テクノポップユニットとしてブレイクし、結成15周年を超えたPerfume。『DISPLAY』は、Perfumeの近未来的なイメージにぴったりのタイアップ曲。高画質テレビのディスプレイ機能について歌っている曲です。2014年7月リリースのシングル『Cling Cling』に収録。
DISPLAYは、もともと「陳列すること」「表示すること」の意味。転じて、テレビ画面表示を指します。この曲は、高画質テレビの美しさを表現するのと同時にPerfumeというグループの過去と未来をDISPLAY(表示)している曲。
「新鮮な体験と共に」「想像じゃおさまらないほどに」
高画質テレビの新鮮な鮮明さの表現であり、Perfumeを象徴しているフレーズです。このグループは、最新技術でステージを見せるという演出がここ数年顕著になってきています。新鮮な体験を提供する、というのはもともとのテレビの役割であり、Perfumeの見せ方そのものでもあるフレーズ。
そして、これは想像におさまらないほどの体験。何度も言われていることですが、Perfumeは常に終了の危機にさらされていたグループです。結成から8年はほぼマイナーな存在で、このような大型タイアップなど想像もできないような状況が続いていました。今の現実は既に、歌詞どおり想像におさまっていないのです。
「繊細なこの光の中に」
高画質テレビの光の美しさを表現するこのフレーズ。Perfumeの新しい曲への予告でもあります。Perfumeは2016年4月に最新アルバムをリリースしました。このアルバムでも、また新たな魅力を見せています。アルバム収録曲の『FLASH』と『TOKIMEKI LIGHTS』は、共に「光」に関するフレーズが登場します。
「Feeling you 滑らかな彩り」「Feeling true my world」
4Kテレビの滑らかな彩を感じて下さい、というフレーズ。そして、Perfumeの彩り、Perfumeの世界観を感じろという意味合いも持っています。
この曲は掛け合いになっていて、掛け合いの歌詞は( )で表記されます。
(連れて行ってその奥にDISPLAY)
ここでタイトルの「DISPLAY」が登場。高画質テレビが奥行までよく見えるということを表現しています。そして、これも同時にPerfumeというグループの奥行を暗示しているフレーズ。
(蘇るあの時ならplay now)
テレビで感動の体験を甦らせる。まさにplay nowと画面を再生している状態を表すフレーズ。そして、Perfumeをブレイクさせるきっかけとなった曲『ポリリズム』の歌詞を連想させるフレーズでもあります。「あの光景が蘇るの」という歌詞が登場する『ポリリズム』は、何度もこのグループを甦らせてきました。この「play now」のフレーズでは、わずかに一瞬音がなくなります。このわずかな「間」で過去の思い出を聴き手にも甦らせているんですね。
(このまま飛び込みたいgood day)
ここの歌詞で、「good day」が登場。ここで直後に再び登場する「DISPLAY」のフレーズを似た音の響きで予告しています。
(連れて行って僕たちのDISPLAY)
最初に「その奥に」と言っていたフレーズは、「僕たちの」に変化しました。「僕たちの」Perfumeに、新しい世界に連れて行ってもらいたい。ファンのそういう思いが込められているフレーズです。
短い曲ですが、非常にPerfumeらしさを感じさせる曲です。それは、この曲がタイアップ曲としても、Perfumeの持ち歌としても完成度が高いからなんですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)