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【インタビュー】Lenny code fiction、新作に捧げた青い炎と自分たちの初期衝動

4人組ロックバンドのLenny code fictionが2月15日(水)に、7thSingle『SEIEN』をリリース。同曲はアニメ『魔王学院の不適合者 Ⅱ』のオープニングテーマに起用されており、アニメの世界観とバンドとしての原点である初期衝動をリンクさせた最高傑作に仕上がっている。『SEIEN』に加えてライブ定番曲となっている『Psycho』や、映画好きの片桐航(Vo&Gt)が伝えたい、生きることの向き合い方を歌った『I’m watching one of my favorite movies now. This will be my 9th time.』の2曲についても詳しく話を伺った。 2023年のLenny code fictionが放つロックバンドとしての熱き想いとは…。

レニーの2023年の抱負は…!?

──新年あけましておめでとうございます!新しい年を迎えたということで、まずは今年の抱負をお一人ずつ宣言してもらえますか?音楽でもいいですし、プライベートのことでもOKです。


kazu:富士山に登ることですね。


──富士山ですか!ちなみになぜでしょうか。

kazu:毎年いつも新年の抱負って言われたら、全部富士山に登るって答えているんです(笑)日本一と言われているのもあるし、富士山に登ったことがないので行ってみたいんですよね。

KANDAI:急に真面目になりますけど、一からドラムを見つめ直したいです。


──急に真面目になりましたね!(笑)

全員:(笑)

KANDAI:kazuの富士山のくだりからですからね(笑)ある程度ドラムは出来ているだろうなって思っていたんですけど、新年に大御所の先輩たちと会う機会があり話を聞いていたら、そういった先輩方も日々ドラムと葛藤しているそうなんですね。今あるものをより良くするためにも、今年1年頑張ろうかなって思います。


──ドラマーとして素晴らしい答えですね。

ソラ:kazuやり直しておく?(笑)

全員:(笑)

KANDAI:あと本当にkazuを富士山に連れていくのも目標です!

kazu:ほんとうに…?


──お二人で?

KANDAI:二人でじゃ、ないっすね(笑)

全員:(笑)


──ソラさんはいかがですか?


ソラ:去年はバンドとして内々になっていたという感じだったんですよね。ワンマンライブがすごく多くて、そのおかげで修行になっていったんですよ。ワンマンを続けていくと自然とライブ力が付いてきたなって後半実感があったので、今年は外に向いていく行動をしていきたいと思っています。イベントとかに出るとか、対バン増やしたりするとかして成長したレニーを見せていきたいですね。


──外にアプローチしていくのですね。

ソラ:すごくストイックなことを言うと、結果にこだわりたい。「去年は久しぶりに曲を出せたね」「ライブして修行したね」とかだったけど、今年は期待に応えていく年にしたいです。

片桐 航:めっちゃ、真面目やな。

全員:(笑)


──では航さんはどうでしょうか?

片桐 航:引っ越しをしない。

全員:(笑)


──引っ越しをしないってどういうことですか(笑)

片桐 航:引っ越しを毎年していて、更新を守ったことがないから…。ちゃんと定住したいなって思います。

全員:(笑)


──今まで引っ越しをしていたのには何か理由があったんでしょうか?

片桐 航:色々あるんですが、飽きたりするけど結局引っ越しって無駄だってことに気づくんですよね。

ソラ:いわゆる引っ越し貧乏だね。

片桐 航:引っ越しの大変さを何回も味わったから今年はしない!!

全員:(笑)


得意ジャンルでもあるけど今までのレニーにはなかった曲

──皆さん新年の抱負ありがとうございました!それでは新曲『SEIEN』について伺っていきます。今作はアニメ『魔王学院の不適合者 Ⅱ』のOPですが、タイアップが決まってから曲を作り始めたのでしょうか?

片桐 航:いつも通りこういう曲が出来たらみたいなデモがあって、アニメを見ながらそっちにリンクさせていった感じです。


──皆さんは『魔王学院の不適合者 Ⅱ』のOPに決まってどう思われましたか?

ソラ:やっぱり嬉しいですねー。

kazu:バトルもののアニメが久しぶりだなと思いました。前作の『ビボウロク』では、「おっとりしたメロウな感じで」っていうオーダーだったので、そっちに寄せていましたが、今回は得意分野がきた感じはしましたね。

▲『SEIEN』魔王学院の不適合者Ⅱ TVアニメSPOT / Lenny code fiction

──(笑)みなさん嬉しい気持ちでいっぱいだったんですね。

ソラ:そうですね。あと、この曲いいなっていう感じがしたんですよね。俺、この曲ができるタイミングを今でも覚えているんですけど。航とサウナに行っているときに「どういう曲を作ったらいいと思う?」って航が珍しく言っていて、「こういう曲は今までないんじゃない?」っていう話をしたんですよ。レニーに意外と足りていなかった新曲が、こうして主題歌として出せるっていうのが良いなって感じて嬉しかったですね。


──そのサウナに行かれていた時期はどのときぐらいだったのでしょうか。

ソラ:いつだったかな~?

片桐 航:あったかい時期だったなー。

ソラ:2年前の夏とか秋ぐらいかと思います。それぐらいから制作していましたね。


──2年前から構想されていたのですね!前作の『あなたがいなくなったら』はミドルバラードで、今作の『SEIEN』とはサウンドも全く異なると思いますが、違うテイストの楽曲の場合、演奏するマインドも変わるものなのでしょうか?

片桐 航:ここまできたら一緒やんな。

ソラ:そうだね、難しいな~(笑)

KANDAI:結構録っているときは淡々とやっていますよ。俺はよく「エモくなるな」って言われます。


──「エモくなるな」ですか?

KANDAI:感情に任せてレコーディングをやってしまうとよくないそうなんですね。一定の気持ちで淡々とやるのが良いみたいです。

ソラ:ライブではまだ披露してないからマインドとかもまだどうなっていくはわからないけど、既存曲で越えたい曲があるんですよ。その曲を越えたいなっていうところで、最初この『SEIEN』を作り始めた部分もあるので、とにかく越えたいですね。


──航さんも同じですか?

片桐 航:レニーっぽいって言われるのもそうだし、得意ジャンルでもあるし前作よりもあまり気にしなくて良い部分があるかなって。沁みついている感じがする。スタジオで合わせているときも、そこまで気張らずに自然とこんな感じでやったらカッコよくなりそうっていうのが、もともとわかっているというか。そういう風な気持ちで出来たと思います。

「SEIEN」は初期衝動と青い炎

──「SEIEN」の歌詞には、Lenny code fictionという主人公が“ありのまま”という部分に軸をおき、真摯に突き進む決意表明がされているなと感じました。その中でも「青い炎」というものがテーマなのではないかと思ったのですが。


片桐 航:そうですね。歌詞も二転三転していて、何回もテーマが変わったんですよ。だけど「勢い」と「自分を殺さず行こう」っていう2つの主軸は必ずそこにあって。実は4日間ぐらいスタバで歌詞を書いていたんですよ。


──4日間スタバにいたんですか(笑)

全員:(笑)

片桐 航:毎日スタバに行って書いていたんですけど、スタバの雰囲気と曲が合わなすぎて…(笑)だからあかんのかって思ってきて、ツアー先でホテルに泊まって、スタッフさんと打合せをしたんです。主軸は決まっているんですけど、テーマがなかなか決まらない、スタバのせいかもしれないけどって(笑)それで2時間ぐらいがっつり話をして、「今どういう気持ちが残っているのか?自分自身を鼓舞するときって何なんだろう?」って考えたときに、初期衝動だって思って。

始めようと思ったきっかけや、けじめみたいなものが、一時の爆発的なものだと感じたけど、それは赤い炎の爆発ではなくて、静かに燃え続けているっていう感覚。目立たないけど温度は高いっていうものとリンクしているかもしれないって気付いたんです。そこからその青い炎をそのまま曲の主軸にしても良いんじゃないかって思って、曲が決まってからはすんなり作れました。


──初期衝動と青い炎が軸となっていたんですね。

片桐 航:もう一回自分の一番最初を掘り返してみたみたいな。どういう感情で音楽を始めたんやろう?って、見返して完成した1曲だと思います。


──今回歌詞にも「初期衝動」が出てきますが、皆さんは「初期衝動」を忘れてはいないですか。

ソラ:忘れてないですね。高校の軽音部で初めてライブしたっていうところから今まで、その快感が続いている。逆に言えばそのときと同じ気持ちで今もやれていると思う。ちゃんと緊張もするし、みんなが喜んでくれたら嬉しいし。精度とかレベルは違いますけど、そういう意味の初期衝動は持ち続けています。


──その「初期衝動」を持ち続けて今の活動を続けられているのは素敵なことだと思います。長く活動をしていくとその「初期衝動」を見失ってしまう時期もあるだろうし。

ソラ:見失った時期もありますけど、今はその「初期衝動」の感覚でやれていると思いますね。

KANDAI:信じられないと思いますけど中学3年生の途中まで、俺めちゃめちゃ進学校にいたんですよ。秋田県で一番頭の良い学校にいたんです!


──秋田県で一番頭の良い学校にいらっしゃったんですか!?


KANDAI:そうなんです(笑)俺も学祭きっかけで、ドラムで食っていきたいってなってから、勉強とか一切のすべてを辞めました。親にも話したんですけど、「本気でやるなら高校3年間は一切勉強しないでドラムだけやれ」っていう回答で。3年間勉強をやめてドラムとライブハウスみたいな感じで過ごしています。そのときのことを思い出すと、初期衝動や頑張ろうっていう気持ちを思えるというか。


──kazuさんはいかがですか?

kazu:僕もバンド始めたときのことというか、スタジオでみんなと音を出しているときの楽しさやライブをやっているときのこととかが忘れられなかった。だからバンド続けているっていうのが一番あるんだと思います。コロナの影響により、バンドで曲を合わせることがなかなかできなかったんですけど、ライブが決まってスタジオで数か月ぶりに曲を合わせたときに、初めてバンド練習したときの楽しみがあって。こういうのって未だに忘れてないんやなって面白かったですね。


運命が変わる現象に繋がっていく

──初期衝動は忘れてないのですね。では次の質問ですが、冒頭の歌詞に「名も知らぬ人の運命も変える」とありますが、レニーさんの音楽で人生が変わった人も多いと思います。この歌詞が生まれたきっかけは?


片桐 航:シンプルにフェスとか対バンをやっている景色を想像してっていう感じですね。まだ知らん人にもこの歌詞が届いたらいいなっていう。初期衝動を思いながらあくまで未来を見ている歌詞にしたかった。「初期衝動を持ってどうした良いんやろ?」っていうところの先が、やっぱりまだ知らん人に届いたらいいなっていうのを一行に込めました。


──ちなみに航さん自身も運命変えられたなっていうことはありますか。

片桐 航:音楽や映画のセリフでもそうだし、ふとした1行だけで考え方が変わると思います。世界観変わるまではいかなくても、「こういう考えがあるんやな」っていう運命が変わる現象に繋がっていくってことかな。この一行の歌詞が刺されば良いなって思いますね。


──歌詞の中に「心にはいつも一匹の蛇」とあります。蛇にはギリシャ神話でも再生と不死身のシンボルとされているそうですが、なぜ蛇にしたのでしょうか。

片桐 航:まず冷静さっていうのを何かに例えたかったんです。それで一番に出てきたのが“蛇”。蛇ってその神の部分もあるし、「こういう表現をしたいんですがどうですか?」ってアニメサイドにも相談したところ、その神話の話が出てきたんです。それでアニメの部分ともリンクしているし、いいんじゃないかって。「壮大な神様っていうよりも、冷静さを持っているスリリングな方が自分たちにも似合うかな?」っていう意味でこの歌詞が生まれました。


──続けて歌詞の中に「青炎はいつでも心に」と「声援はいつでも心に」という2パターンのフレーズが描かれており、表現の仕方が違うこの2つを取り入れたのが印象的でした。

片桐 航:まず「青炎」の方が先に決まっていて、ここはギミック的な要素にもなるんですけど、「青炎」をどういう風に韻を踏んでいこうかって考えたんですね。そこで「声援」っていう意味も入れたら、もしかしたらグッとくるかもしれないって思って。お客さんの声である「声援」がないと、「青炎」も何の意味もないって答えがたどり着いた。タイトルもどっちでもないというか、どっちの意味にもできるように英語にしました。


──タイトルもそういう意味が込められているのですね。

片桐 航:青い炎が主軸にあるけど、それだけじゃない意味を持たせた1曲にまとまった形です。50対50でどっちの意味も入っている。


──「昔の自分と約束をしたそれだけを追って生きている旅」という歌詞がありますが、これはどういう約束の意味が込められているのでしょうか。

片桐 航:抽象的にいうと絶対に成功してやるみたいな走り出し。初期衝動を忘れないっていう同じ意味にもなるんですけど、やるって決めたからにはやろうっていう意気込みのような感覚。細かいいつまでにこれをやるとかっていう約束ではなく、精神的な約束のような自分の意思みたいな感覚ですね。



──素敵な解説ありがとうございます。今回メンバーの皆さんは航さんの歌詞を受け取ってみて、率直にどのような気持ちを抱かれましたか。

kazu:最初僕たち、これの元となる曲としてライブで盛り上がる騒がしい曲を作っていました。その時に、「赤い炎じゃなくて青い炎だけど、もっと高温で沸々とした温度感」っていう話をされて、赤のままのアレンジじゃ歌詞の世界観に合わないなっていうのを強く感じて。それを今でも覚えています。


──赤いイメージでアレンジされていたんですね。


kazu:そうですね。赤で作っていたけど、青というイメージで言われたのでこのままじゃダメだと思い、1回考え直していました。

KANDAI:俺は歌詞のサビの頭のフレーズが刺さりましたね。あんまり着飾りたくはないタイプなので、「ありのままでいい」っていうところは俺もそう思っているし、自分らしくいようって思えたところでもあります。


──このストレートさが良いですよね。

KANDAI:そうですね。聴いてくれる人の中にも悩んでいる人がいたら、航が「ありのままでいい」って言ったらそう思って楽になれる人がいるんじゃないかなって思います。

ソラ:俺はすべてにおいて航っぽいな~って(笑)煮えたぎっているけど、実は外からじゃ意外とわからなかったり、そこも航っぽいし。このダブルミーニングを入れてくるあたりが憎いなと(笑)


──憎いなと(笑)

ソラ:憎いですね(笑)それにコールアンドレスポンスも入っているし。一つ一つの行動に意味があるというか、響きだけでグッときちゃうんですよね。「忘れる事ない初期衝動ってやつを」とか響きだけで刺さってしまうし、音の気持ちよさがある。何も言うことはないです。

「SEIEN」で一番好きな歌詞は…?

──それでは毎度お馴染みですが、「SEIEN」の中でお気に入りのフレーズを教えてください!


ソラ:「忘れたことない 初期衝動ってやつは」が好きですね。いつもなら意味のある歌詞の部分を好きになりがちなんですけど、今回脳死で入ってくるというか。こういうフレーズも魅力だなって。

KANDAI:俺は「ありのままがいい ありのままでいい」ですね。航いるから恥ずかしいですけど、昔のフレーズよりパッと耳に残るフレーズ多いなって思うんです。わかりやすいというか、俺でもわかるっていう(笑)書いている本質は変わっていないけど、より伝えようとしている感があるなって、だからここがよりよく刺さる。

kazu:僕は「心にはいつも一匹の蛇 オリジナルそして強くて華麗 君の常識だって食べよう そして牙むく彼奴でさえも」がいいですね。割と歌詞の傾向的に、ちょっとしたフックになっている部分かなって思うんです。耳にも馴染むフレーズだとも思うし、珍しい航が出てきたなって感じます。

片桐 航:「マッチ1本弱かった火が今は凛と燃え続く悲願」ですね。最初は弱々しい火を表現したいってなったときに、どういう火を想像するべきかでたどり着いたのがマッチだった。火がどうなったときに出てきた言葉が悲願だったんですけど、ここが気持ちよく踏めたところがよかったです。良い歌詞書けたなって一番思うところですね。


Psychoはお気に入りの映画から生まれた

──『Psycho』は、日頃からライブ定番曲になっており、ファンの人もお馴染みだと思うのですが、どういうことがきっかけでこの曲が生まれたのでしょうか?


片桐 航:「サイコ」っていう映画があって、その映画のロゴ感とか、ストーリー性が超好きで。そのロゴに感化されて「サイコ」っていう曲をいつか書こうっていうのが始まりなんです。最初はどんな曲にするかとか、どういう意味を持たせるかとかも考えてなくて。「サイコ」っていう映画の世界観をいつか、俺も『Psycho』っていう言葉で表現したいなっていうところからできました。それが徐々にライブ曲に仕上がっていた感じです。


──その映画はタイトル通り、サイコパスなような作品なのでしょうか?

片桐 航:そうですね、隣人が隣人の奥さんを殺すだけの映画です(笑)

全員:(笑)

ソラ:浴室でね(笑)

片桐 航:浴室で殺すみたいな感じなんですけど、そのロゴの芸術観とか全体的な表現方法に惹かれたというか。それが好きで、ずっとワードだけ残り続けていたので。


──映画始まりだったのですね。ライブでも何度か披露されていますが、ファンの方からの反響はいかがでしょうか。

ソラ:先行試写会という企画を毎年行っているんですが、去年の新曲20曲の中にも『Psycho』は入っていて。ただそれは僕らのエゴ枠というか。お客さんはあんまり響かないだろうけど、自分たちはライブでテンション上げるために入れときたいっていう曲で、入れた枠なんですよ。

たけど、結果は3位というところで、レコード会社のスタッフさんも「『Psycho』いいね」って言ってくれたし、俺らが好きなことをやってそれがみんなの好きなものになったっていう形があったのが嬉しかった。お客さんの反響もすごく良かったから、自信を持てたきっかけになった曲です。



──KANDAIさんは『Psycho』に対していかがでしょうか。

KANDAI:デモを貰った段階で俺の中でお気に入り曲だったんですよ。航から送られてきたときにかなりやる気も感じたし、フレーズをつけるときもライブを想像しながらできたし。かなり好きです。ライブでセトリに入ってないとしょげる(笑)

全員:(笑)

KANDAI:葬式で流してくれても良いぐらい好き(笑)そのぐらい狂っていたいですね。


──とても思い入れがある楽曲なんですね。kazuさんはいかがでしょうか?

kazu:『Psycho』は何も考えずにできたかな。俺たちでいう趣味枠の感じで。「ギターのフレーズこうしようぜ、ドラムはこうしようぜ」ってパッと出てくることが多くて、あんまり考えて作った曲ではないです。俺たちでいうクセのある曲を作ろうっていう感じだったんですけど、ソラが言っていた通り、お客さんや身内が褒めてくれたんで、この方向性でこういう曲をもっと増やせたらいいよねっていう話のきっかけになった曲にもなれました。

去年の僕たちは第二章始まりましたってお伝えしたと思うんですが、そのうちの1曲にもなっていると思います。


──レニーさんにとっての本能のような楽曲ですよね。

kazu:そうですね。好きなものを詰め込んだ楽曲になっていると思います。ジャンキーですけどね(笑)


キミのストレスもこうやって殺したい

──『I’m watching one of my favorite movies now. This will be my 9th time.』は、「パルプフィクション」などの映画タイトルが歌詞に綴られており、映画大好きの航さんらしい楽曲となっていますね。歌詞の中に沢山答えが出ていると思いますが、どういう経緯でこの曲が生まれたのでしょうか。

片桐 航:日常的な興奮を書いた曲なんです。「9回目のお気に入りの映画を見ている瞬間です、興奮しているのは」っていうそのままの意味で。


──そういう経緯で「パルプフィクション」を選ばれたんですね。

片桐 航:そうですね。一番見ている回数が多いのがこの映画やなって。あんまり同じ映画を見ることはないんですけど、この前9回目として「パルプフィクション」を見てそういえば歌詞完成させなって思ったから、そのまま書いた感じです。


──情景が浮かぶ歌詞が多いですが、中でも「キミのストレスもこうやって殺したい」が特に印象深かったです。

片桐 航:サウンドが先に出来上がっていたので、この曲に合うフレーズは「爆音」、「Overdose」、「殺したい」のどれかかなって思ったんですよ。そういうソリッドな言葉が合うなって思って、わざとそういうのを集めて。直接的に殺すとバンド感が変わってしまうから、ちゃんと自分たちの殺し方をするというか。その言葉たちを自分たちでどうやって使っていくか。薬で「Overdose」をしてもなんの意味もないし、感動を「Overdose」でも全く意味が変わってくるから、言葉を残しながらも意味は自分の生活感圏内で留める。そういうところが表れているなって思います。



──「心が動く回数増やして、好きだけで人生うめて 嫌いはそう、嫌いなまま これでいい」というフレーズは人生の教訓みたいですね。嫌いなものを好きになろうという肯定される雰囲気が世間ではあるけれど、レニーさんはその嫌という感情も持っていていいよってはっきり言ってくれている感じがしました。

片桐 航:そうですね。嫌いになれるのも一個の特徴というか、その人のチャームポイントになりえると思うので。嫌いを持っているのは個人的には、素敵なことやなって感じます。流されていない気がするし、そういう人がいても良いんじゃないっていう提案です(笑)


──『I’m watching one of my favorite movies now. This will be my 9th time.』は『Psycho』と近しいサウンドの部分もあると思いますが、演奏されているときはやはり異なる部分もあるのでしょうか。

kazu:これは明確に違うところがあって、『SEIEN』がドストレートで、『Psycho』が変化球、『I’m watching one of my favorite movies now. This will be my 9th time.』は、デッドボールですね(笑)

全員:(笑)

kazu:録音するときに覚えているんですけど、“まじで人を殺したろ”っていうぐらいガーって弾いたのを覚えています。


──その3種類の例えがわかりやすいですね。

kazu:そうですね。バカを詰め込んでいる曲でもあるし、うちの曲でも一番最速な曲でもあると思う。1分30分だけのワンコーラスぐらいな曲だし、走り抜けている感じですね。


──KANDAIさんはいかがでしょうか。


KANDAI:これまだライブでやっていないから、お客さんはドラムを見て引くんじゃないかなって(笑)かなり気持ちが悪いぐらい速いし変だし、ほんとにデッドボールですよ(笑)

全員:(笑)

KANDAI:デッドボールを受け続けながらレコーディングした感じなので、超大変。筋トレっていう感じ。


──セットリストにはあまり入れたくはない…?

KANDAI:入れても全然いいんですけど(笑)過去一大変ぐらい攻めています…!!!


──ライブで見るのが楽しみですね!!ソラさんはいかがでしょうか。

ソラ:ライブで見るのが楽しみって言ってくださったように、普段セトリを考えているときに後半のライブで上げきりたい場所がレニーにはあって。4曲にしたいんだけど、3分の曲を4曲ってちょっと重たいなって思って、ショートにしたりするんですよ。だけどこの曲が入ってくることによって、上げきりたいけど長くないしフルでできるなっていうのを既に想像したりしていて。良いバッターが入ってきたなって思っています(笑)


──3曲通して聴いても休めないですね(笑)

ソラ:そうですね。それ決めるときにいろんな話が出たんですけど、レニーの特徴として二面性があるのが売りだけど、今回は同じジャンル3曲でやってみますっていう話がありました。

ライブ会場で会えたら嬉しい

──JK写真も青と赤をモチーフにした青い炎が表現されていますが、どういうイメージで構想されたのでしょうか。


片桐 航:一番最初に青炎にしてほしいっていうのが、オーダーで先にありました。青い炎だけだと見た目はカッコ良くないし、中二病的なドラゴンでも歌っているニュアンスが変わってきてしまうし。直接的な炎も表現はしたくなかった。内に煮えたぎっているのが青い炎なだけやから、抽象的に表現する方法は何個かないかって相談をして、10通りぐらいの候補を出してもらって。そこから1個選んだあと、青の配分を多くできないかとかという相談をしたりして出来上がりました。


──最後に応援してくださるファンの皆さんにメッセージをお願いします!

KANDAI:『SEIEN』というシングルはアニメの主題歌っていうこともありますけど、かなりライブを意識して作っているので、ソラも言っていた通り今年は外に向けたライブをいろんな人に見てもらって規模間を上げていきたいと思います。このシングルを聴いてライブが楽しそうだなって思った人はぜひ、ライブハウスに来てほしいなって思います。

kazu:この一枚は割と僕たちの好きな同じ枠組みではあるけど、その中でもクセがあったり、ストレートだったり、突き抜けていたり、カッコいいのベクトルが違う3つがぎゅっと詰まった1枚なのです。これを聴いてライブ会場で会えたら嬉しいです。

ソラ:ロック曲3曲になったんですけど、レニーの良いところは独りよがりじゃないというか。俺らも楽しい、お客さんも楽しい、それで初めてレニーのライブは完成するなって思っていて。『SEIEN』で声出して『Psycho』で手を叩いて、『I’m watching one of my favorite movies now. This will be my 9th time.』で頭おかしくなって一緒に楽しめたらと思います。

片桐 航:3曲通してライブ曲っていう括りで、ロックサウンドで体感しやすい曲にもなっているんですけど、歌詞は繊細な部分も拘っています。一人で聴くときは歌詞に注目して、ライブは歌詞も含めやけど、サウンドの良いところを取りにきて両方で楽しんでもらえればなと思います。



TEXT みなちょ
PHOTO 片山拓

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片桐 航を中心に滋賀で結成された4人組ロックバンド。 Vo.片桐が映画から影響を受け、「欲望」「反骨」「愛おしさ」のような誰しもが持つ感情にフォーカスを当てた歌詞とバンドアンサンブルを軸にした楽曲が魅力。それらを表現し観客と共有するようなライブを追求している。全国ツアーの開催や大型···

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