結婚式でも歌われる人気曲
『魔法の絨毯』や『愛の歌』など、情感あふれる繊細なラブソングが多くの共感を呼んでいるシンガーソングライター・川崎鷹也。奥深い歌声と美しいビブラート、耳に残るメロディーラインが魅力のアーティストです。
2023年6月14日には、自身3枚目のアルバム『ぬくもり』のリリースが決定しました。
『君の為のキミノウタ』は、同アルバムにも収録された2018年リリースの楽曲で、本人いわく「彼女の誕生日に書いた曲」だとのこと。
その歌詞には愛と不安が同居するような描写もあり、ウェディングソングとしても高い人気を誇っています。
大切な人への愛があふれる『君の為のキミノウタ』。
果たしてその歌詞には、どのような想いが込められているのでしょうか。
「一瞬」を大切な君に捧ぐ
まずは1番の歌詞を見てみましょう。
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ねぇ、知ってる?今の日本の人口は
ねぇ、知ってる?1億2000万強らしい
ねぇ、知ってる?今の世界の人口は
ねぇ、知ってる?70と4億くらいらしい
君のことだから今から僕が言いたいこと
大体分かってる もう予想ついてんだろう
その予想の遥か上の上 伝わるか分からないけど
僕の言葉で 僕の声で 僕の歌で
≪君の為のキミノウタ 歌詞より抜粋≫
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「ねぇ、知ってる?」に始まり、人口データを話題に出すちょっと不思議な歌い出しですね。
しかし、対話の相手である「君」は、そんな不思議な問いかけから「僕が言いたいこと」を予想できるとあります。
主人公「僕」は、言いたいことがあるときの癖を「君」に知られている自覚があるようです。
ふたりの親密さがナチュラルに伝わってきますね。
ただ、ここで「僕」が伝えたいのは「その予想の遥か上の上」。
大切な相手に、自分自身の言葉で大事なことを伝えたい様子です。
次の歌詞(サビ)を見てみましょう。
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君がこの世に生まれたこの奇跡は
僕が君と出会えたこの奇跡は
今も信じられないこの景色が
君への想い溢れて仕方ないや
137億年の中の一瞬のこの命だけど
君の為だけに捧ぐから
≪君の為のキミノウタ 歌詞より抜粋≫
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日本、そして世界にたくさんの人がいるなか「僕と君が出会えた奇跡」。
出会えただけでも奇跡的なのに、さらに互いに惹かれ合い、今まさに隣にいるという現実。
愛しい人と一緒にいられる毎日に、「僕」は胸いっぱいの愛を感じているようです。
宇宙の誕生から「137億年」が過ぎた今。
そんな一瞬の命を「君の為だけに捧ぐ」と「僕」は語ります。
ここで綴られているのは、紛れもない「僕」からのプロポーズだと解釈できるでしょう。
「君の為だけのキミノウタ」
ここからは2番以降の歌詞を見ていきます。
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ねぇ、知ってる?今の僕の心の中
ねぇ、知ってる?実はすごく不安で
ねぇ、知ってる?今の僕の胸の奥
ねぇ、知ってる?実はすごく怖いんだ
君が魅力的で愛しすぎて笑う度に
本当に僕でいいの?ここでいいの?
考えて眠れないんだ
『君でいいよ 君がいいの ありのままで』
君はそう言うよ それも分かってるんだよ
≪君の為のキミノウタ 歌詞より抜粋≫
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結婚を決意した「僕」ですが、胸の奥にある不安や恐怖心は拭えないようです。
自分に自信が持てず、「本当に自分でいいのか」や「今ここで決めてしまっても大丈夫なのか」と、眠れないくらいに思い悩んでいることが分かります。
また「たとえそれを打ち明けても相手は自分を肯定してくれる」ということも「僕」は理解している様子です。
互いをよく知っているからこその不安感やもどかしさが伝わってきますね。
それでも「僕」は、愛や奇跡、そして何より大切な「君」を信じて前へと進みます。
終盤の歌詞を見ていきましょう。
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君がこの世に生まれたこの奇跡は
僕が君と出会えたこの奇跡は
今も信じられないこの景色が
君への想い溢れて仕方ないや
君がこの世に生まれたこの奇跡は
僕が君と出会えたこの奇跡は
誰にも邪魔させないこの時間は
君への愛溢れて仕方ないや
137億年の中の一瞬のこの命だけど
君の為だけに捧ぐから 君の為だけに歌うから
これは君の為だけのキミノウタ
≪君の為のキミノウタ 歌詞より抜粋≫
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想いや愛があふれて「仕方ないや」とこぼす「僕」。
相手の魅力に降参して照れているようにも聴こえます。
宇宙の歴史のなかでは「一瞬」の人生。
「僕」がその尊い時間を捧げられるのは、やはり「君」だけだったようですね。
そして締めは「これは君の為だけのキミノウタ」。
「キミノウタ」がカタカナ表記なのは、届けたい相手一人だけに向けた特別な歌であることを表しているからかもしれません。
曲の主人公「僕」だけでなく、愛を届けたい人すべてが、大切な人とまっすぐに向き合ってこの歌を届けられたら素敵ですね。
かけがえのない日常を大切に
今回は、川崎鷹也『君の為のキミノウタ』の歌詞の意味を解釈しました。大切な人を大切に思っているからこその「愛」や「不安」。
そういった繊細な感情がしみじみと伝わってくる歌詞でしたね。
人口データや宇宙の歴史など、スケールの大きなものとの対比により、目の前の「愛」の尊さがより際立っているようにも思えます。
当たり前のようでかけがえのない日常は、命ある限り大切にしていきたいですね。