アニメをメタルカバーする伝説のバンド、アニメタル。そのアニメタルをつぐプロジェクトがANIMETAL THE SECONDです。謎の女性ボーカルQueen.Mが、人気アニメ主題歌を力強くカバーします。メタルとアイドルの融合をコンセプトにしたBABYMETALの世界的ヒットもあり、今メタルは再注目されているジャンル。ANIMETAL THE SECONDは、そんなメタルとアニメ曲の両方の良さを再発見できる存在であると言えるでしょう。
ANIMETAL THE SECONDが、NHKの歌番組に出演した際に披露したのが『コネクト』。元メガデスのマーティ・フリードマンがギターで参加しています。『コネクト』はテレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のオープニングテーマ。原曲を歌うClariSの2枚目のシングルにあたる『コネクト』は、通称まどマギの世界観を見事に凝縮している曲。アニメを観た人であれば、内容と歌詞がリンクしていると感じたはずです。
原曲をメタルアレンジしたANIMETAL THE SECONDの『コネクト』。全体的により力強くエモーショナルになっています。
“いつになったらなくした未来を 私ここでまた見ることできるの?
溢れ出した不安の影を何度でも裂いて この世界歩んでこう”
「なくした未来」を「また見る」「何度でも」というフレーズがアニメの内容にそっていることが分かります。まどマギは、ちょっとしたことがネタバレにつながりやすい話なので詳細を説明しにくいのですが、主題歌はきちんと内容を反映しています。
そして、このアニメを全く知らなくても、この歌詞に励まされる人はいるでしょう。「不安の影を何度でも裂いて」というフレーズは、人生そのものだからです。不安なことがあっても、何度でもそれを取り払って人生を歩んでいく。曲そのものが持っている力をQueen.Mの力強いボーカルが引き出します。
“目覚めた心は走り出した未来を描くため 難しい道で立ち止まっても
空はきれいな青さでいつも待っててくれる だから怖くない
もう何があっても挫けない”
原曲でも印象深いサビのフレーズ。疾走感あふれる曲のテンポと「心は走り出した」という表現がマッチしています。「目覚めた心は走り出した未来を描くため 難しい道で立ち止まっても」という表現は、アニメにハマった人ほど泣けるフレーズ。このアニメは、より良い未来を作ろうと登場人物達がもがくストーリー。いくつも「難しい道」にたどり着きますが、そのたびに「挫けない」という内容です。
そして、人が走り出す時の気持ちそのものを歌っているとも言えるこの曲。ANIMETAL THE SECONDの力強いメタルアレンジ、激しいボーカルが「走り出した」感を強めています。
“きっと奇跡はおこせるだろう 交わした約束忘れないよ
目を閉じ確かめる 押し寄せた闇 振り払って進むよ”
「交わした約束忘れないよ」というフレーズも、ANIMETAL THE SECONDが歌うことでより強い約束のイメージを持ちます。Clarisが「切ない」なら、ANIMETAL THE SECONDは「力強い」。そういったカラーの違いがあります。
原曲をメタルアレンジすることで、より切迫した感情を表現しているんですね。原曲の良さにはかなわないと感じる人も勿論いるでしょう。しかし、メタルアレンジされることで、この曲が持っていた力強い要素に改めて気付いた人も多いはず。ANIMETAL THE SECONDは、名曲を再発見させてくれるのです。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)