歌とダンスで「魅せる」アーティスト三浦大知
三浦大知は、元Folderのボーカル。幼少の頃から歌と踊りで魅せてきたアーティストです。歌とダンスが非常に上手く、踊りながら歌っても音がブレない三浦大知。2016年3月発売の『Cry & Fight』は、特にダンスが凝っている曲です。孤独を示す
“裸足のまま走る街 すり抜ける人の波
どれくらい経ったのだろう とっくに迷いはなかった”
Cry & Fight │三浦大知 歌詞
冒頭の歌いだし。街の中を走りぬけていき、そこを人がすり抜けていく。孤独を表現しています。「裸足のまま」とは無防備なまま挑戦している様。
自らに問いかける
“気付けばまた2人
鏡に映る自分が笑う
何処に行く? 何処までも”
Cry & Fight │三浦大知 歌詞
「気付けばまた2人」というフレーズ。自分と鏡に映る自分を指して「2人」と表現しています。この時点では、本当の自分と鏡に映った自分が別々の存在に感じられている、という歌詞。
そして、鏡の自分に向かって問います。「何処に行く?」と。すると鏡の中の自分は「何処までも」と返答しました。これは、自問自答の歌詞。ソロで活動する三浦大知は、常に自分に自問自答しているんですね。
光るフレーズ構成
“Crying 月が光り Fighting 太陽が照らす場所へ”
Cry & Fight │三浦大知 歌詞
タイトルの歌詞が「Crying」「Fighting」という形で、それぞれ登場します。それまで穏やかだった曲調もここから緊張感を帯びてきます。
「くらーい」「ひかーり」「ふぁーいてぃ」と同じ音で繰り返しリズムを作り、その後の「太陽が照らす場所へ」のフレーズが際立つように構成しています。月と太陽の対比。心理的に月が光るような夜だったのが、太陽が照らす昼間に変化しました。
見据えるのはもっと"先"
“全てが上手くいかない そんな時いつも
もっと遠くに行ける気がした
心を磨いていく雨 その向こうから
Oh oh 本当の鼓動 波一つない湖”
Cry & Fight │三浦大知 歌詞
サビに入ります。「全てが上手くいかない そんな時いつも もっと遠くに行ける気がした」という歌詞。三浦大知の心境を表現しています。この曲は三浦大知が作詞に関わっている曲。これだけ歌って踊れる三浦大知でも「全てが上手くいかない」と感じる瞬間があるんですね。
しかし、だからこそ、そんな時はいつも「もっと遠くに行ける」と考える。先に出ていた自問自答の答え「何処までも」をサビで言い換えています。
折れずに戦い続ける
“気付けばもう1人 鏡に映った笑顔が言う 何処へでも”
Cry & Fight │三浦大知 歌詞
「気付けばまた2人」の歌詞は後半で「気付けばもう1人」に変化します。これは心境の変化の表れ。別々だった自分の心が統一され、迷いがなくなった様を表しています。MV上では、ここに振付がありません。迷いがなくなった様を「動かない」という振付で表現。
このあと、さらに「Crying」「Howling」「Fighting」が執拗に何度も繰り替えされます。何度も泣きたいような目にあうたびに戦って、そして「太陽が照らす場所」へ行くんですね。
自分を信じる
“全てが上手くいかない そんな時いつも
もっと遠くに行けると信じた
正解も不正解もない この世界に今
Oh 鳴らそう 本当の鼓動 Cry & Fight”
Cry & Fight │三浦大知 歌詞
「もっと遠くに行ける気がした」の歌詞が、後半のサビでは「もっと遠くに行けると信じた」に変わっています。ぼんやりだった気持ちが、より自分自身を信じる方向に向かったことの表れ。「正解も不正解もない この世界」のフレーズは、三浦大知自身がいる音楽の世界そのもの。
どれだけ歌えれば認められるのか。どれだけ踊るのが正解なのか。正解不正解は分かりません。
それでも泣きながら戦いながら、三浦大知は歌い踊り続けます。「Oh」の歌詞のところでジャンプを入れる振付も良いですね。気分が上がることをダンスでも表現しています。
複数のダンスボーカルグループが多い中、1人で活動を続ける三浦大知。この曲の歌詞は、ソロアーティストだからこそ、出てきたものなんですね。
Cry & Fight 歌詞 全文
Cry & Fight 動画
Cry & Fightの動画ページはコチラTEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)