Mrs. GREEN APPLE「嘘じゃないよ」歌詞の意味を考察！温度差が大きすぎた「貴方」と「私」

4thアルバム『Attitude』収録曲

2022年3月、「フェーズ2開幕」として新しいスタートを切ったMrs. GREEN APPLE（通称、ミセス）。

以降『ダンスホール』や『ケセラセラ』など、日常をポップに彩る楽曲で目覚ましい活躍を見せている大人気バンドです。

今回考察する『嘘じゃないよ』は、2019年10月にリリースされた1曲。

4thアルバム『Attitude』の収録曲になります。

「フェーズ2」の幕開けとなったアリーナ公演「Mrs. GREEN APPLE ARENA SHOW “Utopia”」では、表題曲『Attitude』が披露されて多くのファンを歓喜させました。

『Attitude』がミセスとファンの距離をグッと近づけた一方、『嘘じゃないよ』では恋愛関係における「距離の近さゆえの別れ」が綴られているようです。

そこで今回は、「本音を言い出せずに恋が終わった女性」という視点で『嘘じゃないよ』の歌詞を考察していきたいと思います。

まずは歌い出しです。

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胸のこの痛みは
もう貴方が最後かもしれない
ほらね もどかしいの
容易く崩れてしまうことも わかるから
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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もどかしさに胸を痛めている様子の主人公。

「容易く崩れてしまう」という直感は、砂の城のように儚い「恋人との理想の未来」に対してよぎったものだと解釈できそうです。

大切な相手だからこそ考える将来。

主人公の心がキュッと痛むのは、理想の将来が実現しないことを悟ったからかもしれません。

特別な「貴方」との別れを予感させます。

眩しすぎる「貴方」、優しすぎる「私」

続いて、1番の歌詞を見ていきましょう。

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｢好き｣って言えたら
どれだけ楽か
ほらまた力んだ また息んだ
｢貴方と居たい｣と言えたら
どれだけ楽か
まだまだ一歩も踏み出せてないな
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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本当は「好き」なのに、本当は「貴方と居たい」のに、主人公は素直な気持ちを言葉にできずに悩んでいるようです。

また、伝える努力をしながらも「まだまだ一歩も踏み出せてないな」とこぼしており、主人公の真面目さや優しさも伝わってきますね。

次の歌詞も見てみましょう。

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どの果実も同じような
味しかしないな なんなんだ
貴方が眩しすぎるが故に
美しい太陽よ 私の側でさ
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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「どの果実も同じような味しかしない」からは、尊い「貴方」とのあらゆる体験がぼんやりと実感の薄いものになっていることが読み取れます。

もしかしたら主人公は、「美しい太陽」たる「貴方」を自分に釣り合わない相手だと感じているのかもしれません。

次に、2番の歌詞を見てみましょう。

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寄り添い合えたら
どれだけの不幸をも
愛しく思えてくるんだろうな
互いに傷つき離れる事があっても
気づいてはいるから戻ってくるんだ
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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「寄り添い合えたら」と夢想するのは、互いの想いや価値観にズレがあるからでしょうか。

不幸さえ愛しく思える「寄り添い合える関係」とは、おそらく結婚して家族になるということでしょう。

そうなることができれば、多少のトラブルでは動じない強い絆が2人を繋ぎ止めてくれそうです。

しかし、現実はそう単純にはいきません。

次の歌詞では主人公の苦悩が綴られています。

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どの愛の歌も
いまいちしっくりこなくて困ってるよ
なんなんだ
助けてほしいの 温めてほしいの
その感情がさ 私の弱さだ
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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大好きな相手ゆえに味がしない毎日、次のステージに進めないもどかしさ。

純愛とも失恋とも片思いとも違う現況は、世にあふれる「愛の歌」ではカバーされていないようですね。

「なんなんだ」と混乱を隠せず、助けや温もりを欲する「私」。

相手よりも繊細で痛いほど高まる恋しさを「私の弱さだ」と自覚している様子です。

優しすぎる主人公の悩みは尽きません。

気づいてほしかった「嘘」

ここではサビの歌詞を中心に解釈していきます。

まずは1番と2番のサビです。

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泣いたのは
決して貴方のせいではないよ
嘘じゃないよ
割り切るのは
別になんともなく生きていけるよ
嘘じゃないよ
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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隠したのは
嫌われたくないからじゃないよ
嘘じゃないよ
夢見たのは
決して貴方のせいではないよ
嘘じゃないよ
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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もどかしい現状に涙したこと、明るい未来を夢見たこと。

「決して貴方のせいではない」と強調して「嘘じゃないよ」と添えるのは、主人公の精一杯の強がりと優しさなのでしょう。

割り切って別れても「なんともなく生きていける」というのも、どこか空元気のように聴こえますね。

本当は「好き」で「貴方と居たい」のに、主人公は素直な気持ちを隠してしまいました。

一方、Cメロ以降では、そんな彼女の本音と決意がうかがえます。

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これじゃ夜も眠れないよ
心配ないよ 嘘じゃないよ
またそうやって嘘をついて
行ったり来たりの思いも
まとまりきらない愛も
悲惨に沈むなら
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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眠れないほど悩んでいながら「心配ないよ 嘘じゃないよ」と語る主人公。

「またそうやって嘘をついて」というフレーズからは、これまでの「嘘じゃないよ」が本当は嘘だったことが読み取れます。

頭の中を駆け巡る悩み、寄り添い合えない不均衡な愛。

これらに消耗して、めちゃくちゃに終わってしまうなら…

そう思い至った主人公は、どうやら「貴方」との決別を選んだようです。

最後のサビを見てみましょう。

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離れるのは
別に貴方のせいではないよ
嘘じゃないよ
笑ってるのは
無理をしているわけではないよ
嘘じゃないよ
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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「貴方」を責めず、涙も見せず。

優しさと強がりで無理をしながらも、主人公は笑って別れを告げた様子です。

とはいえ、それらもまた本心ではありません。

ラストにこぼしたのは、次の一言。

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嘘じゃなくないよ嘘じゃないよ
≪嘘じゃないよ 歌詞より抜粋≫
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「嘘じゃなくないよ」こそが、主人公の本音なのでしょう。

これまでに繰り返してきた「嘘じゃないよ」は、嘘じゃなくないことに気づいてほしいサインだったのかもしれません。

それを踏まえて全てのサビを読み返すと、彼女の本心がより克明に見えてきそうです。

温度差の小さな幸せを

今回は、Mrs.GREEN APPLE『嘘じゃないよ』の歌詞の意味を考察しました。

一筋縄ではいかない関係性、優しく控えめな主人公の葛藤などが印象的な歌詞でしたね。

「貴方」に関する情報が「美しい太陽」としての描写だけなのも、2人の温度差をいっそう際立てているように思えます。

理想の相手と付き合ったからといって理想の未来が手に入るとは限りません。

余計な優しさで消耗したり、無理に強がって苦悩したり。

そういったストレスなく本音を言い合える相手こそを、ずっと大切にしたいものですね。