梶原岳人3rdミニアルバム「人生のライフ」の魅力を紐解く
TVアニメ『ブラッククローバー』『炎炎ノ消防隊』『呪術廻戦』など数々の話題作に出演し、持ち前の柔らかくも芯の通った声と確かな表現力で多くの人を虜にする人気声優・梶原岳人。2020年11月より開始したアーティスト活動も精力的に行っており、2023年10月25日に3rdミニアルバム『人生のライフ』をリリースしました。
「人生のライフ」というタイトルは、人生の残り時間をゲームにおいての生命力“ライフ”と重ねて生まれたものです。
日々の暮らしの中で、体力が落ちてきたり親の背中が小さく感じたりしたことから「生きていく時間のはかなさ」について考えることが多くなったのだそう。
その中で自分は「あとどれだけのことができるんだろう」「どれだけ後悔しないように生きられるんだろう」。
そんな自問自答の末、決して見ることのできない“人生のライフ”を意識しながら一度きりの自分の人生を後悔なく大切に生きたいと強く思い、このアルバムが誕生するに至りました。
本作では聴く人も前向きな気持ちになれるようなポジティブさがコンセプトとなっています。
収録曲はGalileo Galileiの尾崎雄貴、TRIPLANEの江畑兵衛、あたらよのひとみ、セカイイチの岩崎慧らによる提供楽曲4曲と、梶原岳人本人が作詞作曲した1曲からなる全5曲。
優しく温かみのある歌声とそれぞれの楽曲に込められた前向きなメッセージが頑張る力をくれる魅力的なアルバムです。
今回はその中から3曲をピックアップしてご紹介します。
Galileo Galilei尾崎雄貴による提供楽曲「はじめちまったんだ」
アルバム1曲目に選曲されている『はじめちまったんだ』は、Galileo Galileiの尾崎雄貴が作詞作曲を務めた楽曲です。7月26日より先行配信が始まり、3カ月にわたってアルバムリリースへの期待を高めてくれました。
タイトルからも感じられるように、この楽曲では自らスタートを切ったのだから「やってみるしかないだろう!」と開き直って前進していくハツラツとした気持ちが表現されています。
Galileo Galileiが再始動して間もないタイミングで書いたということもあり、自然と“物語の始まり”やバンド演奏を意識した楽曲になったのだそう。
爽快感のあるバンドサウンドに乗った梶原岳人の真っ直ぐな歌声が、自信を持って歩く主人公の姿を想像させてくれるでしょう。
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あぁ君がいる 声をかけなくちゃ 昨日のことを
でも ハローも なんにも 声が出なかった
≪はじめちまったんだ 歌詞より抜粋≫
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1番にあるこの歌詞を見ると、初々しさや不器用さが感じられます。
好きな人や喧嘩をした友達に声をかけたいのに挨拶の言葉すら喉につかえてしまう場面は、きっと多くの人が経験したことがあるでしょう。
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ああ もう 僕らのせいなんだ ねえ はじめちまったんだ
君の目は 今 なにを見てるの? なにを映すの?
全部 僕らのもんなんだ ねえ! 分からなくても
感じてしまったなら 止められないよ
僕らがやったんだ
≪はじめちまったんだ 歌詞より抜粋≫
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サビでは「分からなくても感じてしまったなら止められないよ」とあるように、自分でもまだ頭で理解できていないものの、心で感じたままに行動したいという気持ちが伝わってくるのではないでしょうか?
挨拶もろくにできなくても、大切に思う人が見つめているものを知りたい気持ちは本当です。
心が動き「はじめちまった」から、この想いももどかしさやときめきも「全部 僕らのもんなんだ」という宣言が明るい気分にしてくれます。
梶原岳人作詞作曲の楽曲「灯りと妄想」
アルバムの3曲目に位置する『灯りと妄想』は、梶原岳人本人が作詞作曲した楽曲です。リズミカルなメロディとリスナーの心を掴むエモーショナルな歌声が合わさり、夏のピュアな恋の眩しさを鮮明に表現しています。
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遠回りだって嫌いじゃなくて
毎日ね、無駄なことほど好きになっていて
≪灯りと妄想 歌詞より抜粋≫
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1番冒頭の歌詞から、印象的なフレーズに引き込まれます。
忙しい日々の中ではつい近道をしたくなったり、無駄なことはしたくないと思ったりする場面が多いでしょう。
しかしここでは「遠回りだって嫌いじゃなくて」「無駄なことほど好きになっていて」と歌われています。
遠回りした先の景色や無駄なことをして初めて知る発見を楽しもうとする心の余裕が感じ取れます。
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はるか先にある
君の香りまで
追いかけさせてよ
どんな場所でも見つけてみせるから ルララ
はるか先にいて
手が触れられなくとも
むず痒くなる夏の匂いに塗れて
走れ 君まで
≪灯りと妄想 歌詞より抜粋≫
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無駄なことさえ楽しめるのはきっと恋をしているから。
サビの「追いかけさせてよ」や「手が触れられなくとも」という歌詞から、主人公の片思いだと解釈できそうです。
姿が見えなくても香りで見つけられるほど、その想いは育っています。
気持ちが通じるかは分かりませんが、彼は両思いだから恋をしたわけではありません。
「夏の匂い」にあてられて加速する恋心に後押しされるように好きな人の元へ駆けていく主人公の姿を想像すると、恋する楽しさが思い出されるでしょう。
結果がどうあれ、自分の気持ちに真っ直ぐに行動するならどんなに小さなことも幸せの糧になるという前向きな考え方が伝わってきます。
セカイイチ岩崎慧提供のアルバムリード曲「アメノチハレ」
アルバムの最後を締めくくるリード曲『アメノチハレ』は、セカイイチの岩崎慧が作詞作曲した楽曲です。本作ではかねてよりバンドサウンドにこだわってきた梶原岳人念願のバンド演奏のMVとなっています。
さらにMVの撮影メンバー内二人は、梶原岳人が学生時代に組んでいたバンド仲間。
かつての気の置けない仲間たちが集まり、それぞれ大人になった彼らが生き生きと思うままに楽器をかき鳴らす姿にはきっと青春を感じることでしょう。
晴れた空にマッチする爽やかで一体感のある熱いグルーヴが聴く人の心を沸き立たせてくれるはずです。
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好きで奇妙な心と書いて好奇心と読む
探究心はいつだって僕に新しい扉をくれる
≪アメノチハレ 歌詞より抜粋≫
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1番に登場するこの歌詞は好奇心や探求心を持つことの素晴らしさを教えてくれます。
「好きで奇妙な心」と書くように他人から見れば奇妙に思えるかもしれませんが、自分の知りたい気持ちに正直であれば様々な扉を開く機会が生まれるのだと、積極的であるように励ましてくれます。
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手を伸ばして 欲しがって
読めない空気は読まなくて良い
雨のち晴れ 手の鳴る方へ
心が動く方へ僕は歩いていくよ
≪アメノチハレ 歌詞より抜粋≫
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サビの「読めない空気は読まなくて良い」という言葉は、多くの人の気持ちを楽にしてくれるでしょう。
周囲の人の考えや世間一般の常識に囚われてしたいことを諦めるよりも、自分の心の動きを大切にしてもっと自由に生きていいと伝えています。
“人生のライフ”を後悔なく使い切るために重要な考えが読み取れますね。
梶原岳人「人生のライフ」は名曲揃いのアルバム!
音楽を通して自分の想いをありありと表現する梶原岳人のニューミニアルバム『人生のライフ』の収録曲は、明るく温かい歌声とメッセージが聴く人の背中を優しく押してくれる楽曲ばかりです。2023年11月と2024年1月には約1年ぶりとなるワンマンライブの開催が決定しており、今後のアーティスト活動にも期待が高まります。
ぜひ『人生のライフ』の楽曲を聴きながら、梶原岳人の声と共に毎日をポジティブに過ごしてくださいね。