売れていなかった時代を反映している『STAR TRAIN』
Perfumeの『STAR TRAIN』 は2015年のシングル曲。Perfume初のドキュメンタリー映画主題歌になっています。2015年はPerfumeにとって結成15周年、メジャーデビュー10周年のアニバーサリーイヤー。武道館で10日間にわたる記念イベントが開催され、地元広島でも公演が行なわれました。
今でこそ、このグループはテレビにもフェスにもよく出る3人組として、人気も定着しましたが、結成してから8年間は売れない時代を過ごしていました。この曲は、そんな売れてなかった頃の時代も反映している曲。
Perfumeのはじまり。
----------------この歌い出しはPerfumeのスタートを表現しています。
手探りで夢をみる
何もない ただ信じて
宇宙までが遠いほど
片道切符を求めて
≪STAR TRAIN 歌詞より抜粋≫
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MVは、ランタンを持ったあ~ちゃんが暗闇を歩いてくる場面からスタート。かしゆかが合流し、そしてのっちが加わり、Perfumeの記録映像がスタートします。
このメンバーが登場する順番が、加入した順番になっています。あ~ちゃんが、かしゆかを誘い、さらにのっちを誘ったことでこの3人での活動がスタートしました。
インディーズの頃から、この3人の関係は変わりません。メンバーの増減もなく15年間続いている、Perfumeは極めて珍しいグループでもあります。Perfumeの周辺にいたけれど解散したグループも多々ありました。「手探りで夢を見る」ということが、どれほど困難かが分かります。
今が新たなスタートライン
----------------スタートレインとスタートラインをかけている歌詞。Perfumeは銀河をかける星の列車で、はるか音楽の宇宙を目指し走ってきました。そして見事ブレイクしました。
いつだって今が
Wow 常にスタートライン
≪STAR TRAIN 歌詞より抜粋≫
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しかし、いつでも今が新たなスタートライン。一つの目標をクリアしたら、また新たな目標に向けてPerfumeは動きだします。ドキュメンタリー映画でもラストで新たな目標を掲げていた3人。
3人の絆が感じとれる。
----------------「肩を組んで笑ってきた 僕らはきっと負けない」これも3人の中の良さを象徴する歌詞。売れない時期を経てブレイクして15年続けてこれた事実。
気付いてくれる人がいる
誰も見向きもしなくても
肩を組んで笑ってきた
僕らはきっと負けない
≪STAR TRAIN 歌詞より抜粋≫
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中田ヤスタカはそこを歌詞にしています。メンバーも言っていますが、ここまで3人によった歌詞も珍しいですね。なんだかんだで、Perfumeがインディーズの頃からずっと曲を書いてくれている中田ヤスタカは歌詞どおりの「気付いてくれる人」だったのでしょう。
インタビューで聞かれてもほとんどPerfumeのことは語らず、一緒に画面に映ったこともない中田ヤスタカですが、曲を通して3人にメッセージを送っています。
Perfumeとしては振り付けが少ない曲。そこがやや物足りないところはあります。
しかし、この曲は新たなスタートを告げる一曲。Perfumeのたどってきた道を知っている人ほど、歌詞に、3人のパフォーマンスにグッとくるんですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)