「Love 119」のMVが世界で話題を席巻!
2024年1月5日にリリースされた4thデジタルシングル『Love 119』は、2023年9月に韓国のSMエンタテインメントからデビューしたボーイズグループ・RIIZE(ライズ)のポップダンス曲です。初恋を緊急事態に例えた今作は、iTunesトップソングチャートにおいて全世界9ヶ国で1位を獲得する大ヒットとなりました。
甘いピアノのリフとビート感のあるドラムラインの対比が、恋の甘さと気持ちが高まる様子をファンタジックに表現しています。
同月24日にはグループ初の日本語Ver.が配信リリースされ、自然な日本語の歌詞が音楽ととてもマッチしていると多くの日本のファンを虜にしています。
またファンの間でさらに注目されているのは、日本で撮影されたドラマ仕立てのMVです。
細部まで作り込まれた内容は、オリジナルVer.と日本語Ver.ではややストーリーが変更されており、考察が過熱しています。
今回はMVの違いにも注目しながら、その気になるストーリーを考察していきましょう。
謎のメッセージと動き出す恋
MVは2024年1月1日に少年が部屋で目覚めるところから始まります。
このシーンはオリジナルVer.ではSOHEE(ソヒ)ですが、日本語Ver.ではSHOTARO(ショウタロウ)に変わっていて、2つのMVで主人公が変化していることが読み取れます。
少年が自身のスマホの異変に気づいた時、バックではニュースキャスターらしき女性の声で「6つの発射体から打ち上げられた人工衛星が落下する可能性がある」という旨のアナウンスが流れている点が重要なポイントです。
少年のスマホには宛先人不明のメッセージが届き、そこには「1月5日(24日)6時君は恋に落ちる。」と予言めいた内容が記されています。
メッセージ内の日付はそれぞれのリリース日となっていて、RIIZEからリスナーへのメッセージのようにも感じられますね。
このメッセージは電車で通学中のWONBIN(ウォンビン)の元にも届きますが、彼はいたずらと思ったのか首を振ってスマホを仕舞います。
しかし、電車を降りようとした時にすれ違った女子高生に目を奪われ、その時刻は予言通り6時でした。
ちなみにこの女子高生役として出演しているのは日本人モデルの三嶋ひなで、楽曲とMVの儚い雰囲気ととても合っていますよね。
メンバーたちはいつも通りの日常を送りますが、WONBINだけでなく6人全員が同じ女子高生に心惹かれているようです。
SHOTAROは同じ練習室を使う彼女に想いを寄せています。
カラオケにいるSOHEEは彼女のSNSをこっそり見ていましたが、間違えて「いいね」を押してしまいました。
EUNSEOK(ウンソク)は午後6時に偶然見かけた彼女が気になっているようですが、遠くから見つめるだけです。
SUNGCHAN(ソンチャン)は彼女と友達関係のようで、恋人になりたくて必死にアピールしますが上手くいきません。
放課後の教室では、彼女と同じクラスのANTON(アントン)が机に手紙を入れようとしたものの、机の中はすでに手紙が何通かあり入れることを断念します。
2つのMVはパラレルワールドを表している?
6人全員が1人の少女に惹かれつつも行動に移せない中、WOBINは夜の駅のホームで彼女と再会しました。
電車が到着したにも関わらずホームに留まる彼女に近づいた彼が何かを告げた時、SOHEEは上空に彗星のようなものが流れるのを目にします。
そこで「今年の初めに発射された人工衛星発射体の3(4)番目の発射体が本日早朝に墜落しました」というアナウンスが流れます。
おそらく彗星に見えたものが発射された人工衛星だったと考えられますが、ここで注目したいのは墜落した発射体がオリジナルVer.では「3番目」だったのに対し、日本語Ver.では「4番目」に変わっている点です。
メッセージが届いたのが同じ日であったことをふまえると、パラレルワールドを描いていると解釈できるでしょう。
しかし、どちらの世界でも状況は大きく変わらず、駅のホームでWONBINと会話したのが彼女の最期になってしまったようです。
その会話の中で彼女が首を横に振っているシーンがあるため、彼女は意思を持ってそのホームに留まったと思われます。
彼女の死は、その後人工衛星の墜落に巻き込まれたことによるものだったのかもしれません。
一方で、彼女の机の中にあった手紙はラブレターではなくいじめによるもので、彼女がいじめを苦にして自殺したと考察することもできるでしょう。
どちらにしても、彼らの心を奪った彼女はもういなくなってしまいました。
想いを伝えられなかった彼らが迎える切ない結末
続くシーンで、彼らには最初の1月1日以降もメッセージが届いていたことが分かります。
1月5日(24日)には「決心したなら、表現しなければならない」、9月4日には「私の代わりに伝えてほしい」、12月17日には「12月31日 2番乗り場 最後のチャンス」。
そして、12月31日のメッセージには「君はすごく後悔し悲しみこれからも忘れることができないだろう。私は未来の君だ」という言葉が確認できます。
つまり、未来の自分が想いを伝えられないままでいたことを後悔し、過去の自分にチャンスを逃さず想いを伝えてほしいと願ってメッセージを送ってきていたということです。
そしてこのメッセージを見て、WONBINは駅のホームで彼女に声をかけたのでしょう。
WONBINが語った言葉はMV内では明かされていませんが、グローバルファンダムプラットフォーム「Weverse」の中で、「これ終電なのに…」と言ったと語られています。
未来の自分の願いも虚しく、想いを告げることはできなかったようです。
そしてメンバー全員が悲しい表情をしていることから、どちらの世界でも誰も行動できなかったことが読み取れます。
さらにWONBINだけが彼女と対面して想いを告げるまであと一歩であっただけに、唯一涙を流す彼の悔しい気持ちが理解できます。
その後、黒い服を着た彼らが彼女と一緒に雪の中を楽しく遊ぶ様子が映りますが、これは幻想で彼らの強い願いが見せた夢なのでしょう。
彼らのそばや学校で白い蝶が飛んで行くシーンも印象的です。
蝶と言えば、女の子が身に着けていたヘッドホンに蝶のシールが貼られていたことを思い出させます。
ふわふわと捉えどころがなく飛んでいく蝶に、誰も捕まえられなかった彼女のことを重ねたと考察できそうです。
シーンが切り替わるとその映像がテレビに写っていることから、主人公が過去のビデオを再生していたことが窺えます。
オリジナルVer.ではここで終わりますが、日本語Ver.では暗い部屋に座るSHOTAROが映し出されます。
そして「送りたいメッセージはありますか」というフレーズが聞こえてきます。
視線を上げた彼の表情には力強さが感じられるため、もう二度と自分の想いを伝えることから逃げないと決意を固めたところなのかもしれません。
さらに未来の自分からメッセージが来たことを振り返ると、この悲しく苦い未来を変えるためにこの時の彼が過去の自分へ連絡したとも解釈できます。
MV全編を通して、未来を変えるためには自分を大きく変化させて行動しなければいけないことを訴えているように思えます。
MVのストーリーとメンバーの表情に注目!
RIIZEの『Love 119』では、青春の初々しさと想いを伝える難しさが描かれていました。映画を見ているような見どころが詰まった映像と予想外なストーリーで展開される2種類のMVは、ぜひどちらもじっくりと楽しんでほしい作品です。
感情を込めて演技するRIIZEの繊細な表情にも注目しながら、楽曲を余すところなく堪能してくださいね!