は簡単には消えませんが、信じ続ける先にこれまで「なくしたもの」をきっと見つけることができるはずだと主人公は考えます。

いつもこういうポジティブな見方をしていたいですね。

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いちばん大切なことは 特別なことではなく
ありふれた日々の中で 君を
今の気持ちのままで 見つめていること
≪たしかなこと 歌詞より抜粋≫
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人は時に特別な出来事が人生を彩っていると考えます。

それは1番で出てきた空で例えるなら、虹や流れ星のような滅多に出会えないものかもしれません。

でも2番のサビでは「いちばん大切なこと」はそういう特別なことではないとはっきり告げています。

むしろ「ありふれた日々の中で」、今感じている愛や慈しみの感情をずっと大切にして「君」を見つめていることこそが人生を輝かせます。

どんなに素晴らしい出来事を体験したとしても、そんな不変で何気ない愛がなければきっと本当の幸福感は得られないでしょう。

愛すべき人がいることや“普通”であることがいかに尊いかを教えてくれる歌詞です。

二度と戻れない今を哀しまないで


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君にまだ 言葉にして 伝えてないことがあるんだ
それは ずっと出会った日から 君を愛しているということ

君は空を見てるか 風の音を聞いてるか
もう二度と こゝへは戻れない
でも それを哀しいと 決して思わないで
≪たしかなこと 歌詞より抜粋≫
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主人公は恋愛に奥手なのか、まだ彼女に「ずっと出会った日から君を愛している」ということを言葉にして伝えられないでいます。

同じように恋人だけでなく家族や友人に対しても、あまりに近しい存在だから余計に愛や感謝を素直に伝えられない人は多いのではないでしょうか?

後半で主人公は彼女の様子を気にかけています。

二度と戻れない「こゝ」は色んな解釈ができそうですが、文字通りの場所ではなく時間のことを指していると考察しました。

時間は絶えず進み、今この瞬間の景色や経験はこの時だけのもの。

後になって取りこぼしたものに気づき、過去に戻りたいと願っても叶いません。

しかしそのことを哀しまないでと語りかけています。

今この時を大切にして共にいる愛する人へ想いを素直に伝えていくなら、過ぎた時間を後悔することはないでしょう。

主人公もまだ伝えられていない気持ちがありますが、必ず伝えようと思っているようです。

タイトルの「たしかなこと」とは、今愛する人と共に生きているということ。

この先どうなるか、気持ちがどう変化するかは誰にも分かりませんが、今この瞬間に愛する人がいてその人を心の底から思いやる気持ちだけは揺るがない真実です。

だからその愛を大切にし、ありふれた日々にも希望を持って生きるようそっと背中を押してくれます。

“今の自分”の心に寄り添ってくれる愛の歌

昭和から活躍するアーティスト・小田和正が生み出す楽曲は、リスナーがどんな状況や立場にいるとしても自分自身のことを歌ってくれているような気持ちにさせてくれるところが大きな魅力です。

たしかなこと』も大切な誰かを想う優しく温かい感情がシンプルな言葉で綴られ、聴く人によって主人公と「君」の関係性が違って聞こえてきます。

心を包み込むような歌詞と歌声が、きっと人生の様々なシーンを彩ってくれますよ。

小田 和正 (おだ かずまさ) 1947年9月20日生  神奈川県横浜市出身  東北大学工学部、早稲田大学理工学部建築科修士課程卒業 1969年オフコース結成。 翌70年、プロとして音楽活動を開始、「愛を止めないで」「さよなら」「言葉にできない」などのヒット曲を発表。 82年には日本武道···

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