Netflixシリーズ「恋愛バトルロワイヤル」挿入歌に注目!
SNSで人気に火が付き、国内外で注目を集めているシンガーソングライター・冨岡愛の3曲目となる自己プロデュース曲『恋する惑星「アナタ」』。付き合っている2人の気持ちや関係性の変化を惑星に例えた楽曲で、台湾映画『恋する惑星』の広告を見て着想を得たそうです。
Netflixシリーズ『恋愛バトルロワイヤル』の挿入歌にも選曲されており、恋愛する気持ちについて考えさせられる楽曲となっています。
どのような歌詞なのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。
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帰り道に UFO を見かけた気がした
銀色の輝き 昔の母の指輪に見えて惹かれたわ
帰り際 いつもの駅ホームへと
幻のように消えてしまう目に焼き付けておきたいの
≪恋する惑星「アナタ」 歌詞より抜粋≫
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歌詞は「帰り道にUFOを見かけた気がした」という印象的なフレーズから始まります。
UFOは未確認飛行物体であり、「見かけた気がした」という微妙な表現からも、その不確実性が強調されています。
これは愛情のことを指しているのでしょう。
人の愛や感情は形がなく確認しにくいもので、一瞬見えたものに一喜一憂したり、見つけた気になったりします。
「銀色の輝き」が「昔の母の指輪」に見えたのも、彼との関係に結婚の未来がちらついているからではないでしょうか。
愛しているからこそ不安になって、相手の愛を疑ってしまうことも。
「幻のように消えてしまう」前に「目に焼き付けておきたい」と感じていることが伝わってきます。
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恋する惑星「アナタ」に連れて行かれたみたいね
あなたの重力を感じながら ふたりはフワフワ浮いているわ
恋する惑星「アナタ」のトリコになっちゃったみたいね
胸ん中ドキドキしちゃったじゃない ふたりでユラユラ空回りしているわ
≪恋する惑星「アナタ」 歌詞より抜粋≫
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彼は「アナタ」という名の「恋する惑星」のようです。
主人公はそこで「フワフワ浮いている」かのように、浮足立った気持ちで恋を楽しんでいます。
「トリコになっちゃったみたい」だから、彼の元から離れることができません。
「胸ん中ドキドキしちゃったじゃない」と、恋のときめきを真っ直ぐに表現しています。
しかし恋は難しく、無重力の中で浮かんでいるように「ユラユラ空回り」。
近づこうとすれば勢いがつきすぎてぶつかったり、反対に慎重になりすぎて遠ざかってしまったりと、もどかしい気持ちを抱えている様子が読み取れます。
あなたからの帰り方が分からない
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帰り方を知りたくて出してみた"SOS"
助けも何も来ないみたい 赤い砂の上 書いたアイアイガサ
いつかの彗星のように消えていってしまう
あなたの背中ばかり探し求めてしまっているのよ
気づけば
わたしの方が好きになっていた
いつでも
強がってしまうの あなたの前では
≪恋する惑星「アナタ」 歌詞より抜粋≫
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「帰り方を知りたくて」というフレーズから、2人の関係は変わってしまったことが窺えますね。
彼という惑星から帰らなくてはいけないと思い「SOS」を出しますが、「助けも何も来ないみたい」と嘆いています。
そこの砂が赤いのは、彼への愛が消えていないからかもしれません。
すぐに形をなくしてしまう砂の上に書かれた「アイアイガサ」は、2人の関係の破綻を物語っている気がします。
過去の恋の相手がそうだったように、別れた後は少しずつ存在が薄れていってしまうのでしょう。
しかし、まだ彼への愛情が強く残っているため「あなたの背中ばかり探し求めてしまっている」状況のようです。
最初に好きになり告白をしてきたのは彼の方なのに、付き合っていくうちに「気づけばわたしの方が好きになって」いて、今やその感情を持て余しています。
「いつでも強がってしまうの あなたの前では」と、本当は彼を引き止めたかったのに、自分の不器用な性格がそれを阻んでしまったことも読み取れます。
その性格が別れの原因だと理解していても、人はそう簡単には変われません。
だからこそ、愛する人に愛される人でありたいと願いながらも、うまくできない自分に苦しみ、恋を難しく感じてしまうのでしょう。
誰もが恋の重力に翻弄されている
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恋する惑星「アナタ」に連れて行かれたみたいね
あなたの重力を感じながら ひとりでポロポロ泣いているわ
恋する惑星「アナタ」に私を置いてったみたいね
胸ん中ソワソワ止まらなくて ひとりでフラフラ空回りしているわ
≪恋する惑星「アナタ」 歌詞より抜粋≫
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「恋する惑星「アナタ」に連れて行かれた」主人公は、帰り方を知りません。
心に重く圧し掛かる彼の存在を感じながら「ひとりでポロポロ泣いて」います。
取り残された彼女は「胸ん中ソワソワ止まらなくて ひとりでフラフラ空回りしているわ」とこぼします。
誰にも助けてはもらえないため、自分で帰り方を見つけて抜け出すしかありませんが、それには時間と労力が必要です。
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帰り道に UFO を見かけた気がした
銀色の輝き 今までと何も変わってないはずでも
帰り際 いつもの駅ホームでさ
どこからもなく現れて 私を再び連れ去ってゆくの
≪恋する惑星「アナタ」 歌詞より抜粋≫
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「帰り際 いつもの駅ホーム」で見かけたUFOが、彼に対するものなのか、他の誰かに対するものなのかは分かりません。
自分自身は「今までと何も変わってないはず」でも、心は常に複雑に変化しています。
そして恋心は突然に現れて、抗う暇もなく惑星へと連れ去って行ってしまうのです。
きっと誰もがそんな恋に悩んでいるのでしょう。
抵抗できない恋の重力に導かれて翻弄される、女性の切なくも甘い恋心が感じられます。
心地よいサウンドと歌声に魅了される!
冨岡愛の『恋する惑星「アナタ」』は、恋を宇宙という壮大な風景に重ねた不思議な世界観が癖になるラブソングです。どこか懐かしいポップなメロディと温かみのある歌声で、恋の楽しさや幸福感が心をくすぐるような楽曲となっています。
今恋をしている方もそうでない方も、恋の重力を感じながらこの曲を楽しんでくださいね。