あなたのHAPPYを考える、そんなアルバム

──そんな感情を意識しながら書いた楽曲の中で高橋さん的にイチオシのフレーズや歌詞を挙げるとするなら、どの曲になりますか?
高橋:歌詞で皆さんに歌を聴いていただきたいと思ってる自分なもんですから、どれもって言いたいところなんですけど、強いて言うのであれば、「明日から戦争が始まるみたいだ」をあえて1曲目にさせてもらっているのは、スタッフ、レコード会社の人たちは誰もが思ってないことだと思うけど、これは僕の推し曲なんですよ!
〈明日から戦争が始まるみたいだ〉と何度も歌うんですけど、〈「始まらないでしょ」って安心してたのにな〉というフレーズは聴いてもらえたら嬉しいなと思います。
今、我々が悩んでいることって、安心の上に寝そべって悩んでることじゃない?という投げかけというか。ミサイルが今飛んでくることが分かっていたら同じことをしているかな?って。同じことで妬んだり、悩んだり出来るかな?という思いがあって。
──うわあ、確かに。本当にそうですよね。きっと悩んだりできない。
高橋:これは身内話で恐縮ですけど、秋田に友達が何人かいるんですけど、「こういう曲を書いてみた」ともちろん他言はしない信頼できる友達に聞いてもらったりするんですよ。この曲を聴いて転職を決意したやつが1人います。
──すでに影響を与えている!
高橋:〈嫌な仕事の愚痴こぼしてる場合じゃないや〉という歌詞に引っかかっちゃったと言っていて。別に転職してほしいソングではないんですけどね(笑)。
でも、安心に寝そべっていると欲ってどんどん出てくるけど、いつ大切な人がいなくなるか分からないし、明日も今日と全く同じになると信じすぎるのも、必ずしもそれが幸せと限らないんじゃないかなっていう。
今日の幸せは今日のうちに味わっておかないといけないかもしれないぞという気持ちをこの曲には込めているので。
10代〜30代の読者の方がUtaTenは多いんですっけ? 40歳のおっさんが何を言ってるんだと思われるかもしれないけど……(笑)。口ずさんでもらえたら嬉しいですね。
10代、20代の子が〈明日から戦争が始まるみたいだ〉とギターを持って歌っていたらカッコいいなと思いますけどね! どんなピースマークの古着を着てる奴らよりもカッコいいと思う。そんな願いも込めてこの曲を推しておこうかなと思います!
──この曲はリズムパターンも特徴的ですよね。
高橋:いいですよね〜! DUTTCHさんというドラマーが叩いているんですけど、彼が叩くドラムがすごく好きで! 「好きに叩いてください」と言ったら電話が掛かってきましたからね(笑)。あんなドラムを叩くのに真面目だな〜と思いましたね(笑)。
〈機関銃でハチノスになって〉という歌詞があるからそこは機関銃みたいなドラムを叩いてほしいと言ったらあそこは16ビートで叩いてくれている。それなら16のままいけばいいのに、また8ビートに戻って。あの感じはあまりないんですけど、そこもお願いして。
1つ1つのドラムの音が兵隊のドラムロールに聞こえたり、爆発音に聞こえたり、打楽器ってそういうところが面白いと思うんですよね。この曲は3人で演奏してますからね! ギターとドラムとバイオリン、ハーモニカ、タンバリンの5つだけ。この感じが好きなんですよ。
──生感がすごいし、人間臭さがあります。
高橋:アルバムを通して、歌詞が浮き彫りになる仕上がりにしたかった。歌詞カードを見て曲を聴く人は少ないかもしれないし、大体は出勤の途中でちょっとイヤホンで聴くだけとか聴き流されてしまう歌詞って多いと思うけど、デビューから僕はずっと「なんて言ったの? 聞き捨てならんぞ」という歌詞を書き続けて来ちゃってる部分があって。そこには今回も重きを置いていますね。
──本作もリスナーには歌詞を読んでもらいたい。
高橋:是非とも! 歌詞を読んでも分からない「WINDING MIND」もあるけど(笑)。歌詞カードは見てほしいです! 「はなうた-pray for Akita-」はCDにしか収録されないですし、ブックレットにも今回ギミックがあるので、CDへの愛も僕の作品の中に込めたいなと思っていますね。
──この作品が出来たことで15周年イヤーのスタートを気持ちよく切れそうですね。
高橋:本当に気持ち晴れやかです。というのも今年本厄で来年は後厄なんですよね。だんだんと脂も乗って、42歳になる年というのは人生の分岐点という側面もある。だから割とワクワクしているし、そこに15周年というトピックが乗ってくるんだなと。
そしてツアーもありますから、また地元の方々とのコミュニケーションを大事にして、MCも含めて、より誰かの幸せをイメージ出来る、想像力を絶やさないおっさんでいたいですよね。世代・性別を問わず!
──最後に読者にメッセージをお願いします。
高橋:今回歌詞を書いていて、一つだけ偏りが出たかなと思うところがあって。それは自分の世代、自分の年齢というのを意識している部分があったこと。
これは日本に多いと思うんだけど、すごく年齢に左右される人生なんですよね。それって山で暮らしていたら誰も気にしないと思うんです。
人間社会の街の中で、面接や就職、結婚、そういう事象が入ってきて、えらく年齢のことを気にする。かくいう僕も40歳かと気にするんですよ。どうしたって無視できないから。でもそういう世界で生きる人たちに僕は歌を届けていると思う。
──間違いないです。
高橋:年齢や数字的なものに感じているストレスをちょっと蹴飛ばしたい。そんなふうに思っているおっさんがここにいるぞ!と。50歳から何か始めることを遅いと誰が言えるんだよ!と思うんです。
世の中は便利になっているし、便利なものを便利なように活用していけば、年齢というものを超越して自分が不可能と思っていることが可能になるかもしれないって、なぜ信じたらダメなんだろうと思う。という思いから12曲目に「青春の向こう側」という曲を書いたんですけど、書こうと思った理由は、年齢にストレスを感じて「もう遅い」と漠然と自分は格下げになったように思う風潮が漂っているように感じて、それを覆したいと思ったから。
例えば何かに向かって頑張ったけど、当たって砕けてしまった。でもその人の足元には砕けた瓦礫が残ってるんですよ。
その瓦礫が当たってた壁よりも高いくらい失敗してる人はその当たって砕けた瓦礫の壁で、壁を乗り越えていけるんだよと無理やりかもしれないけどそういう曲を書いたんです。
──瓦礫で壁を越える、その考えってなかなか考えつかないかもしれない。
高橋:要は失敗してることが悪いんじゃない! 始めたのが遅いのが悪いんじゃない! 自分のこと悪いと思ってることが悪いんですよね。
自分を素敵だと思ってる人は何歳になっても素敵なんですよ。
早い人では10代で「もう遅い」と思っている人もいるけど、きっとそんなことない。今あなたが何か思いついて始めても、十分にあなたは今も美しいし、今よりも美しくなれる、かっこよくなれる、素晴らしい日々の中を歩んでいるということをこのアルバムを通して伝えたいことのような気がしていて。
あなたのHAPPYを考えてもらえるアルバムになったと思うので、皆さんにぜひ聴いていただきたいですね。
TEXT 笹谷淳介
Photo Kei Sakuhara
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