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コンプレックスがあっても、きみはきみ。石崎ひゅーいの「おっぱい」で心に栄養を!

女性のみなさん。コンプレックスってありますか? きっと、ない人はいないと思う。 かくいう私は、胸があまり大きくないのがコンプレックス。遠慮のない言葉を使うなら、貧乳だ。


女性のみなさん。コンプレックスってありますか? きっと、ない人はいないと思う。かくいう私は、胸があまり大きくないのがコンプレックス。遠慮のない言葉を使うなら、貧乳だ。

大人になってだいぶ過ぎた今は、もうそのことで日常的に気をもんだりはしない。でも、かつては男性を目の前にするだけで「なんか、申し訳ございませんっ!」と、反射的に身構えていたこともある。胸が小さいだけで、なんで劣等感に苛まれなきゃいけないのかわからないけど、世間は貧乳の女性にけっこう冷たいのだ。

でも、悩んでいても仕方ないなって思えたのは、この曲を聴いたから。石崎ひゅーいの「おっぱい」だ。



歌詞のファンタジックな世界観と、独特のキャラクターが愛くるしいシンガーソングライター、石崎ひゅーい。「おっぱい」は、そんな彼が、胸が小さくて悩んでいる友達に向けて「大丈夫だよ」と言いたくて作った曲だそう。

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鶏肉とキャベツと豆乳 いっぱい食べておっぱい大きくなぁれ
君の悩み事なんか宇宙のカスみたいなもんなんだから
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手を合わせておすのさ3秒間 123
そして3回深呼吸しなスーハースーハースーハーははは

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うん、美容雑誌とかで読んだことある、これ。胸を大きくする方法を指南してくれているのだ。…なんて親切なんだろう。そして“おっぱいを大きくしよう”という小さな努力から、「きみの悩み事なんか宇宙のカスみたいなもん」という突然のスケールアップ。あの手この手を使って、女性を勇気づけようという心遣いに、無条件にうれしくなってしまう。

貧乳女子は、優しさに弱いのだ。

でも、胸のことじゃなくても、女性として生きていれば何らかのコンプレックスは出てくるだろう。日常の中で、憤りを感じることだってたくさんある。
そんな気持ちをも、この歌は包み込む。

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飲めない酒を飲んでつけない嘘をついて
そんなの似合わないんだからやめちまえよ
料理がへたくそで漢字がまちがっている
座っちゃえよ席が空いてんだから

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大人になったら、素敵な女性になれると思っていた。でも、そうも簡単にはいかなかった。少女のころ、近所のお姉さんがまぶしくみえた。大人になった今だって、街で見かけるおしゃれなOLさんに気後れする。いつだって、自分は自分の一歩前を行く人に追いつけない。

でも、それはどんなに前を歩いている人だって同じ。自分の前には、必ず誰かがいるのだ。料理が下手でも、正しい漢字が書けなくても、言いたいことが言えなくても、自分は自分。だから「似合わないんだからやめちまえよ」なのだ。まず自分を偽ることを辞めなきゃ、本当の自分には出会えない。

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君は君のままでいなよ
泣きたけりゃ泣けばいい
がんばって走って転んでできた傷跡は瘡蓋になるよ

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コンプレックスを克服しようと、女性は頑張る。その頑張りこそが、宝物。瘡蓋が乾いてはがれた後には、またきれいな皮膚が現れる。だから、君はどんなだって、いつまでも君のままで素敵なんだよ、と。なんだか、女性全体に向けての応援歌みたいだ。

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僕が迷子にならないように
小さい光で輝いてほしいずっと

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ただ「小さな光で輝いてほしい」という言葉から見るに、石崎ひゅーいのタイプは本当に胸の小さい女の子なのかもしれないな、とも思うけれど。

女性のみなさん、胸を張って生きていきましょう。

TEXT:佐藤マタリ

石崎ひゅーい シンガーソングライター 両親の影響で幼少の時からトム・ウェイツ、デヴィッド・ボウイなどを聴いて育つ。 中学からバンド活動を開始。当初よりヴォーカルを務める。高校卒業後、大学で結成したバンドにてオリジナル曲でのライブ活動を本格化させる。その後ソロシンガーに転向し···

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