晴れた空に疲れたあなたへ、V6の『ジャスミン』に癒されてみませんか

『ジャスミン』といえば…？

V6の楽曲『ジャスミン』は、ドラマ「警視庁捜査一課9係 シーズン2」の主題歌だ。

ジャスミンといえばハーブティーやアロマなどの香料としても知られる花のこと。そして、この曲『ジャスミン』のMVでは花屋でジャスミンの鉢を買う森田のシーンなどが描かれているのだが、実際の歌詞の中にはそうした実体としてのジャスミンの花は登場しない。

冒頭に、その表現がある。

象徴的存在＝ジャスミン

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朝日と あくびと いつもより苦めのコーヒー
頭をもたげた ジャスミンが胸にあるよ
≪ジャスミン 歌詞より抜粋≫
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曲中では“ジャスミン”の存在は常に象徴的なものとして描かれる。“頭をもたげた”とは起きている、上を向いているということだが、咲いているかどうかはここではわからない。

ではジャスミンとは一体何を示しているのか。

ジャスミンが示すモノって？

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誰かの声に 聞き耳立て
明日をちょっと疑った
気持ちの花束 誰かに届くかな OH
≪ジャスミン 歌詞より抜粋≫
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ここで登場している“誰か”とはいったい誰を指すのだろうか。“明日をちょっと疑った”や“届くかな”というフレーズを見ると、何かに不安を感じているような様子だと読み取れる。

ゆえに“誰か”とは、この曲でいう“ジャスミン”のように、必ずしも実体としての誰かというわけではなく、漠然とした“不安”を擬人化した比喩であると考えられる。

一見、具体的な「他人」に対して“花束”を届けたいように書かれているが、“誰か”を「自分の心の中にある不安」と置き換えてみると、様々なことに対して不安を抱く心を鼓舞している意味に聴こえてくる。

涙も時には必要なんだ。

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問題はやがてクールに いつかハッピーに咲き誇るよ
咲かない種などは無いから

快晴が続く程に 少し不安で眠れないけど
涙もそっと しおれそうな心に…
≪ジャスミン 歌詞より抜粋≫
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空が晴れ渡ることは良いことのように思えるのに、快晴が続くことで不安になるとはどういうことだろう。しかし考えてみると、花はただただ日光が必要なだけではなく、雨、潤いも不可欠だ。

日照り続きでしおれそうな心には、涙という潤いが必要。不安で流した涙も決して無駄にはならないことを、ここでは歌っている。

感情は、魔法にもなる。

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感情はどんなルールも 追い越して君だけを守るよ
そんな魔法が誰にだってあるんだ
同情に抱かれながら 泣いて枯れて進めない夜は
振りかえって 落ち込んでばかりいた
≪ジャスミン 歌詞より抜粋≫
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「涙が枯れるほど泣く」というが、それほどにどうしようもない時もある。二番のサビには、前述の一番よりも更に辛い状況に立たされている様子が見える。

しかし、そんな状況で守ってくれる“魔法”が“感情”なのだ。喜びもあれば、悲しみも怒りさえも感情のひとつ。この歌詞の中で、“感情”が何であるかは明言されていないが、それはどんな感情であってもその魔法に成り得るということだろう。

『ジャスミン』のサビは毎回、“さよなら　今の僕「Ah Say Hello!!」”というフレーズが最後に置かれている。

不安で眠れない夜も、つい落ち込んでしまう夜も、涙という“魔法”でそんな“僕”と別れることができる。そして“新しい朝”であったり“終わらない夢”という次の段階へと繋がっていけるという意味だ。

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心に癒やしが欲しいときこそ、『ジャスミン』を

“新しい朝　終わらない夢　胸のジャスミンへ”締め括りのこの歌詞には、“魔法”のあとに見えてくるものが並べられている。色々な夜を乗り越えたあと、きっとこの“ジャスミン”はきれいな白い花を咲かせていることだろう。

白いジャスミンの花言葉は“優美”。涙を乗り越えた人は更に美しく咲き誇れるのだと、聴いている人たちに向けて V6が“魔法”を掛けてくれているようでもある。

ハーブティーもアロマの香りも心を安らげてくれる方法のひとつだが、しおれそうな心に癒しが必要なとき、ぜひこの曲を聴いてみてほしい。V6は、きっとあなたの胸の『ジャスミン』を咲かせてくれるはずだ。

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TEXT:祈焔( https://twitter.com/kien_inori )