映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-」主題歌
大人気ロックバンド・SUPER BEAVERが手がける、映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』主題歌『儚くない』。2023年6月28日にリリースされた1曲です（作詞作曲：柳沢亮太）。
「東リベ」とのタッグは、前作の主題歌『名前を呼ぶよ』に引き続き2度目。
「血のハロウィン編 -運命-」（前編）の『グラデーション』とともに、『儚くない』が映画「東リベ2」のシーンを彩ります。
同年6月17日にはMVが公開され、映画主題歌としてはもちろん、“ビーバーの音楽”として多くのリスナーの心を掴んでいるようです。
さらに7月にはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でも『儚くない』が披露され、魂のこもったパフォーマンスはたくさんの視聴者の感動を誘いました。
人生や命、大切な人など、誰にとっても重要なテーマを含んでいる『儚くない』。
果たしてその歌詞には、どのような意味が込められているのでしょうか。
「慣れないから美しい」
まずは1番の歌詞から見ていきましょう。
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いつまでもないと わかっていても
いつまでもあってほしい
僕は死ぬことが 年々怖くなってる
その弱さは 憎めないな
≪儚くない 歌詞より抜粋≫
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「いつまでもあってほしい」と主人公が望むのは、仲間や恋人との繋がりでしょうか。
続く歌詞には「僕は死ぬことが 年々怖くなってる」とあるので、もしかしたら大切な人の命についての望みなのかもしれません。
人生が進むほど大切な人が増え、今の幸せを失うことが怖くなる。
そんな憎めない弱さを持つ主人公のようですね。
ヒナタの死や東京卍會の崩壊を止めようともがくタケミチにも通じるものがあります。
次の歌詞も見てみましょう。
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なくなるから 大事にするんじゃない
大事だから なくなれば 辛いんだろう
≪儚くない 歌詞より抜粋≫
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大事な人がいなくなる世界線を知るタケミチ。
「なくなるから大事にするんじゃない」というフレーズは、そんな彼だからこそ抱ける信念だといえそうです。
誰かを大切に思う気持ちに理由はいらない。
そんなことに気づかせてくれる一節ですね。
続いて、サビの歌詞に入ります。
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儚いから美しいなんて
命には当てはまらなくていい
慣れないから美しいんだねって
笑いながら しぶとく 僕は 生きていたいよ
願わくば 一緒に
≪儚くない 歌詞より抜粋≫
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咲いては枯れる花、生まれては消える命。
その美しさの理由を「儚さ」に求めるのは不自然なことではありません。
しかしここでは「儚いから美しい」のではなく「慣れないから美しいんだ」とあります。
一生が長くても短くても、1つ1つのシーンにあくせくしながら、不器用でも不器用なりに人生を歩んでいけばいい。
そしてそれが大切な人と一緒であれば、いっそう人生は美しい。
そんな「慣れないゆえの美しさ」を大事に、仲間と笑い合って生きていきたいという思いが伝わってきますね。
「今更」でなく「今から」
続いて、2番の歌詞を見ていきましょう。
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いつまでもないと わかっていても
そのとき 涙は溢れるだろう
でも 僕は幸せが 年々怖くなくなってる
この心は 誇っていたいな
≪儚くない 歌詞より抜粋≫
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永遠には続かない大切な人との日常。
生きていれば必ず別れの時が来ます。
そんなことを思いながらも、主人公は「幸せが年々怖くなくなってる」とのことです。
きっと「失ったらどうしよう」といった余計な不安にとらわれることなく、今を大切に生きることができているのでしょう。
さらに続く歌詞はこちら。
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なくなるなら 気づきたくなかったかい
気づけたから 救われた 夜もあったろう
≪儚くない 歌詞より抜粋≫
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失って初めて大切さに気づくというのは、よくある話です。
どうせ失って傷つくなら「大切さなんて知らなくていい」や「1人だって構わない」などと考えるのも無理はないかもしれません。
一方、自分が消えてしまいそうなほど辛いときに気づける「大切」もあります。
仲間との繋がりは、その最たるもの。
手を差し伸べてくれたり背中を押してくれたり、同じ方向を向いて戦ったり。
大切さに気づけることで救われる夜とは、そんな尊い仲間たちによって癒される孤独のことなのかもしれません。
続いて、サビの歌詞です。
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後悔が悪いわけじゃないんだ
その理由がいつも初めてならいい
慣れないから寂しいんだねって
笑いながら 泣いて 泣いて 今更じゃなくて
今からどう生きるって 問い続けたいよ
≪儚くない 歌詞より抜粋≫
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何度後悔したとしても「その理由がいつも初めてならいい」。
たくさん失敗しながら新しい「大切」を見つけていこうと思えるフレーズですね。
ヒナや東卍を救おうと奔走するタケミチにも重なります。
「慣れないから寂しい」というのは「うまくいかない人生だからこそ1人ではダメで、支え合える存在が必要になる」といったニュアンスでしょうか。
そんな弱さをこぼせる相手と、笑いあり涙ありの人生を歩む。
「今更」とあきらめるより「今からどう生きるか」を考え、希望を持って生きていけたら素敵ですね。
「儚くない」けれど「生きてこそ」
ここからは終盤の歌詞を見ていきます。
まずはCメロの歌詞です。
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人はいつか必ず会えなくなるんだろう
今じゃないと 信じたい 伝えたい
油断じゃなく 願いだ
≪儚くない 歌詞より抜粋≫
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1番と2番では、冒頭に「いつまでもないと わかっていても」とありました。
ここでも主人公は、いつか必ず来る別れの瞬間を思っている様子です。
そしてその時が「今じゃない」と信じ、伝えたい。
「油断じゃなく願いだ」とは、誰かの存在を当たり前と思って軽んじるのではなく、尊い仲間たちと共有できる「今」を大事に生きていきたいという意味なのではないでしょうか。
続いて、最後のサビです。
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儚いから美しいなんて
命には当てはまらなくていい
慣れないから美しいんだねって
笑いながら しぶとく 僕は 生きていたいよ
願わくば 一緒に 生きていこうよ
儚くないんだよ
歪でもいい 無様でもいい ごめん やっぱり思っちゃうよ
生きてこそって 生きていてって
≪儚くない 歌詞より抜粋≫
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1番では「願わくば一緒に」でサビが終わりましたが、ここでは「生きていこうよ」まで伝え切れていますね。
さらに注目すべきは、後半の歌詞。
歪（いびつ）でも無様でも「生きてこそ」。
もしかしたら、主人公が頭に描いている大切な人はすでにこの世にいないのかもしれません。
「ごめん やっぱり思っちゃうよ」以降の言葉には、その人が生きていてほしいという強い思いがにじんでいるように思えます。
ヒナの死をはじめ、多くの喪失を経験するタケミチ。
それでも彼は、ときに大切な記憶を思い出しながら困難に立ち向かっていきます。
「儚くないんだよ」という一言は、「ともに過ごした思い出が残っている以上、故人の生きた証は消えやしない」と信じたい気持ちを表しているのではないでしょうか。
『儚くない』には、亡くなった大切な人の姿や思いを胸に留め、ともに人生を全うしようという決意が込められているのかもしれません。
「東リベ2」も見て、多様な解釈を
今回は、SUPER BEAVER『儚くない』の歌詞の意味を考察しました。誰の人生にも刺さるものがある優しく熱い歌詞でしたね。
この歌を聴いて大切な人の顔を思い浮かべたという人も多かったのではないでしょうか。
なお今回の考察では、ときおりタケミチの境遇を重ねつつ歌詞を解釈しました。
とはいえ、東リベは魅力的なキャラクターばかりなので、他の登場人物に焦点を当ててもエモーショナルな歌詞の世界を見出せることでしょう。
ぜひ劇場に足を運んで、「東リベ2」と『儚くない』の最強のコラボレーションを楽しんでみてください。
SUPER BEAVER（スーパービーバー）。 渋谷龍太（Vo）、柳沢亮太（G）、上杉研太（B）、藤原“35才”広明（Dr）の4人によって2005年に東京で結成された。 2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビュー。 2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、···
